
出典:Photo by Toa Heftiba on Unsplash
引きこもり生活の果てに、うつ病を発症してしまった私の体験談をお話します。
無気力の経緯(これは病気なのか?)
大学生になった際、通うことになった大学が自分の中で不本意なものであったため、次第に将来の展望も悲観的な予測が頭の大部分を占めていきました。
大学生活では日々本気ではなかったと思いますが、自殺のことも毎日、頭に浮かぶようになりました。
「死ぬのは怖いし、積極的に生きるのも嫌だ」「後ろにも前にもいけない」というような、どうしたらいいかわからない閉塞感があり、徐々にやり場のない気持ちが固定化されていったのです。
そして、ぼんやりと気がついたときには「20歳にしてすでに過去しかない」というような鬱屈した生活に陥っていました。
もともと、人が多い場所は苦手だったため、どこまでが症状か判然としないのですが、印象的なのは大学のゼミ面接の際に部屋に入ろうとした際の出来事です。
「ドアを引いて」も開かないという想定外の事態が発生しました。
ただでさえ緊張している状況下での対応に追われ、わけがわからず、大回りして掲示板を再度確認し、落ち着いてから「ドアを押す」と今度は開きました。
ゼミの面接ですら、このような余裕の無い状況だったため、就職での面接に関してはいうまでもありません。
当時の私は就職のときの面接を「嘘つき大会」だと強く考え過ぎ、就職に対する準備が何も手につけられませんでした。
就職後の仕事に対する嫌なイメージも強かったです。
大学の労働法の授業に単位のために読書をしながら、片手間に出席していた際に「日本の労働時間は世界トップクラスの長さ」というような情報には耳が反応して情報を拾い、仕事に対して悪いイメージをさらに膨らませていたように思います。
意を決し大学の相談室にいったこともありました。
そのときは神経症の本を紹介され、緊張の解き方のページは参考になりましたが、億劫になり相談室にもいけなくなりました。
その後は、親の仕送りでユイスマンスの小説『さかしま』のデゼッサントのような、ひきこもり生活に突入していきます。
当時、自分の心の中では明るいひきこもり生活と楽観的に捉え、一時のことであるようにぼんやりと考えていました。
ところが、だんだんと外に出られなくなっていきました。
大学受験という努力が、報われなかった反動で「努力をしようがしまいが結果が大して変わらないなら、何もしない方がいい」という考えが次第に習慣化していき、何もしない惰性の日々が続いていくことになっていきます。
惰性の日々の、何もしないでいる過度の退屈な時間も、努力が報われないことと同じくらいに苦痛なものになっていました。
うつと診断される経緯(不眠の症状の出現)
ひきこもり生活中にマンションでの深夜の騒音が起きました。
それにより、1週間続けて眠れず眠気がこないが、激しい頭痛はくる、という不眠症状が出たために心療内科・精神科を受診することになりました。
私が経験したうつ症状は次のようなものがありました。
1週間の不眠、不眠の日数が増える毎に強くなる頭痛、眠気が訪れない、胸の圧迫感、ふらつき、食欲がなくなる、頻繁に目が覚める、悪夢をよく見る(最高で1日に10回独立した夢を見た)、集中力がなくなる(考えるべき対象が被写体とするなら、考える対象=被写体にピントが定まらなくなる)、疲れやすい、体が重い(今まである程度自然にできたことが、超人的な力を要するようになる)、喉が渇く。
通院を続け、クリニックの医師と現状を相談しているうちに「就労移行支援」というものがあると紹介されました。
診断書をつくる段階になり、医師の方は「色んな診断名が考えられる」と話されました。
当時の私の場合の症状は「不眠」と「社交不安障害」が困りごとの中心であると診断され、2つを含むものとして「うつ」ということに決定しました。
さいごに……。
私の場合は、うつ診断をきっかけにして先送りしていた人生の宿題が一気に降りかかってきました。
振り返って考えれば、何もする気がないからと、何もしないで過ごしていると、さらにやる気が起きなくなる負の循環に入る状況から抜けられませんでした。
また、相談の仕方もわかっていなかったです。
日々の不平、不満は尽きませんが、就労移行支援を通じて、ものごとの悪い面に大きく影響を受けてしまう自分の思考の癖に気付かされました。就労に関しても多様な働き方があるが分かってきたので、自分に合う環境を見つけられるように動いていきたいです。

オレンジ色のミカン
オレンジ色のミカン
不眠症から心療内科を受診し、うつと診断される。
うつをきっかけに、就労移行支援への通所を開始し、追加でASD傾向の診断も受ける。
趣味 紅茶の飲み比べ。スパゲッティの踊り食い。
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