社交不安症について~失敗イコール人生の終わりではないですよ

その他の障害・病気
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「社交不安症」という病気を知っていますか?

社交不安障害とは、人前などの特定の場面になると、強い緊張に襲われ、耐え難い不安や恐怖を感じる障害です。場合によっては生活に大きな支障が出ることもあります。かつては「対人不安症」ともいわれていました。

社交不安症とはどんな症状があるのでしょうか?

一般的に社交不安症は脳内の神経伝達物質であるセロトニンなどのバランスが乱れていると発症しやすいといわれています。しかし、詳しい原因は解明されていません。実際の症状として、以下のようなものが多いです。

赤面恐怖症・・・人前に出ると緊張し、赤面してしまう。

発汗恐怖症・・・緊張により顔や脇など体の一部が過度に発汗し、ハンカチなど持たないと、落ち着かない。

対人恐怖症・・・周囲の視線が気になり、恐怖を感じたり、身体が震えたりめまいなどを感じます。また、自分に対する他人の評価に強い不安を感じます。

書痙・・・人前で字を書こうとすると、緊張と不安により、手が震えてしまう。

上記のような症状が現れると、周りに変と思われていると感じ、さらに不安や恐怖を感じてしまいます。また、「症状が出るのではないか」という予期不安(パニック)から、不安の原因を避けるようになります。これを「回避行動」と呼びます。

不安症の根本は「不安を感じやすい体質」であると考えられます。そのため、他の不安症を併発する恐れがあります。不安の本当のもとは、「〇〇したら」「○○かもしれない」といった不確実さです。過去の経験から頭の中で悪い予測を立ててしまい、不安が生まれるのです。

身体症状から体の病気と疑い、内科や神経内科に通ったものの異常なしと診断されることも多いです。自分で判断せずに心療内科や精神科に通って相談してみることも大事です。

生活に支障がでてくるようなら受診も考えましょう

大勢の人を前に話したり、会議での発表や意見を述べる、仕事で良く知らない人と話をする、などといった状況に自分が置かれたり、また、そのような状況を想像するとき、「緊張したり不安を感じる」ことは誰でもあると思います。「性格だから仕方ない」とあきらめずに日常生活に支障をきたすまでに感じる様になったら、治療を受けることをお勧めします。

社交不安症の治療の進め方

治療の進め方は色々ありますが、「薬物療法」と「認知行動療法」が効果的と言われています。「薬物療法」は薬を使用し、脳の働きを整えることで不安を小さくします。「認知行動療法」は安心感を育てるプログラムです。どちらの治療を優先するかは症状によって異なりますが、「薬物療法」は不安を抑えるだけなので、再発する恐れがあります。それに対して「認知行動療法」は、再発率が低いといわれています。

おわりに

私自身、緊張すると顔だけ汗をかくことが10代の頃からありました。そのことを他人にからかわれたことで人前に出ることを苦手に感じていました。今は、様々な経験から多少「慣れた」ことで、苦手意識事態は無くなりましたが、今でも強く緊張すると多汗症のように顔だけ物凄く汗をかきます。

私のように過去の「からかい」から、人前に出ることに苦手意識を持つ人は多いです。その人にとっては何気ない言葉でも、受け取る人によって言葉の暴力と感じることもあります。またアドバイスであっても、逆にそれが相手を追い詰めてしまうこともあります。

普段の何気ない言葉について、もう一度考えてみる必要があるかもしれません。

参考文献

社交不安症がよくわかる本 (健康ライブラリーイラスト版)貝谷 久宣 (監修) 

しのだの森ホスピタル

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tkbn

40代男性。30代半ばでうつ病を発症。40代になって発達障害の疑いありと診断される。就労支援機関で自分の特性について学び、最後の就活を終えコラムを書いています。趣味は鉱石収集。年2回大阪・京都で行わるミネラルショーや即売会に行って、気に入ったものをコレクションするのが楽しみですが、部屋で飾る場所が無くなっているのが最近の悩みです。

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