障害を受け入れるまで~自身の体験から

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出典:Photo by Andras Kovacs on Unsplash

うつ病などの精神疾患を医者から告げられても、自分の中で、すぐに納得いく人はどれだけいるでしょうか?私も最初は自身の「うつ病を」認めることができず、もがき苦しみました。その経験から、自信の障害を受け入れるまでの過程で、多くの人が直面する心理的な変化を4段階で紹介します。

ショックと否認

周囲がうつ病ではないかと疑って精神科に通っても、診断内容に納得いかず、医者が間違っていると考える人もいます。私自身も納得がいきませんでした。最初は自分が病気だと認められず、医者に対して不信感が募り、別の医師にかかるドクターショッピングを繰り返していました。

私以外にも医者の言葉を疑い、次の段階に移らない人がいます。最初は、ほとんどの人が自分の状態を受け入れられないのです。たとえ診断を受け入れたとしても、それが長続きするとは限りません。

筆者自身は「私は病気ではない」と思っているのに、周囲は「自分の病気を認められない人」「どう見てもいつもと違う」と思っているため、意思の疎通に違和感が出てきました。そして、友人とも疎遠にっていきました。支援機関というものを知らなかった私は、ただ家と病院を往復するだけの日々を過ごします。そのため、社会生活とは離れ、ますます孤独になっていくことになりました。

障害への不安

前兆と思われる体調不良(激しい頭痛、極度の肩こり、休日になるとお腹を下す、不眠と過眠を繰り返すなど)はうつが発覚する2~3年前から自覚していました。その時は精神的な不調とは思っていなかったため「もっと早く受診していていれば」と自分に対する怒りがわいてきました。

また、収入が傷病手当のみで経済的に厳しいといった状況で、心理的な負荷は高くなり、ささいな事で怒りやすくなりました。また、就職活動を始めるにあたって障害者手帳を取った方がいいのか?オープンかクローズのどちらかで就職活動を始めるのかという難問に当り、ますます不安とイライラが募っていました。

人は些細なことで怒りっぽくなります。その怒りは、家族や支援者といった身近な相手に向かうことが多いです。思ったように回復しない焦りで「医師や支援者がうまく支援してくれないからこういう状態になっているのだ」など、怒りの矛先が他者に向かうのです。

筆者自身の場合、怒りは自分に向いていました。「上手くいかない」のは自分のせいだと思っていたからです。自己嫌悪に捉われていたのかも知れません。

障害の受容

いざ、PCスキルを習得して、1人で就職活動をしていましたが結果は全く出ませんでした。

いくら頑張っても、結果を出せない日々が続き「自分の力ではどうにもできない」と抑うつ状態に戻ってしまうこともありました。「このままでは就職は出来ないのか、もう無理だ」と極度な不安感が襲ってくることも。しかし、市役所の福祉課や生活支援員の人たちにやりきれない気持ちを聞いてもらい、その時貰った沢山のアドバイスのおかげで徐々に安定していきました。

大切なのは現実を受け入れ、どう解決をしていくかです。

時には悲しみに暮れる時間も必要ですが、現実を受け入れることができれば、生活習慣を見直すなど建設的な行動ができるようになります。

筆者の場合、ありのままの自分を受け入れたおかげで、精神的に安定し納得して精神障害者手帳を取得できました。今の「自分」に納得できるかどうかは、人それぞれですが、苦しんだ自分を1番近くで見守ってくれていたのは、自分自身ではないでしょうか。

参考文献

【障害保健研究情報システム福祉親の障害の認識と受容に関する考察-受容の段階説と慢性的悲哀】
https://www.dinf.ne.jp/index.html

【総合リハビリ美保野病院 障害受容について】
http://www.mihono.jp

tkbn

tkbn

40代男性。30代半ばでうつ病を発症。40代になって発達障害の疑いありと診断される。就労支援機関で自分の特性について学び、最後の就活を終えコラムを書いています。趣味は鉱石収集。年2回大阪・京都で行わるミネラルショーや即売会に行って、気に入ったものをコレクションするのが楽しみですが、部屋で飾る場所が無くなっているのが最近の悩みです。

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