セコラム!〜伴走者の立場から障害福祉を考えてみる〜

”なぜ”の違和感を持つ。それを原動力に変えること(セコラム!第23回)

『セコラム!〜伴走者の立場から障害福祉を考えてみる〜』 vol.23

障害のある人が働く拠点、三休。ここをオープンするまでに地域内外の方々と話し合いの機会を何度も設定し、「みんなでつくる」を意識。たくさんの人たちと出会い、会話を重ねた。今回は印象的な出会いを1つ紹介する。

彼女は近くの大学に通う学生。ボランティアに関わるサークルに所属している。「私たちのサークルのカテゴリーに「障害」がありません。それはおかしいと思い「障害」を加えてほしいとサークル内にプレゼンし、採択されました!」とのこと。これが理由で意見交換会に参加してくれた。

意見交換会に何度か参加していくなかで、障害のある人と関わることが増え、障害を意識するのではなく逆に自然と振る舞うようになったそう。ではまわりの学生はどうか、友達はどうかと考えたときに、障害のある人との関わりが圧倒的に少ないことを改めて感じたと同時に、彼らと関わるきっかけをつくっていきたいと思いが募った。その彼女の思いを形にしたいと共同企画を考えた。彼女にヒアリングしていくと1つの軸が見えてきた。それは障害のある人が先生となり実体験や思いを発信するような機会をつくり、障害のことを考える問いを生みたい方向性。そこから生まれたのが「さかさ」という企画、リード文は下記の通り。

” 僕を含めて大多数の人は、無意識に障害者を特別視してしまっているのではないだろうか。障害があるからあれができない/これが困るだろうのネガティブな視点。障害がゆえに特質な個性がある/凄い才能が眠っているのポジティブな視点。その両極端なイメージに揺さぶりを掛けていきたい。障害者への捉え方を、障害者の本音を知ることでチューニングしていきたい。そんな学びの場、「さかさ」。記念すべき第一回目のゲストは、100万人に1人の難病PLSと生きる落水 洋介さん。彼の視点とは。 "

▼イベント詳細はこちら▼
https://3-kyu.com/2019/05/20/sakasa/

さかさは年間4回行う予定。今年は障害を考える機会を増やし、来年は障害のある人と一緒に関わる機会をつくるという彼女の意図がある。それを一緒に実現していくのが僕の役割であり三休の存在意義だ。「就労」と固執せず多方面からのアプローチによって、障害のあるなし関わらず当たり前に暮らすまちを実現していける。だって、生活は働くことだけでなく遊ぶことや食べることなどあらゆる行為が詰まっているのだから。

世古口 敦嗣(せこぐち あつし)

世古口 敦嗣(せこぐち あつし)

就職活動に失敗し、何となく障害福祉の世界へ。障害者が暮らしやすいまちをつくるNPO法人サポネや医療福祉エンターテインメントのNPO法人Ubdobeなどを経て、農業を中心とした障害のある人が働く拠点「三休 – Thank You -」を今年4月にオープン。それ以外にNPO法人月と風と理事やKAIGOLEADERS OSAKAコアメン、ふくしあそび探求舎代表を務める。

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