うつ病とパニック障害と私

うつ病 パニック障害・不安障害

unsplash-logo Jeff King

私は、幼少期にうつ病パニック障害を患いました。しかし、周りに理解されず、症状も改善されず時間だけが過ぎていきました。一度はひきこもりのような状態になりましたが、就職に向けて活動できるようにまで回復した経緯を振り返りたいと思います。

最初の違和感

私が、日常生活に苦しさを感じ始めたのは小学5年生のころからです。家庭環境、学校環境に居場所を感じることが出来ず、発作的に呼吸困難になることが毎日のようにありました。当時は、精神科といえば閉鎖病棟をイメージされることがおおく、私は精神科ではなく内科へ連れていかれました。身体的な疾患ではないので、呼気検査やレントゲンの検査では当然、異常は認められませんでした。その時に、私は内科医や両親から「神経質である」という烙印を押されてしまったのです。

改善されない症状

今振り返れば、当時の私はパニック障害の症状が出ていたのだと思います。しかし、両親も私も精神的な疾患の知識が一切なかったので、私は発作時には我慢することしかできませんでした。息の苦しさを訴えても、家族や内科医は「神経質だから」と、取り合ってくれません。そのような状態では、周りに対する不信感ばかり生まれてしまい、うまく社会に適応できない状態が続きました。中学・高校は出席日数ギリギリで卒業できましたが、その後はひきこもりのような生活になってしまいました。

初めての精神科への受診

高校を卒業したころから、ようやく世間でもうつ病などの精神疾患についての認識が広がり始めました。私自身も、呼吸困難などの症状は、身体の異常では無く精神の異常ではないかと感じていました。そのため、20歳になる少し前に、家族と一緒に初めて精神科への受診をすることになりました。 初めて受診したときに、今までの症状や、現在感じている苦しさを涙ながらに精神科医の先生に訴えたことを覚えています。しかし、私の思いとは裏腹に、先生の反応は冷静でした。「あなたのように苦しまれている方はたくさんいらっしゃるので大丈夫ですよ、そんなに心配しなくても大丈夫です」と。恐らく、先生は私を安心させるために仰ったのだと思いますが、当時の私には、この先生も私の苦しみを分かってくれないのだと酷く落胆したことを覚えています。

理解のある先生との出会い

初めて受診した精神科は、初診時の不信感がどうしても拭えずに、数ヶ月で通院をやめてしまいました。その後、再び家でこもりがちになってしまい、2年近くが経過しました。その間、治療をしていなかったため、徐々に症状も悪化してしまいました。私自身も不安で押しつぶされそうになり、家族からの強い勧めもあって、改めて精神科を受診することを決意しました。そして、家の近くにある精神科を探し、いくつか受診しました。当時の私は、医師に対する不信感が強かったため、信頼できないと思ったら、すぐに別の精神科へ変更していました。病院を転々としたのち、今の主治医と出会うことができました。今までの医師たちは、病気を見て症状に対する治療(投薬)をするだけで、問診はものの数分だけでした。数分の問診では、医師と患者との間に信頼関係を築くことは到底できません。今の主治医は、問診に10分~15分程度掛けて下さり、症状だけでなく、患者個人も診てくれています。その分、待合時間などは長くなりますが、私は今の主治医に出会えて幸運だったと思っています。

徐々に前向きに考えられるように

精神科に通い始めた直後は、とても就労などを考えられる状態ではありませんでした。対人関係に不安が強く、主治医に問診をしていただくだけで疲れきってしまう状態でした。しかし、隔週の受診ではありますが、定期的に主治医とお話しすることで、少しずつ対人への不安が和らいでいきました。そして、気持ちが回復するに従って、徐々に就職をしたいという考えが出始めました。もちろん、服薬による効果も症状の改善に大きく関わっていると思います。しかし、私が不安に感じていることや悩んでいることを、問診の時間に主治医がしっかりと聞いて下さったことが、前向きなれた一番の要因だと確信しています。

B型作業所への通所を始める

現在の病院に通い始めて5年ほど経過したころから、いよいよ就職をしたいという気持ちが強くなってきました。しかし、依然として就職への不安も強く、具体的にどのような行動を取れば良いのか解らずに悩んでいました。そこで、主治医に就職をしたいけど不安が強いことを素直に相談してみました。すると、B型作業所へ通所してみるのはどうかと提案され、主治医や家族と相談して利用することに決めました。通い始めた当初は、見知らぬ人や慣れない作業に戸惑うことが多く、頻繁に欠席していました。それでも、通所できそうなときは出席することを心掛けていました。B型作業所に通い始めて1年経ったころから、徐々に他の利用者とも雑談ができるようになり、作業所に通所できる日数も増えていきました。

そして現在へ

安定して通所できる日が増えてきたので、現在では体験実習など、就職に向けた活動を行なえるようになってきました。ここまで回復できたきっかけとしては、やはり今の主治医に出会えたことが大きな要因であると考えています。医者も患者も人間なので、合う合わないが必ずあると思います。もし、主治医の先生と信頼関係が築けていない方がいたら、思い切って違う病院を受診してみるのも一つの手かもしれません。自分が思っていることを話せる、聞いてくれる主治医を見つけられたら、きっと気持ちが楽になると思います。そして、つらいときにそばにいてくれた家族にも感謝しています。昔は、精神疾患に理解を示してくれませんでしたが、今では私のことをよく理解してくれていて、心の支えになっています。

こみやま

こみやま

少しずつですが就職に向けて活動しています。

うつ病 パニック障害・不安障害

関連記事

人気記事

施設検索履歴を開く

最近見た施設

閲覧履歴がありません。

TOP

しばらくお待ちください