思考の障害~妄想③

その他の障害・病気
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被害妄想は、個々に「被害妄想」と「関係妄想」と分けていうこともあります。また、あわせて「被害関係妄想」という言い方もします。 日常の生活の中で何かきっかけがあると、それを良くない方に考えたりしてしまう。そういった経験が皆さんにもありませんか。たいていの場合は思うだけで終わりですが、人によっては良くない要素が段々と大きくなって、人間関係に支障を来すこともあります。

被害関係妄想

被害関係妄想の典型的な症状としては、何かが起こるとそれが自分に関係があるのではと思ったり、自分が攻撃されていると受け止めてしまいます。被害関係妄想にはたくさんの種類があります。その中でいくつかをご紹介いたします。

注察妄想

注察妄想とは、何者かに自分が監視されていると思ってしまう妄想です。私の場合は、自宅の中に隠しカメラと盗聴器がセットしてあり、部屋の中だけでなく、トイレや風呂場にも隠されていて、自分の日常生活を逐一監視されていると思っていました。じゃあ誰がこんなことをするのか?職場で関係が悪かった人たち、自分のことを嫌う人たち、興信所の探偵が監視をしていると思っていました。さらには、何かの事件に巻き込まれていると思い、日本政府や警察、見ず知らずの不特定多数の人に監視されていると思っていました。すごく生きずらかったです。一日中落ち着かず、独り言ばかり言って過ごしていました。後から考えたら、滑稽極まりない話です。それくらい私は重症だったのです。

被毒妄想

被毒妄想とは、食べ物や飲み物に毒が入れられていると思ってしまうことです。私の場合、夕食後に急にお腹が痛くなり、母が私の食べ物に毒を入れたと思い込んでしまいいました。私はそのことを恨んで、母にきつく当たっていた時期もありました。

その他の妄想

1追跡妄想:何者かが自分の後をつけていると思ってしまう妄想です。妄想が増大すると家から出ることができなくなり、家にひきこもってしまう人も少なくありません。

2嫉妬妄想:アルコール依存症で見られることが多い症状で、パートナーが浮気をしていると思い、パートナーに対して怒りや敵意を感じます。

3憑依妄想:聞き慣れない言葉ですが、神仏、悪魔、霊、動物など何かが自分に取り憑いてくると思う妄想です。憑依された結果、良くない事が起こると思い込む人と、そうでない人に分かれます。

4物理的被害妄想:電波や電磁波のようなもので自分が攻撃されていると思う妄想です。攻撃を受けて体が痛いと思い込む妄想を体感幻覚といいます。

まとめ

以上、妄想について簡単にまとめてみました。執筆していて、自分に当てはまることが多かったように思います。自分が現実だと思っていたことは、実は精神疾患からくる妄想であるとあらためて認識しました。何だか気分が少し楽になったように思います。自分の妄想で家族や友人に迷惑をかけたのだろうなあと思うと、ただ、ひたすら反省です。過去を振り返ってくよくよ考えず、過去のこういった経験を今後の自分の人生の糧にして、二度と同じまちがいをしないようにしようと思います。

参考文献

精神疾患にかかわる人が最初に読む本
著・イラスト原案:西井重超

yukoばばあ

yukoばばあ

52歳。30代から統合失調症になる。40代になって強迫性障害も発症する。幻覚、幻聴、妄想状態になり、現実と妄想の区別がつかなくなるが、入院治療と退院後は服薬治療で症状は治まり安定している。強迫性障害は継続中で、すぐに不安になり確認行為が続いているが、少しづつ回復に向かっていると思う。これまでに事務職や相談援助職をを経て、現在人生最後の就職活動中。自分が建てた家の中庭を見ながら過ごす休日に癒されている。

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