勘違いキュートアグレッションに喝
暮らし
Photo by Christian Agbede on Unsplash
「キュートアグレッション」とは、主に子犬や赤ん坊などの可愛いものに対して「頬を押したりつねったりしたい」などの攻撃的な欲求を持つことです。可愛さによる感情の揺らぎが大きいと、それを抑えるため自然と攻撃性を抱くようになっており、イェール大学の実験からも認められた心の動きとなっています。ほとんどの場合その攻撃性が表に出ることはなく制御されて終わり、発露するのは稀なようです。
市井には単に可愛いものへの攻撃性とだけ伝わっており、感情の防衛システムであるとか可愛いものに触れられない現実への反転だとか細かく難しいことは一顧だにされていません。DVや動物虐待の言い訳にまで成り下がるのが、巷間の大衆がいうところのキュートアグレッションです。早い話が、勘違いです。
そんな勘違いや言い訳としてのキュートアグレッションをよく体現しているのが虐厨(ぎゃくちゅう)と呼ばれる嗜好の集まりです。始祖とされる「しぃ虐(アスキーアート)」や「実装石(ローゼンメイデンの翠星石)」、未だ最大手として悪名高い「ゆ虐(ゆっくりしていってね!!!)」、権利者が重い腰を上げた「ずん虐(ずんだもん妖精体)」、原作者の嗜癖を言い訳にする「ちい虐(ちいかわ)」等々。主にマスコット系のキャラクターが標的になりやすく、今でしたらスピキ(トリッカル)やググガガ(アークナイツ:エンドフィールドの女管理人)が狙われていて彼女らの動画は地雷まみれです。
虐厨によるキャラ造形は太古のしぃ虐や実装石の時代からほぼ変わらず、ゆ虐によって固まったといいます。
・知能が低く力も弱い
・多産多死かつモンスターペアレント体質
・利己的な性格
・畑を荒らしたり人家に侵入したりする
主にこれらの独自設定が、原作や元キャラの人となりを無視して盛り込まれています。元ネタにあたるキャラが女子大生であろうと知ったことではありません。特に多産多死の設定は、脆弱なのに絶滅しない理由付けや幼体の存在による虐待の多様化などで相性が良く、そういう二次創作なのだと示す特徴にもなっています。これを踏まえてスピキやググガガのサムネイルを見回すと幾つか黄信号が分かるかもしれません。
自己中心性や害獣のような生態も酷い仕打ちを与えるための理由付けとして機能しており、スカッと系やざまぁ系の知恵を借りているともとれます。なんなら盗癖のある人妻が酷い目に遭う泥ママ創作などは「ゆ虐の亜種」とまで言われていました。
変わったところでは、ちい虐だと原作の描写をチェリーピッキングして「愚鈍」「泣き虫」「察してちゃん」「ありがとうも言わない」と負の面ばかり強調しネチネチと悪口を言い続けるのが多いですが、虐待しやすくするための地均しをしている点では一緒です。
いずれにせよ、虐厨の行動原理はキュートアグレッションと程遠いものですし、それを言い出したところで意味を取り違えているか見え透いた言い訳でしかありません。なぜならば「可愛いゆえに虐めたい」ではなく、「虐めるに値する存在であってほしい」というのが彼らの理念だからです。そういった勘違いの連中にキュートアグレッションだの可哀想は可愛いだの言ってもらいたくはないですね。単語の品格を貶めてしまいますので。
参考サイト
キュートアグレッションっていったい何?その心理やカップル間の行動も5つ紹介
https://anny.gift


