我慢をしすぎて~HSPな私の体験談

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出典:Photo by Santiago Lacarta on Unsplash

私には「HSP」という特性があります。この特性を持つ人は人より繊細であり、物事を深く考えてしまいます。この特性によって、私はつい我慢をしてしまう癖がついてしまいました。現在は我慢をしすぎないように意識していますが、意識していなかったころはかなり辛い日々を送っていました。

いいたいことを我慢

私は小学校高学年になったころから、自分が思っていることや意見などをほとんどいわなくなってしまいました。みんなで1つのことに取り組むときはいい案が思い浮かんでも「そう思ってるのは自分だけかもしれない」と考え、変だと思われた場合の周りの反応や言葉を勝手に想像して、それを本当にいわれたかのように傷ついてしまうのです。その結果、自分の意見がいえなくなってしまいます。

また、誰かと意見が対立した場合は一気に黙り込んでしまいます。例えば、母と喧嘩をするときは私はいつも黙っていて、母だけがずっと言葉を発しています。「黙ってないで、いいたいことあるならいったらどうなん?」といわれても、自分の意見をいったあとの母の反応や返ってくる言葉を思いつく限り想像してしまいます。そしてまたその返答に対する返答も想像して……と、これが無限に続いてしまいます。

そうして、結局自分の意見を伝えようとしても「我慢すれば今想像した結果にはならない」と考え、黙り込みます。しかし本当は自分の意見をいえないことに大きなストレスを感じているので、そのうち泣き出してしまうことがほとんどです。

このように「もしこの行動をしたら……この意見をいったら……」と色々想像してしまう癖があり、毎回マイナス方面に想像してしまいます。どれだけ結果が悪くなる可能性が低くても、一度その可能性を見つけてしまうと「そうなりたくない」と強く思ってしまい、それを避けるために「なにもいわないのが一番だ」もしくは「当たり障りのないことだけいおう」という結論にたどり着いてしまうのです。

しんどいのを我慢

また、自分にはしんどいな……と感じたときも人にいわず、抱え込むことが多くありました。学校でつらいと思ったことがあっても、家に帰るとできるだけいつも通りの態度で過ごします。周りの人に大丈夫?と聞かれたときも、本当はしんどいのに「大丈夫です」といって無理をしていました。周りに心配させたくないという気持ちもありますが、それよりも弱い自分を晒したくないという気持ちがとても強かったからです。

冒頭でも書いた通り、私はHSPで人一倍に傷つきやすいです。しかし私は周りの人達と同じであることに強いこだわりを感じていたので「そのくらいで疲れるなんて……」という風に思われたくなかったのです。そのため、自分がしんどいと思う気持ちを無視して日々を過ごしていました。

我慢しすぎると爆発する

我慢をしすぎると、当然いつか限界が来ます。私も限界が近くなったとき、料理中使っていたフライパンを箸でガンガンと叩いてしまったり、自分の腕を壁に何度も叩きつけて、その痛みによって気持ちを落ち着かせようとしていました。こうすることで一瞬落ち着くのですが、自分のいいたいことがいえない状況は変わらないので、結局はストレスが溜まっていきます。

そして、母との喧嘩中にとうとう限界に達してしまったとき、私は母に向かって怒鳴りました。母が傷つくようなこともいったと思います。1分にも満たない短さでしたが、普段人が傷つかないように自分の言動に気をつけている自分にとっては、ありえないことでした。

その後の気分は最悪で、自分の部屋にこもって「なんであんなことをしてしまったのか」と自分を責めて大泣きしていました。本当は自分が悪いと分かっていたのに母に怒鳴ってしまったことも、情けなくて自分に対する怒りが溜まる一方でした。

現在

現在、私は就労移行支援所に通っています。そこではストレスに関するプログラムや、怒りのコントロール方法など、知っていたようで知らなかったことを教えてくれました。また、就労移行支援所では自分自身と向き合う時間がとても多いです。通う前と現在を比べてみて、自分がどういう人間で、何が得意・苦手なのかを理解できてきたように思います。

また、自分が想像していたより、人は十人十色だなあと思いました。学生時代はみんなが同じスケジュールで同じことに取り組んでいた分、そういった当たり前の違いに気付きにくかったのかもしれません。それに気付いてから、就労移行支援所でおたがいの意見を出し合うときは、以前よりも進んで自分の意見を発信できるようになりました。

とはいえ、自分の身体に染みついてしまった癖は簡単には治りません。今でも遠慮しすぎたり、しんどくても大丈夫だといってしまうことがあります。ですが、就労移行支援所のスタッフの方々は「しんどいと感じたことは、いってくれた方が嬉しい」と私に伝えてくれました。自分の感じたことを我慢せずに伝えられる環境があるだけで、心の安心感が違うと感じました。

今は我慢しすぎないことを心掛けていて、しんどいときに大丈夫ですか?聞かれると「少ししんどいかもしれません」と、素直に伝えることにしています。甘えすぎもよくないし、我慢しすぎるのも毒です。今後もそのバランスを取りながら、就職したとしても我慢をしすぎず、適度に吐き出せるようになりたいです。

シボロクン

シボロクン

一人暮らしを目指して就労移行支援事業所に通いながら就活中。
一番好きな季節は秋。

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