うつ病と社交不安障害の私について

うつ病 パニック障害・不安障害

出典:Photo by Clark Tibbs on Unsplash

 私は「うつ病」と「社交不安障害」を抱えており、オープン就労をめざしています。あまり知られていないこの「社交不安障害」のことを少しでも多くの人に知っていただけるように、解説していきます。

うつ病の私について

私のうつ病が診断されたのは、前職で働いていた40歳代後半のころのことです。その当時は会社内のシステムが変更されるとのことで、社員が講師役となり派遣社員・パート社員などにその新システムを教える役目になり、新システムのことを覚えていくことになりました。新システムを触りながら少しずつ覚えていましたが、年齢的にも覚えるのがきつくなってくるころになり苦戦していました。ある日上司より「システムの使用方法を教えることができるかのテストを次週の金曜日に行う」といわれ、焦りだしました。

私は人前で話すことができない(社交不安障害)のでどうしたらよいか分かりません。上司にいわれた約1週間後の水曜日の仕事が終了し、自宅での夕食の際(その日は両親、弟の4人での食事)、食事中にもかかわらず、突然訳も分からない状態で涙が勝手に落ち「もう無理。会社に行きたくない」と叫び出し、家族全員から「どうしたん」と言われました。そのとき「以前より、上司からパワハラを受けている」ことを話し「明日からもう会社には行かない。休む」といい、木曜日、金曜日を体調不良の理由で休んでしまいました。

そのとき、弟から言われた言葉を今でも鮮明に覚えています。「ごちゃごちゃ言わんと、精神科行ってこい」そう怒鳴られました。当時は「何で怒られなあかんねん」って思いましたが両親も心配していたので、精神科へ連絡を入れ一番早く受診出来る日にちの、土曜日に予約を入れました。受診すると、主治医から「うつ病ですね。1ヶ月休職の診断書を出します」といわれ、その時なぜか「ほっ」としました。翌週の月曜日に診断書を持参して出勤し、上司に休職すると話したところ、上司が慌てていたのを覚えています。その後うつ病(のちに社交不安障害も追加)で約2年少々休職し、一昨年の11月上旬に退職しました。現在も月1回、通院しています。

私が経験したうつ病
・涙が勝手に出て泣いてしまう。(現在も時々、左記のような状態になる事があります)
・一日中気分が沈んでいる。
・夜寝ると、途中で目を覚ましてしまい、昼間に眠くなる。
・どこにも行きたくなくなり、引きこもり状態になる。

死にたいと思ったことはありませんが、自分自身が居なくなればいいのではないかと思ったことがあり、両親に話したことがあります。(言い方が相違しているだけで、同じことです)

社交不安障害の私について

私の社交不安障害のはじまりは、私自身まったくといっていいほど覚えていません。どうやら幼児期のころからはじまっていたようです。母親から聞いた話によると、幼稚園に通っているころ、先生より「〇〇ちゃんは、石橋を叩かないと渡らないタイプです」といわれたそうです。

その後小学生になると、家の近所の友達にそのころ流行っていた庭球野球といわれるものによく誘われていましたが、本当は行きたくない気持ちでいっぱいだったのですが、母親からは「せっかく誘ってくれているんやから行ってきなさい」といわれ、渋々行っていたのを覚えています。小学生、中学生、高校生、大学生の授業中になると、先生にこの問題を黒板に書いて解いてくださいや、教科書の音読をあてられそうになると、緊張してしまい頭が真っ白になってしまい、片言の日本語になったりしていました。そのせいでいつも「お願いですから、あてないでください」と祈るばかりになっていました。

私は、この社交不安障害(時代によって、対人恐怖症→社会不安障害→社交不安障害と名前が変わっていったようです)は、大人になったら治るものだと思っていましたが、一向に治る気配がありませんでした。大学卒業後、家電量販店に就職が決まり販売を担当することになって「販売を担当したら治るかな」と思いましたが治らない。「どうしたらよいのか性格のせいなのか」ずっと悩み続けました。就職して約3年後ぐらいに、ある理由でそこを退職し、約半年後に前職の保険業関連会社に転職し、初めは物流業務を担当しました。

そこで私は人の視線が怖かったので、真っ直ぐ視線を前にしていると、上司から「おまえ、真顔で怖いんじゃ」と言われたことがあります。それでもその状態は治りませんでした。恐らく、この記事を書いている際も真顔だと思います。約4年後、事務部門へ異動となりました。事務は話さなくていいので、私に合っているのかなと思いましたが、じつは事務部門が一番よく会話をする部署だと聞いたことがあります。

会議・ミーティング・朝礼・研修会などが、すごく多く開催されていました。毎回話さない(本当は話せない)ので上司に怒られ、評価も悪く「あいつは怠けている、楽している」とされていました。その後、色々な事務部門を異動し約25年勤務しましたが、上記の「うつ病の私について」のとおり、退職することになりました。

退職前の休職期間中に社交不安障害であるかどうかの検査(検査名は忘れてしまいました)を受けたことがあります。そこで主治医から「あなたは社交不安障害です」と診断されました。病気の名前が判明されたときは「性格じゃなくて病気(障害)なんだ」と「良かった」と思いました。

さらに昨年の10月にLSAS-J(Liebowitz Social Anxiety Scale:リーボヴィッツ社交不安尺度 )という社交不安障害の尺度(レベル)を知る検査を行ったところ、高得点をとってしまいました。「得点上は仕事や社会的な活動に支障をきたす重度レベルとされ、人のいるような場面で食事をしたり人が見ている前で話すような、行為状況で不安を感じやすく、人と話したり、注目を浴びるような社交状況でも同様の不安を感じやすい。それらを避けたい気持ちも強い」と判断をされました。

この社会不安障害というものは、むかし、私が幼児期のころにはそういう言葉や障害名などもありませんでした。ただ、対人恐怖と言うのがあったみたいですが…。もう少し早く(子供のころ)に調べてほしかったと両親に言いましたが「そういう調べたりすることすら考えたことがなかった」といっていました。両親を責めても仕方がない。誰も悪くないと今の私は思っています。

私の場合の社交不安障害
・何をするときでも緊張が付いてまわる。
・人の視線が怖い。(視線恐怖)
・人前で字をきちんと記入することができない。(ノートに記入する際も同様です)
・人前に出ると手足が震える。声も震えることがある。(話せなくなることがあります)
・人前で電話を受電・架電することが難しい。
・人が多人数いる場所に入っていけない。(前職の最終部署では、1フロア100名程いました)
・遅れて、すでに人が座っている状態のときも入っていけない。
・そのため早い時間に通所、出勤することが多い。
・途中退出ができない。
・電車、バスには乗車できる。
・複数人で話すことができない。(一対一での会話は可能)
・人に見られながら業務、電話を行うと、動きが取れなくなります。
・スピーチ、会議、研修、朝礼など注目される場面で、考えていたことが抜けたり、頭の中が真っ白になって、何も話せなくなります。
・上記の様なことがあるので、上司、同僚、家族以外の私の周りにいる人達からは「怠けている、楽をしている」と思われ、理解してもらえないことが多いです。

最後に現在、私はうつ病・社交不安障害のほかに、眼科(緑内障)と歯科(知覚過敏・他)に通院しています。薬の飲み合わせがあるので、注意が必要なところがあります。薬剤師には、緑内障と精神系の薬には飲み合わせがあるので、医者に確認しているかどうか尋ねられました。また、歯科では、精神系の薬を飲んでる方は、歯が少しずつ溶けてくると教えて下さいました。

このように「社交不安障害」は一般的に知られていないだけでなく、薬の飲み合わせなど注意しないといけないことが沢山あります。このコラムで、そういったことを知っていただけたなら幸いです。

参考文献

【医療法人 法橋(ほうきょう)心療内科|うつ病/適応障害】
https://hokyo-clinic.jp/index.html

【病院・医院検索のマイクリニック|人前で過度に緊張する・・・社会不安障害】
http://www.myclinic.ne.jp/

【元住吉こころみクリニック|【専門家が解説】LSAS-J(リーボヴィッツ社交不安尺度)】
https://cocoromi-cl.jp/

やっさん

やっさん

50歳代のおじさん。現在、楽しみながら就労移行支援事業所に通所しつつ、就職できるよう奮闘中。

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