自粛警察は「正義中毒」という依存症に陥っているかも? ~ドーパミンが原因?

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最近、ネットや報道で出てくる「自粛警察」。これにはさまざま意見があります。専門家の意見や私見を交えて考察してみました。

ある映画監督の指摘「過度な自粛を掻き立てる正義中毒とは何か?」

「精神0」などのドキュメンタリー映画を手掛ける想田監督は5月5日に「コロナ自警団とやりとりをしてわかったこと」として次の点を挙げ警鐘を鳴らしました。「彼らは、やって良いことと、悪いことを法律とは無関係に決定し、それを守らない人間を罰する権限と資格があるとなぜか信じている。また、その行為は正義であると信じている」

また「『命』を盾に取る癖に、『おまえがコロナにかかっても病院行くなよ』などと命を粗末にするような発言をする」とも指摘しています

脳科学の専門家の意見「ドーパミンが原因?」

「自粛警察」と呼ばれる人たちは、自分は正しのだから、「ズルをしている」誰かに対して、自分はどんな制裁をしても許されると考えている人たちを指します。そんな心理状態によって実行に移される行動を、英語で「サンクション(制裁)」といい、学術的な用語として用いられます。

何故、このようなことが起きるのでしょう?

脳科学の専門家は、前頭葉が持つ抑制機能の低下が、こうした振る舞いの原因であると指摘しています。この機能は一度低下してしまうとなかなか元に戻りません。

制裁を加える本人の脳内にはどんな現象が起きているのでしょうか?

どうやら脳内で快楽物質であるドーパミンが分泌されているようです。ようするに「目立つ人間」「イラつく誰か」「一人だけズルをしているかもしれないあの人」が傷ついたことによってドーパミンの分泌され、快感を得ているのです。

集団になると「不謹慎なヒト」を攻撃する様になるのも似たようなものでしょう。それに加えて、「『不謹慎な誰か』を排除しなければ、集団全体が『不謹慎』つまり『ルールを逸脱した状態』に変容し、やがては集団そのものが崩壊してしまう」という思い込みによる、パニック状態なのかも知れません。

全ての状況で起こりえる制裁行為

感染者を貶めたり、ルールを守っている営業店舗に嫌がらせや罵声を浴びせたり、ネットで誹謗中傷したり、そういった事例をニュースで目にすることも増えました。また、子供が公園で遊んでいるだけで110番通報するようなことも相次いでいるそうです。その程度のことで通報する「自粛警察」の方々は自分が正義と思っているかもしれないですが、それは本当に必要不可欠なのでしょうか。自粛疲れでストレスが溜まっているから、攻撃する相手を見極めて非難しているだけと勘ぐってしまいます。

先日のニュースでは、パチンコ屋に並ぶ客と、それを阻止しようとするいわゆる自粛を求める人で、行政が介入するまでのトラブルに発展していました。自粛要請というお願いの範囲、や「三密」の定義が人によってあいまいに理解されているのも原因の1つかも知れません。必要な情報を掴むことは大事ですが、必要以上に不安感や恐怖を感じることはよくありません。その積み重ねが「コロナ疲れ」を招き、「コロナうつ」へと進行させてしまうからです。

正しい情報に基づいて、適切に行動できるようにすることで、不安感や恐怖心をコントロールできるようになります。それでも、今回の件でゴールが見えないマラソンは、人をここまで疲弊してしまうことを改めて実感しました。

参考文献

【あなたの脳は正義に溺れた「正義中毒」という依存症に陥っているかも?】
https://oggi.jp/

【東洋経済オンラインヒトの脳は「他人を裁く」ようにできている】
https://toyokeizai.net/

【ヤフーニュース映画『精神0』の想田和弘監督が”自粛警察”に4つの行動パターン指摘「守らない人間を罰する権限があると信じている」】
https://news.yahoo.co.jp/

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tkbn

40代男性。30代半ばでうつ病を発症。40代になって発達障害の疑いありと診断される。就労支援機関で自分の特性について学び、最後の就活を終えコラムを書いています。趣味は鉱石収集。年2回大阪・京都で行わるミネラルショーや即売会に行って、気に入ったものをコレクションするのが楽しみですが、部屋で飾る場所が無くなっているのが最近の悩みです。

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