統合失調症の人でしかわからない世界とは

統合失調症

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私は統合失調症になってからもいまだに症状が僅かながらあります。現在は薬物治療によって回復してきており、支援施設などでリハビリをするまでもしています。将来的には前向きに考えているのですが、やはり統合失調症の認知度や理解がまだ浸透しずらかったりします。なので今回はわたしから見えている世界をもとにして紹介していきます。

緊張感や不安感

統合失調症の人は性格的に緊張したり不安がったりする人が比較的多いかと思います。その原因はやはり繊細な気持ちになっているのではないでしょうか。わたしはまだ診断されていなかった時期、徐々に症状が悪化していく度に緊張や不安が絶え間なく続いていました。少しでも人と話す時、「相手が嫌な気持ちになったらどうしよう」とか「嘘をついてしまったらどうしよう」など緊張しながら話していました。そして、なぜか一番不思議な思い込みは「何か特殊な仕事に就かなければいけない」と思い続けていました。今の自分でも理由はわからないのですが、その気持ちだけはとても強かったのは覚えています。なので、この先普通のアルバイトではダメだと思うものの他の仕事が見つけられないので不安な気持ちが募っていくばかりの毎日でした。

山彦のような声

わたしは毎日絶え間なく自分の中の声が耳から聞こえてきます。なかなか想像するのが難しいかと思いますが、その声というのは友達や家族や先生と同じ声質だったりします。そんな親しみのあるような声が自分の頭で考えていることを話してくるのです。その頭で考えていること思っていることとしては決してやさしいものではなく、人の悪口や自分にとって不利益なことが声として聞こえてくるのです。それは自分なりに何故かと考えみたところ、統合失調症の初期症状だったのでしょうか、電車や大学の講義室に行く度に自分が少しでも気にしていることや自分に向けての悪口や批判が飛び交ってばかりいたのです。なのでその反動がものすごく辛くてしかたなかったので、その言葉が気持ちとなって自分に問いかけているのかもしれません。

趣味や価値観が変わる

これは同じ統合失調症の人でもそれは違うだろうと捉えられたかと思います。特に価値観は違っても趣味はその人の好みや性格が表れるものです。この病気は、趣味そのものを変えるような症状はないのでそういう心配はいりません。ですがわたしは自分なりの趣味が変わったなと思いました。それはいい意味で自分に自信や勇気や希望がついたからです。例えば、前まではそこまで洋服にはこだわりはなく安ければ良い、着やすければ良いと思っていました。しかし自分に自信がついたからか少し派手目の物を購入するようになりました。それは治療前や治療後とでかなり違った感覚がありました。価値観も、否定的な方向ばかりを考えていました。時には自分の身体を傷つけていましたし自分を大切にすることを忘れ、苦しい方向に進んでいく事ばかりを考え続けていました。後ろへ後ろへと考えていたことが今は将来の事も思い浮かべながら、何も難しく考えることなく生活するようになりました。

まとめ

統合失調症の症状は人によって様々だと思います。わたしのような人はこの文章を拝見された時には共感を得て頂けたかと思います。主に治療を受ける前の体験談を書き出しましたが、薬物治療で落ち着いてもまだ症状は残っています。なのでこれからその不思議な感覚と向き合いながらも自分なりにリハビリしていくことが大切だろうと思いました。皆さんも障害があるなしにも関わらず前向きな姿勢で日々取り組んでいきましょう。

Aki

Aki

大学休学中に統合失調症を発症してしまった20代女性。大学は退学し、現在社会復帰のため支援施設でリハビリ中。学生時代は軽音サークルに所属しベースを弾くのと、ライブに行くことが楽しみだった。好きな音楽の種類はハードロックで、洋服もロックなものをよく好む。たまに休日には洋服を買いに行くことが息抜きになっている。

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