「武田双雲さんと発達障害について楽しく語ろう」様子を一部お届け

発達障害

とてもリラックスした雰囲気で始まった今回の会は双雲さんの発達障害による持ちネタが満載で、参加者の皆さんによる笑いのエピソードの披露もあり終始朗らかな会になりました。会の始めでは、『西梅田こころとからだのクリニック』の放火事件について、双雲さんよりご質問がありました。

メディアの方々へご質問

会の序盤、双雲さんからメディアの方々へ質問があり、それにメディア関係で勤めている参加者が答えました。

双雲さん:メディアの方々に、この事件のことでわかってきたことがあればお聞きしたいです。

メディア関係者:事件が起きたことで、受け止めている人たちに変な偏見が起こらないような視点で記事を書きました。遠いものが事件によって浮かび上がってきたがために、変な捉えかたが広がることが懸念されると思ったので、一度振り返りつつ受け止め方に気を付けた方が良いなと思いました。

双雲さん:日本社会において、精神疾患に対しての理解は昔と比べて進んでいますか?

メディア関係者:精神疾患が多様化してきて、うつに対して特別視しなくなってきています。一方で、このような事件が起きたとき非常にセンセーショナルに伝わって、拡大自殺と絡める形での報道も沢山ありました。伝えるときには細やかに伝えるほうが良いと思っています。

双雲さん:精神疾患の人と拡大自殺との関係性は?

メディア関係者:記事の中で書いたのですが、日本はこのような話題をタブー視するところがあり、困難さを感じます。海外では犯罪と精神疾患の兼ね合いを議論し、実は重い精神疾患であってもさほど関係性がないというデータも出ています。日本はそこも触れずに、分かりにくさが邪魔しているような状態です。

クリエイティブな人材

双雲さん:ADHDと一言で言っても、観方によってはいろんな取り方ができ、今回は多様な側面からADHDについて話したいのですが、以前よりADHDは『最高の宝物』とよく言ってますが、なぜADHDの時代がきたといえるのでしょうか。
最近はよく『クリエイティブ』という言葉が出てきましたね。その前は量を求め質を求め、平成になりデザイン性が重要になりデザイナーがもてはやされました。令和になりクリエイティビティ、すなわち創造性が重要視されてきて、全く新しいものを生み出すことが大切になってきました。衝動的によけいな事をする人間が、この新しいものをつくりだす、それがADHDです。

凸凹を均(なら)そうとするから駄目

双雲さん:型にはめられたことをよしとする社会では、まだまだ容認されないけれど、今までの常識を打破するのはADHDやアスペルガーや機能障害をもった人達です。ノーベル賞のほとんどは、余計な事をしたときに発見されてるんですよ。偉人が皆発達障害と思えば気持ちは楽になるじゃないですか。逆に偉人になれるかと問われれば困りますけれども。偉人にならなくても、チャンスはいっぱいある時代だと思います。
僕が今仕事で成功してるのは、『書く』と『喋る』だけしかしてなくて、他はすべて秘書と妻がやってくれるからです。凸凹の凸の部分しかしてなくて、凹の部分は全くやってない。凸凹を平坦にしようとすると苦しいんだと思います。好奇心があるものに向かえばいいなと思いますね。発達障害は、興味あることと無いこととの差が異常に激しいんですが、これがチャンスで、興味ないことはやらなくて良くて、興味あることを掘り下げる!

途中、双雲さんの前歴に話が及び、サラリーマン時代について質問がありました。

質問:双雲さんは、一流企業の営業部で勤めていたときもあったようですが、ADHDのサラリーマンとして工夫されていたことはありましたか?

双雲さん:座ってられないので動く仕事がないですかと聞くと、営業だなということで出たんですが、営業成績は悪く上司からは叱責を受けてばかりでした。ところが、たまたま営業先の部長さんが宇宙好きで、宇宙の話でとても仲良くなって、仕事を頂き一気に高額の契約が取れて成績も急激にアップしました。
あと、なぜ就職できたかについてですね。大学4年にもなって全く就職を考えておらず、それを心配した友人や先生に会社を紹介されました。私服で面接に行き、人事部長から『君は今まで面接したなかで一番面白い人だ』と言われました。個性を生かしてほしいですし、みんなにチャンスがあると思っています。

双雲さん:発達障害は『発達』が『出来なかった』人を指しますが、それは今までの常識の中の発達に過ぎません。有名人や金持ちが自殺やうつでボロボロになって、定型発達だからこそ却って不幸になっています。ならば、今までの常識を外れた発達障害で良かったとはならないでしょうか。

まとめ

まだ社会には、気付いていない人が沢山いる現状ではありますが、発達障害を持つ人が社会を変えていくことに間違いはありません。捉え方や伝え方によっては、発達障害にたいして同情されることもあるでしょう。そうではなく『優れた特性』と考え、そこを生かしたときに賞賛され面白い持ちネタに変換してしまえば、そこには悲観ではなく笑いが起こります。今回のイベントに参加された方々は、双雲さんのお話に希望と期待を感じ、笑いと共に前進するヒントを得られたのではないでしょうか。

『障害者ドットコム コミュニティ』/ GoodMorning by CAMPFIRE

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障害者ドットコムニュース編集部

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