ストレスと上手に付き合えていますか?後編~相談を通して得られること

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◀過去の記事:ストレスと上手に付き合えていますか?前編~自動思考の修正とストレスコーピング

前回の記事では、認知行動療法やコーピングについてお話しました。自身に合ったコーピングは人それぞれということを述べましたが、特に一番私に効果があると感じることは「相談」することです。この数ヶ月前まで「相談することはカッコ悪いことで、問題は一人で解決するべきだ」と考えていました。これもよくない「べき思考」だったのです。

相談をして得られること

相談にはさまざまな効果があると思います。まず自分に思考の悪い癖があること気づくことができます。思考の悪い癖は、一人で考え込んでいてもなかなか気づかないものです。仮に、「考えすぎだよ」と言ってもらえたとしても「でも…」「だって…」という思考のループにハマってしまう人は少なくないと思います。そこで「自分は考えすぎていたんだ!」「そういう考え方があるんだ!」と思考を改められると気持ちは軽くなるものです。かつての私も「デモデモダッテ」が口癖でした。しかし、それを言われた側は良い気持ちがしないことにも気づいたのです。助言等をもらったら一旦素直に話を聞いてみて、自身に悪い考え方の癖がないか問いかけてみる、そんな習慣を付けていきたいと思っています。

次に、ストレッサーが大きくなる前に対処できるということがあります。虫歯がひどくなる前に歯医者さんに行くという話と近いかもしれません。問題が大きくなる前に対処できれば、かかるストレスも小さくなるはずです。

また、相談をすることで新たな解決方法を提示してもらえるだけでなく、直接的な問題解決につながることもあります。仕事での困り事を上司や同僚に相談するとさらっと解決して拍子抜けする場面も少なくありません。

単純に、話すことで考えが整理されて気持ちが楽になるになるということも多いです。

私は双極性障害ですが、大きなうつ転や躁転に陥る前に周囲の人に気づいてもらうということは、症状の再発を防ぐことにとても有効だと言えます。ほとんどコミュニケーションをとらないよりも、こまめに相談することで「いつもと違うな?」と少しでも感じてもらうことができます。それを指摘してもらえれば自分のストレスについて考え直すきっかけとなります。

相談相手を見つけよう

このように「相談がストレスを減らすことに繋がるんだ!」と気づけたのは、就労移行支援事業所に通い始めたことがきっかけでした。就労移行支援事業所は事業所ごとに様々な特色がありますが、私が通っているところは、精神疾患の方専門なのでよく似た悩みを抱えている利用者さんばかりです。中にはそのような悩みを乗り越えてきた方もおり、話をしていると毎日新たな発見があります。また、利用者同士のピアサポートだけでなく、コミュニケーションやセルフマネジメントの講師の方も充実しており、日々の何気ない相談も気軽にできる環境です。今は相談の練習と考え、悩みはできるだけすぐ、小さいうちに相談するようにしています。

身近に話す人がいないという場合は、今では疎遠になってしまったけれど、以前は仲が良かった昔の友人に声をかけてみてはいかがでしょうか?もしかしたらきっかけがないだけで向こうもあなたに話したいと思っているかもしれません。私も体調が悪いときに長い間音信不通にさせてしまっていた友人に勇気を出して謝りながら連絡をしてみたら、温かく迎えてくれたことがありました。

相談する人なんているはずがない!と本気で思ったとしても一人で抱え込んでしまうことは、私の実体験からも避けた方がいいと強く思います。職場での事業場内産業保健スタッフ、医療機関、保健所や保健センターなどの地域住民を対象にしたものなど、利用できるものは少なくありません。厚生労働省が運営する「こころの耳http://kokoro.mhlw.go.jp/」というホームページでは多くの情報を集めることができるので参考にしてみてください。

私も「医療機関は薬漬けにされる」「いのちの電話は繋がらないし、繋がっても他人ごとのような対応をされる」といった話を耳にした事があります。残念ながら実際に相談をしてみても、いわゆる「はずれ」を引くことは少なくないと思います。しかし、もしかしたら、人の噂や一回の経験だけで判断してしまうのは、「レッテル貼り」という悪い思考をしているのかもしれません。

まとめ

私の周りには「早めに病院にいけば良かった」「始めは抵抗があったが、○○に相談して救われた」と話す方が多くいらっしゃいます。私自身も納得できるお医者さんに会うまで何度も転院しましたし、事業所で仲間を見つけるまでは、自分の障害は自分一人で乗り越えないといけないものだと信じ込んでいました。

今は見つからないとしてもどこかにはあなたの助けになる人が必ずいるはずです。月並みな言い方ではありますが、一人で抱え込まないでください。そして、もし一人で抱え込んでいる人がいたら手を差し伸べてあげてください。それが難しいならそばに寄り添ってあげるだけでも強い力になるはずです。

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sheepwing

大学生の時に双極性障害II型と診断されたアラサー男。趣味は犬の散歩です。

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