発達障害に良い食べ物って?〜食べて心すっきり!ライフ

暮らし

unsplash-logo Ella Olsson

発達障害のあるお子さんも大人も、正体不明のイライラや体の不調に悩まされていませんか?もしかしたら、食事バランスの乱れが原因にあるのかもしれません。特に発達障害の方は、必要な栄養素が不足しがちです。では、発達障害によくある情緒的問題や不調を良くしてくれる食べ物は何なのか、調べてみました。

栄養バランスと発達障害の関係性

発達障害には偏食が多く、栄養バランスが偏りがちになります。しかも現代では、食事の欧米化やインスタント食品とコンビニが普及し、忙しさのあまり栄養バランスを考える余裕もなく、肉や野菜等も値段が高くなりました。そういった社会の変化の他、発達障害の場合は、主に味覚や食感などの感覚過敏が偏食の理由に多いです。また発達障害のある方は、ストレス解消等に砂糖やパン、ご飯等の糖質を好み、依存しやすい傾向があります。

栄養バランスが偏ると、イライラや落ち着きのなさ、集中力低下等、脳機能が上手く働かず、心理面にも悪影響が出ます。特に発達障害のある人・子どもは、上記の症状に加え、かんしゃくや問題行動等が悪化しやすいと言われます。

発達障害に良い食べ物は?

発達障害のある人・子どもに不足しがちな食べ物と、特性から生じるストレスや疲れやすさ、不注意、精神的不調に良い栄養素を、以下にピックアップします!

ビタミンB群~健康的な脳を作ります~
ビタミンB群は、体のタンパク質作りやエネルギー代謝を促します。ビタミンBは水に溶けるタイプの栄養素です。体の中で作ったり、貯めたりすることはできないので、できれば毎日必要な量を食べる必要があるようです。

①ビタミンB1:神経組織の働きと糖質代謝を促進してくれます。

ビタミンB1が多い食べ物(高い順):
豚肉ヒレ、豚肉ロース、ボンレスハム、そば(乾)、玄米ご飯、ブリ魚、ひらたけ等。

ビタミンB1の栄養は水に溶けやすいので、煮汁も一緒に飲めるスープや蒸し料理、炒めものなどがおすすめです。また、にんにくと一緒に調理すると、ビタミンB1の疲労回復効果をさらに高めてくれます。

②ビタミンB6:ヤル気や集中力を与えるドーパミンや、安心と安眠をもたらすセロトニン等の※神経伝達物質を作ります。
※神経伝達物質とは、脳神経細胞に流れるホルモンの一種。

ビタミンB6が多い食べ物:
赤身マグロ、かつお、さば、牛レバー、トリのささみ、サンマ、白米、にんにく等。

ADHD(注意欠如多動性障害)の方は、神経伝達物質のドーパミンが不足しがちです。ドーパミンは意欲や集中力、心地よさ、運動等に関与します。ADHDは、ごほうびやモノ、快楽への依存傾向が強くなりやすいです。その理由も、脳内で不足しがちな※ドーパミンを求めるからだと言われます。
※実際、ADHDの薬であるメチルフェニデートやアトモキセチンは、ドーパミンを増やし、その働きを高めることによって、脳を活性化させます。

ミネラル~脳の調子を整えます
ミネラルは種類によって様々ですが、脳の調子や代謝を整えるのに欠かせません。血や骨、筋肉等を作るカルシウムや、血圧を下げてくれるマグネシウム等があります。ミネラルは少な過ぎても、摂り過ぎてもいけません。しかし、現代人はビタミンに次いでミネラルも不足しがちです。発達障害のある人・子どもにおいても、ミネラル不足はイライラや神経過敏、かんしゃく等を悪化させます。

①カルシウム:神経と筋肉の働きを正常にしてくれます。

カルシウムが多い食べ物:
味噌、ココア、ししゃも、しじみ、はまぐり、牛乳、ヨーグルト、素干しこんぶ、じゃこ、イワシ類缶詰、ごま、木綿豆腐、プロセスチーズ、水菜、生こんにゃく、モロヘイヤ(ゆで)、レモン、えび、鶏卵、ひじき等。

②マグネシウム:頭の働きを正常にし、血圧を下げます。アルコールやカフェインの摂り過ぎ、大きなストレスは、マグネシウムとカルシウムをかなり消費させます。カルシウム2対マグネシウム1で、両方をバランスよく食べることが理想だと言われます。

マグネシウムが多い食べ物:
ココア、わかめ、あさり、味噌、乾燥そば、玄米、キンメダイ、ながこんぶ素干し、絹ごし豆腐、はまぐり、ほうれん草、スルメイカ類加工品、たこ、ゆで大豆、バナナ等。

ビタミンC~ストレス疲労回復にはこれ!~
ビタミンCは、発がん性を抑えてくれる抗酸化作用の他、神経伝達物質やストレスホルモンを作ることによって、心身のストレスの回復を促します。ビタミンCは水につけると壊れやすい性質を持つので、生食やさっとゆでるのがおすすめです。ビタミンCが不足すると疲労感が残りやすく、細胞の回復も進まないのでシミも増えます。

ビタミンCが多い食べ物:
アセロラ10%果汁入り飲料、きゃべつ・赤ピーマン、レモン、ブロッコリー、柿、キウイフルーツ、さやえんどう、ピーマン、カリフラワー、いちご、かぼちゃ、小松菜、じゃがいも、みかん、グレープフルーツ等です。

食べ方について
しかし、前述した栄養素はどれも苦手だという方や、調理・食べ方がよく分からない方もいると思います。栄養バランスについては、過ぎたるは及ばざる如しの通り、多すぎても少なすぎてもいけません。また、毎日必ず全部バランスよく食べないと!、と神経質になる必要もないです。「昨日は野菜を食べた量が少なかったから、今日は少し多めに食べよう」、と調整します。また、身体に良いものだけをずっと我慢して食べるのもストレスなので、「昨日は野菜をしっかり食べたから、今日は好きなメニューを加えよう」、と頑張った自分にごほうびをあげましょう。

発達障害の味覚過敏・触覚過敏のため偏食がひどい場合は、食べやすい調理法を考えてみるのもいいです。本来、私は野菜が昔から苦手です。しかし、自分の好きな味付けをしたり、食べやすいように小さくやわらかくしたりすることで、食べられるようになりました。また糖質制限については賛否両論ありますが、最低限の糖質も摂ることによって、お肉などのたんぱく質や野菜のミネラルが身体に吸収されやすくなります。なので、野菜をしっかり食べる一方で、大好きなスイーツも楽しく食べています。

過去のコラム「発達障害のレシピ?偏食のあなたもモグモグできる?」参照。↓
https://shohgaisha.com

ヤル気と情緒すっきりには、血糖値コントロール

野菜→肉→ごはん・パンの順番で食べよう
栄養素をバランス良く取るのと同じくらい、実は食べ方も体とメンタルの健康に大切です。最近は朝食を抜く方や、パンだけで簡単に済ませてしまう方が増えています。しかし、朝食抜きや糖質しか食べないのは、低血糖を起こしやすくします。低血糖は、集中力の低下やイライラ、倦怠感を悪化させます。特に敏感な発達障害の人・子どもの場合は、かんしゃくやストレスを悪化させる原因にもなります。

人の体は低血糖になると、血糖値を上げるためにインスリンという名のホルモンを出します。しかし、慢性的な低血糖の場合、「もっと早く血糖値を上げなきゃ!」、と体がインスリンを過剰に出します。すると今度は高血糖になり、さらに上がり過ぎた血糖値を下げるために、グルカゴンという名のホルモン過剰で低血糖になります。高血糖と低血糖をしょっちゅう行き来する状態が続くと、身体の負担も増し、精神的にも不安定になりやすいです。

そのため、野菜→タンパク質→糖質(炭水化物)の食べ順をおすすめします。ビタミン・ミネラル、タンパク質は、血糖値をゆるやかに上げてくれるので、インスリン・グルカゴンの出し過ぎによる急激な高血糖→低血糖も予防できます。また、パンやごはんなどの糖質を食べる時は、バターや油、酢をつけて食べるのも、糖質の急激な吸収と消化を防ぎ、血糖値を安定させてくれます。

メニュー①:トースト、コーヒー
コーヒーを最初に一口でも先に飲みます。トーストはバターを塗って食べるといいです。

メニュー②:きつねうどん
うどんの具材、あぶらあげ、かまぼこを先に食べ、それから糖質である麺を食べます。

このように、野菜のないメニューを食べる場合も、タンパク質のものや汁物を先に口にしてから食べると、血糖値を安定させることができます。私の毎日の朝食はりんごですが、りんごを食べる前にチーズやスープ、卵焼きとウィンナー、プチサラダ等を添えて先に食べるようにしています。

まとめ

発達障害に良い食べ物ついて、以下にまとめます。

・発達障害の人・子どもの神経過敏やイライラ、集中力の低下等の情緒不安定や問題行動には、栄養バランスの乱れや低血糖が関与していることもあります。

・発達障害に多い心理的・行動的問題を和らげてくれる食べ物には、①ビタミンB系、②カルシウムやマグネシウム等のミネラル、③ビタミンC等があります。

・豚肉や赤マグロ等に含まれるビタミンB系は主に、ヤル気や集中力、活動性を高めてくれるドーパミンやセロトニン等の脳内ホルモンを増やしてくれます。

・牛乳やわかめ、ココア等に含まれるカルシウム2対マグネシウム1で、ミネラルをバランス良く摂ります。そうすることで脳の働きを整え、神経過敏やイライラ、ストレスの改善が期待できます。

・レモンやブロッコリー等に含まれるビタミンCは、ストレス改善や疲労回復を促してくれます。

・野菜→肉系→パン・ご飯系で食べ順ダイエットによる血糖値コントロールや、味覚・食感過敏による偏食を考慮した調理も考えます。

今回は発達障害の人・子どもに不足しがちな食べ物、そして発達障害に伴いやすい精神的・情緒的な問題を和らげる食べ物を厳選しました。調べていくと、食べ物は健康的な身体や運動だけでなく、私達のメンタルヘルスにも実は影響を与えているのだな、と思いました。

毎日ちゃんと全てバランスよく食べないと!、と神経質になる必要はありません。

「まずはためしに、これ食べてみようかな?」、「こんな風に料理したら、私にもおいしく食べられるかな?」、とチャレンジしてみてください。

どうかあなたも、自分に合った食事ライフを楽しめますように。

参考文献

・中嶋洋子(2013)『栄養の教科書』新星出版社

・星野仁彦(2012)『発達障害を見過ごされる子ども、認めない親』幻冬舎新書

・岡田尊司(2012年)『発達障害と呼ばないで』幻冬舎新書

・吉濱ツトム(2015)『アスペルガーとして楽しく生きる: ―発達障害はよくなります!』風雲舎

・「血糖値の急上昇を避ける3つの食べ方」

https://style.nikkei.com

*Misumi*

*Misumi*

自閉スペクトラム症のグレーゾーンにある、一見ごく普通のネコ好きです。10代の頃は海外と日本を行き来していました。それもあいまってか、自分ワールドにふけるのが、ライフワークの一つになっています。好きなものはネコ、マンガ、やわらかいもの、甘いもの、文章を書くこと。最近は精神保健福祉士を目指しながらコミュニケーションを学び、今後の自分について模索する心の旅人。

関連記事

人気記事

施設検索履歴を開く

最近見た施設

閲覧履歴がありません。

TOP