第4回社会福祉ヒーローズ、ファイナリスト7名が決定

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全国社会福祉法人経営者協議会(以下、全国経営協/東京・千代田)は、社会福祉の第一線で活躍する若手職員を表彰する「社会福祉ヒーローズ」賞の受賞者7人を決定しました。

"創意工夫を凝らした新たな福祉"を実践する、7都府県(秋田・埼玉・東京・神奈川・富山・山梨・大阪)の7名に、「社会福祉ヒーローズ」賞を授与するとともに、3月15日にオンライン開催される全国大会「社会福祉HERO’S TOKYO 2021」へファイナリストとして出場します。

社会福祉ヒーローズとは

2018年に創設された「社会福祉ヒーローズ」賞は今回で4度目となります。「社会福祉版の甲子園」として、全国の社会福祉法人で働く20~30代の若手職員を対象とし、「社会福祉の世界を変える意欲と実績のある者」という選考基準のもとで彼ら独自の取り組みを審査します。

SDGsの流行りからも福祉業界の役割が期待されている反面、介護従事者は2025年には全国で38万人も不足するという試算が出ています。福祉分野の人手不足を改善する一助として、社会福祉ヒーローズではクリエイティブな若手職員を表彰し福祉の魅力を発信していきます。

全国大会の概要

このたび選ばれたファイナリスト7名は、来る2022年3月15日(火)にオンライン開催されます「社会福祉HERO’S TOKYO 2021」にて各自事前収録したプレゼンを持ち寄り披露します。当日は若者からも人気の俳優である神尾楓珠(ふうじゅ)さんをスペシャルゲストとしてお招きします。

審査はオンライン視聴者と有識者の投票形式で行い、最も票を得た出場者に最優秀賞である「ベストヒーロー賞」が授与されます。では、ファイナリストに選ばれた7名の取り組みをご紹介しましょう。

ファイナリスト7名の取り組み

「eスポーツ」を障害者のリハビリに活用(秋田)
障害者支援施設の入所者へのリハビリプログラムに、テレビゲームの対戦を競技化した「eスポーツ」を取り入れています。脳性まひや脊髄損傷の方が様々な対戦型テレビゲームをプレイしながら「頭と体のリハビリ」に取り組みます。利用者同士だけでなく他施設ともオンライン対戦をしており、中には全国大会に出場した利用者さえ現れました。

障害者の理解啓発へ、小学生向けDVDを製作(東京)
「障害理解」への啓発活動として小学生向けDVDを製作し、地元の江戸川区の教育委員会を通じて区内の小学校69校へ配布しました。24分の動画には「知的障害者の行動の特徴」「障害の疑似体験」などが収められています。コロナ禍を踏まえ、学校や施設に訪問するのではなく動画を撮って配布する形式をとりました。未就学児向けの動画制作も進めており、2022年3月ごろに完成する予定です。

地元Jリーグチームとも協力した、夢をかなえるプロジェクト(富山)
施設を利用する高齢者が諦めていた夢を実現する「夢プロジェクト」を行っています。100個ほどの夢を集めており、その半数を達成したというパワーあるプロジェクトは、施設の枠を越え地域の企業やスポーツチームにも広がっています。例えば、「サッカーの試合を応援したい」という夢に応え、地元のサッカーJ3チーム「カターレ富山」と協力して交流会を実施しました。「夢は人生を動かすエンジン、その力で地域の皆を巻き込んでいきたい!」と熱い想いのこもったプロジェクトです。

キッチンカーを買い、減りゆく就労機会を確保(山梨)
精神疾患や知的障害を持つ人に「就労機会と収入」「コミュニケーションの機会」を確保すべく、クラウドファンディングで資金を募り移動販売用のキッチンカーを購入しました。2021年4月から県内各地に出店し、利用者らは接客・調理・ポップ作りなど幅広い作業を分担しています。

「ノーリフティングケア」で介護のイメージ刷新へ(神奈川)
介護のとき持ち上げたり抱きかかえたりすることのない「ノーリフティングケア」を推進しています。ノーリフティングケアは福祉用具の利用法を工夫したり姿勢をサポートしたりすることで行い、介護をする側とされる側の両方にメリットをもたらすとされています。施設で実践するだけでなく、ノーリフティングケアの資格制度を設けたり同じ系列の高齢者施設へ講師として赴いたりもしています。

「能動的音楽療法」で認知症予防と生きがい創出へ(埼玉)
自分で体を動かしつつ楽器演奏や歌唱をする「能動的音楽療法」を高齢者のリハビリに取り入れています。従来の音楽療法は「聴くだけ」でしたが、自分で歌ったり演奏したりする能動的な方法へとシフトしました。経験がなくても扱えるドラムやシンバルなどを中心に「ルールに縛られず、けれどリズムを意識して」をモットーにしています。精神安定や認知症予防だけでなく生きがいや楽しみの創出にもなると期待されています。

こども園で「病児受け入れ」を実践(大阪)
勤務するこども園で「病児受け入れ」をしており、現在は一型糖尿病と両耳難聴の2児が通っています。例えば一型糖尿病の児童には、職員が協力し合って30分ごとに血糖値を測定し、給食やおやつのまえは看護師が注射をして配膳もカロリーを意識するなど多岐にわたる対応をしています。「すべての子どもに幸せになる権利がある。保護者の就労や育児の支援にもなれる仕事をしたい」という想いが原動力です。

障害者ドットコムニュース編集部

障害者ドットコムニュース編集部

「福祉をもっとわかりやすく!使いやすく!楽しく!」をモットーに、障害・病気をもつ方の仕事や暮らしに関する最新ニュースやコラムなどを発信していきます。
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