Photo by Tim Marshall on Unsplash
異常に発汗する疾患を「多汗症」と呼び、その中でも手のひらに出るものを「手掌(しゅしょう)多汗症」といいます。基本的には生まれつきとされ、幼少期から思春期ごろに発症するケースが多いそうです。湿っている程度から雫が落ちる程度まで様々ですが、手のひらの異常発汗は生活への影響がかなり大きく、これにより生きづらさを抱える人は少なくありません。
手掌多汗症は、言うなれば日中手が湿っている状態です。書類を書く時などは用紙を濡らしてしまいますし、PCやスマホなどの電子機器が故障する原因にもなりますし、何よりも握手したり触ったりするのを嫌がられます。発症時期からして、テスト用紙が駄目になったり、クラスメイトから嫌われたりと甚大な影響が予想されますね。勿論、二次障害にも繋がるでしょう。
手掌多汗症は25人に1人の割合で発症していると考えられ、100人に1人は手術を要するほど重い症状だといいます。治療法としては、塗り薬、電気療法、注射、内服薬といったものがあり、これらが効かないほど重ければ手術も検討します。手術後は他の部位で発汗が増える「代償性発汗」が起こるので、発汗部位や患者のライフスタイルなどを総合的に評価して手術するかどうか慎重に決めます。全体の手術時間は40分ほどだそうです。
手掌多汗症は病気としてあまり知られていません。そのためか、手術を含めた一部治療は保険の適用外となってしまい、治療費の患者負担もかなり重いです。治る瞬間まで生きづらさに苛まれる疾患と言えるでしょう。ただ、ずっと手の汗が止まらない状態がどれほど辛いかは比較的想像しやすい範囲内だと思います。手掌多汗症は、その詳細を聞いた人の想像力を試す疾患でもあるのです。
参考サイト
手掌多汗症とは
https://www.mcube.jp
遥けき博愛の郷
遥けき博愛の郷
大学4年の時に就活うつとなり、紆余曲折を経て自閉症スペクトラムと診断される。書く話題のきっかけは大体Twitterというぐらいのツイ廃。最近の悩みはデレステのLv26譜面から詰まっていること。
関連記事
-
NEW
“炎上を防いだ人間”を誰が守ってくれるのか
暮らし -
NEW
PwC財団が推進する未来の身体拡張~BMI技術で広がる可能性
暮らし -
NEW
「貧すれば鈍する」足ることを知らねばは判断力は下がる
暮らし -
「風呂キャンセル界隈」は実在する?陰謀論でも被害妄想でもない実像とは
暮らし -
能登半島地震で被災された故郷の復興支援イベント開催〜発達障害のASDとADHDを併発して…
暮らし 発達障害 -
能登・富来の復興をみんなで応援!『I GOTO TOGI FES 2024』開催!
暮らし -
サッカー界のスラング「オ・ウンゴル選手」
暮らし -
尋常性乾癬の精神疾患との共存の難しさ
暮らし その他の障害・病気 -
イマジナリー境界知能という、“逃げ”の新境地
暮らし -
ADHDなどをもじって行われる言葉遊びについて、筆者なりの見解を書きました。
発達障害 暮らし
人気記事
-
障害者割引一覧~障害者割引を活用してお得に生活しよう!
エンタメ 暮らし -
ガイジとは?なぜ死語から蘇ったのか〜死語から全国区へ広まった流れ
暮らし その他の障害・病気 -
障害者手帳で割引やサービスを受けられるホテル等宿泊施設~全国版
暮らし エンタメ -
発達障害とは?~発達障害の有名人も紹介
発達障害 -
発達障害とWAIS-III(ウェイス・スリー)成人知能検査
暮らし 発達障害 -
障害者手帳のメリット・デメリットは?~解説します、障害者手帳のあれこれ。
暮らし 発達障害 身体障害 -
障害者は英語で何て言うの?~【handicap(ハンディキャップ)】他
その他の障害・病気 -
知能指数(IQ)と発達障害の関係~発達障害がある人に天才が多い!?
エンタメ 暮らし 発達障害 -
障害者割引が適用される東京ディズニーランド・ディズニーシーに2021年10月に料金改定が!
エンタメ 暮らし 発達障害 -
2020年東京パラリンピック・ルール一覧~各競技種目の紹介・解説まとめ
スポーツ