休息の重要性~ADHDの人は疲れやすい?

発達障害 暮らし

出典:Photo by Shane on Unsplash

誰しも疲れたなと思うときはあると思いますが、そういうときには休息をとってしっかり回復しているはずです。

しかし、なぜかADHD(注意欠陥多動性障害)傾向の人は疲れを解消するのが苦手で溜めやすいです。その原因になりそうな要素を、経験談も交えて説明していきたいと思います。

いったい何が原因なのか?

多くのADHDの人が抱えている問題として、以下のことがあげられます。

1.多動性、衝動性 2.過集中 3.睡眠障害になりやすい

この3つが疲れやすさに影響しているのではないでしょうか?

多動性、衝動性

ADHDの方はエネルギッシュで活動量が多い場合もあり、それで身体が疲れてしまうケースがあります。つい外出の予定を入れ過ぎて、限界まで頑張ってしまうことでエネルギー切れになってしまいます。

また活動的でなく、具体的な予定をあまり入れないタイプでも疲れやすいケースがあります。それは思考をすることによる脳の疲労が溜まる場合です。身体は落ち着いていても、ふとした瞬間に考えが浮かんで没頭してしまうといった状況になりがちです。

ADHDの私には実感がないのですが、多くの人は頭の中で何も考えずに過ごしている時間というのがそれなりにあるのかもしれません。

私の事例としては、お風呂に入るときもゆっくり何も考えず……とはいきません。とりあえず身体と髪を洗い、お湯につかってちょっとリラックスしようと思ったあたりで、予定や考えが浮かび、頭をフル回転させて、そうしている内にお風呂からあがっていることが多いです。

過集中

ADHDの人の長所とも短所ともいえるポイントですが、寝食を忘れる勢いで何かに没頭してしまう傾向があります。集中できることはいいのですが、終えた後に一気に疲れが出て反動が来たり、終えるまでの間の切り替えが苦手だったりと、一般的な生活を考えるとデメリットになる部分も多いです。

このように何かに集中しすぎることで、限界まで疲れを溜めてしまって中々回復できなかったり、就寝時間が遅くなり疲労が蓄積してしまったりします。

私も好きなゲームであれば、最低限の食事などを挟んで、ほぼ1日中やってしまうことがありますし、イラストを描くことに集中していたときは思っていた以上に長く作業をしていて、就寝が遅くなってしまったということもあります。集中しているときには自分の疲れに気づけなかったり、気づいても無視して続けたりしてしまう傾向がありました。

また、ADHDの人が過集中になる原因のひとつに、やる気のオンとオフの切り替えが下手ということがあると思います。普段はなかなかやる気が出にくいものの、1度出さえすれば頑張ることができる傾向があります。そうなると1度やる気になったときに、その作業を中断するのがもったいないと感じがちです。その結果として長時間、作業に過度に集中してしまうことに繋がるのではないでしょうか。

睡眠障害~生活リズムを乱しやすい?

ADHD傾向のある人は睡眠障害になりやすいようです。そのため、睡眠不足によって疲労が蓄積するケースもあります。具体的な仕組みは解明されていないようですが、脳内物質が上手く働かないなど、脳の働きの影響が原因だと推測されています。

他にもADHDの人は生活リズムを乱す傾向があるように思います。上で述べた多動性、衝動性、過集中によって、つい夜遅くまで続けてしまうケース、有意義に過ごせなかったことや、ストレスが掛かったことを解消しようとして、夜ふかしをしてしまうというケースもあります。結果として生活リズムを乱し、睡眠不足に繋がっていきます。

私の場合では何かを始めると「切りのいいところまで……」と続けていたら、いつの間にか夜ふかしになっていたことや、途中で目が覚めてしまったときに、再び眠くなるまでの間に何か別のことをしようとしたら、かなりの時間が経っていたこともありました。

また、ストレスを解消するための時間を減らすことが苦手な傾向もありますが、これは残業があったときに大きく響いていました。残業でストレスが溜まったときには趣味の時間などを確保して解消したいのですが、帰る時間が遅くなれば使える時間も減っているため、睡眠時間を削るしかないという状況になりました。気持ちの部分で我慢が難しく、大人しくその日は寝て休日まで待つということが難しいのです。

どう工夫すべきか

ひとつの方法は意識して休息を取ることです。しっかりと時間を決めて休憩時間を取るようにすると効果的です。する必要がある作業であれば、集中してやった方が効果的ですし、趣味にしても効率が上がると思えば多少は休む気になると思います。

しかし休憩時間を取っても、あれこれ考えてしまう場合や、我慢できず作業に戻ってしまう場合もあります。そういったときのためのアイデアがあります。例えば「リラックスできる音楽を聞いてみる」「ストレッチや呼吸法など身体をリラックスさせる行動に意識を集中する」「ホットアイマスクを使用して冷めるまでの間は何も考えず横になる」などがあげられます。

他の工夫としては、生活リズムの改善や睡眠の質を上げるための方法をもつことです。また、生活リズムを崩しやすい傾向があることを自覚してできる範囲で取り組むことが大切です。

さらに、ストレッチや寝やすい寝具を探す、サプリメントの活用、BGMを流すなど、自分にあった睡眠の質を上げる方法を見つけることも効果的です。他にも「寝る前にその日にできたことを書き出して、有意義だったと納得する」など精神的な部分での工夫も効果があると思います。

ADHD傾向のある人で、なぜか疲れやすいと思ったときには、意識的に休息の時間を作ってみてください。しっかりと休息を取ることは重要かつ有意義な行動です。

参考文献

【株式会社kaien|発達障害の人は疲れやすい? ~疲れやすさの原因と対処方法~】
https://www.kaien-lab.com

【ダイヤモンド・オンライン|発達障害の人ほど「リベンジ夜ふかし」をやめられないメカニズム】
https://diamond.jp

【はぐめいと|発達障害ADHDと睡眠の関係〜なんと8割が睡眠障害、ADHD】
https://www.hugmate.net

【株式会社 日経ナショナル ジオグラフィック|発達障害の睡眠問題、実はほぼ半数が悩む】
https://natgeo.nikkeibp.co.jp

茄子野

茄子野

就職後にうつ症状で心療内科を受診し、その際にADHDの診断を受けました。
現在は就労移行支援事業所を活用しながら社会復帰を目指しています。
ゲームやアニメ好きでイラストを描く趣味を社会人になってから始めました。
その他、特撮のウルトラマンシリーズやプロ野球観戦も好きです。

注意欠陥多動性障害(ADHD)

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