就職に向けて~就労移行支援事業所で学んだこと

仕事 発達障害

出典:Photo by Clyde RS on Unsplash

私は社会人1年目で広汎性発達障害と診断されました。その後、離職したのですが、生活リズムが乱れ、めちゃくちゃな生活を送っていました。このままではいけないと自分なりに調べた結果、就労移行支援事業所という施設にたどり着きます。このコラムでは、私が就労移行支援事業所で学んだことについて、ご紹介したいと思います。

就労移行支援とは

就労移行支援は障害福祉サービスの1つで、就職に向けて必要な知識や能力を身につけるための支援を受けられます。具体的には以下のようなプログラムがあります。

・就労に向けて生活リズムを整える
・自己理解を深める
・苦手なことに対して、対処法と企業へ求める配慮を考える
・仕事で必要なビジネスマナーを学ぶ
・面接訓練を受ける
・企業へ実習に行く

この中でも、私が特に役に立ったと感じたものをご紹介します。

認知のゆがみを矯正する「リフレーミング」

認知のゆがみとは、ある物事に対してゆがんだとらえ方をしてしまうことです。この状態になると、ストレスを感じてしまう人もいます。

例えば、ペットボトルにコーラが半分入っている状態の時、まだ半分もあると考える人がいます。しかしその一方で、もう半分しかないと考えるタイプの人もいます。このように同じ物事に対してもポジティブに考えられる人もいれば、ネガティブに考えてしまう人もいるのです。物事を前向きに考えられるようにするトレーニングのことを「リフレーミング」といいます。

私はもともと「~しなければならない」というような強迫的な考え方をしてしまったり「~に違いない」という決めつけをしてしまうことがありました。しかし、このリフレーミングを学んでからは「~にこしたことはない」や「もしかしたら~かもしれない」といったように考えが少し柔軟になりました。

今でもたまに認知のゆがみが起きてしまうことはありますが、以前と比べればずいぶん改善したように思います。

変えられるものにのみ意識を向ける「コントロールフォーカス」

「コントロールフォーカス」とは、自分でコントロールできるものにのみ意識を向け、コントロールできないものに対しては割り切る、といった技法です。具体例として、変えられないものは「過去、相手」が挙げられ、変えられるものとしては「現在、自分」が挙げられます。

私は就労移行支援事業所で学んだことの中で、このコントロールフォーカスが最も役に立ちました。それまでの私は変えられないもの、自分ではどうしようもないものに対してストレスを感じ、思い悩んでいました。しかしこの技法を学んでから、自分で変えられないものに対して、悩んでいる時間がもったいないと感じるようになりました。

その結果、自分の力で変えられるものにだけ集中して、努力ができるようになったのです。

面接訓練

私の通っている就労移行支援事業所では週に1回、面接訓練を行っています。面接訓練では自分だと気がついていない課題を客観的な視点で教えてもらえます。

例えば、私の場合は目線が泳ぐという癖がありました。一度、面接訓練の様子をビデオで撮ってもらったことがあるのですが、確かに目が泳いでいました。全く自覚がなかったので驚いたのを覚えています。

また、面接訓練のメリットとして、失敗ができるということが挙げられます。面接訓練は練習なのでいくらでも失敗できます。失敗を繰り返し、改善を繰り返すことで質問にも落ち着いて答えられるようになったと思います。

終わりに

私が就労移行支援事業所に通い始めて一番変わったことは、物事のとらえ方です。以前の私は悲観的なとらえ方をしてしまうことが多くありました。しかし現在では前向きに考えられることが増えました。今でも気分が落ち込んでしまうことはあります。それでも、立ち直りは早くなったと感じています。私はこれからも就職に向け、就労支援所で訓練を続けていきたいと思います。

shige

shige

社会人1年目で広範性発達障害と診断を受ける。現在、就労移行支援所に通所し、困りごとに対して対策を考えている。休みの日は主にゲームや動画鑑賞、読書をして過ごす。

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