パニック障害~放置してしまった心の病

パニック障害・不安障害

出典:Photo by Dominic Bieri on Unsplash

「パニック障害」を発症した私。そう診断されるまでは、身体の調子が悪いと思っていただけで、心の病とは気づかず「何とかなる」「気の持ちよう」と思ってしまっていました。

それが大きな間違いだったことを、自分の実体験を元にして書いていこうと思います。

パニック障害を発症したきっかけ

私がパニック障害を発症したきっかけは、大学3年生になる前の春休みときに、友人と海外旅行にいくために搭乗した飛行機がきっかけです。

それまで飛行機は人生で1度きり、高校時代の修学旅行のときに搭乗したくらいで、海外にいくための長時間の搭乗は初めてでした。私は、乗り物酔いなど基本的にはしない体質なので「飛行機も大丈夫だろう」と思い酔い止めの薬を持参しませんでした。

しかし、飛行機が離陸して2時間くらいたったとき、人生で初めて乗り物酔いをしてしまい、自分の席とトイレを何回も往復する羽目になりました。この乗り物酔いと飛行機の閉鎖空間が、パニック障害の発症のきっかけになったのだと思っています。

海外からの帰りは現地で買った酔い止めを通常の服用よりも多めに飲み、なんとか帰国することができました。

その後、春休み期間中は大学への通学もないため、あまり乗り物に乗る機会もなく、特に変化はなかったのですが、春休みが終わり3年生になったある日。いつも通り電車とバスで通学していた時のことです。

通学のバスは学生でいっぱいで、いつものことなので私も普通に乗車したはずなのですが、なぜか息苦しい、そしてだんだんと吐き気がしてきました。途中で降りようとも考えましたが、大学まであと少しまでの距離だったので、なんとか我慢して降りてすぐにトイレに駆け込みました。

しかし、トイレに駆け込むと息苦しさも吐き気も治まりました。このとき私は「まぁ今日はちょっと体調が悪いだけなんだろう」と思っただけで特に気にすることもありませんでした。そこから週に何回か電車やバスで体調を崩すときがあったのですが「降りたらなんともなくなるし気の問題だろう」と思ってしまっていたのです。

しかし、乗り物に乗ったら体調を崩す頻度が多くなってきて、だんだんと乗るのが不安になっていき、大学を休んだりして避けるようになっていきました。

このような状態のときでも私は「気の持ちよう、何とかなる」と思ってしまっていました。

そして、乗り物に乗れない日々が続いて2か月ほどたったくらいのときに次は食事中、食後に吐き気、動悸が起こるようになってしまいました。私の中では食中、食後の発作が一番つらかったです。

家での食事ではあまり発作が起こらないのですが、学食や外食時にあと数口で食べ終わるというところで突然吐き気と動悸が襲ってきて、急いでその場から離れるようになりました。

食事に対する不安がとても強くなっていき、1日1食やゼリー飲料ですませたり、1日中、絶食など極度の食欲不振に陥ってしまい、ピークでは約2か月で16kgも痩せて周りからは「さすがに痩せすぎ」と心配されていました。

パニック障害と診断されるまで

飛行機で乗り物酔いを経験してから3、4か月経過したあたりで、私は何をするにしても不安感がつきまとうようになりました。先ほどのべたような場面以外でも発作が起きてしまうんじゃないかと思い詰め、不眠症状が出てきてしまい、さらに悪い方向へ向かってしまいました。

気の持ちようだと思ってきた私でも「さすがに何かがおかしい」と思い始めていたころに病院へ受診するきっかけとなる出来事が起こりました。それは、2018年6月に起こった大阪府北部地震です。

私は奈良県に住んでいて、地震が発生したときは自室にいて眠っていたのですが、防災無線の緊急地震速報のサイレンが鳴ったときに飛び起きました。そのサイレンの音が不安感が強く、精神的な疲労がピークに達していた自分にはとてもダメージになりました。動悸が止まらずサイレンの音が頭の中でループされ不安感が増し、とても怖かったのを覚えています。

さすがに一度病院へいこうと思い、自分の中では「これは身体じゃない、精神的なものだ」と結論が出ていたので、近くの心療内科へ診察にいきました。そこでこれまでの症状など伝えるとパニック障害と診断されたのです。

パニック障害と診断されてから

パニック障害と診断されてから薬物療法とカウンセリングが開始されました。

カウンセリングではまず「気の問題、気の持ちよう」という考え方を改めることを教わりました。「精神的な病はそんな根性論では治らない、ちゃんとした病気だ」といわれ自分は病気を患っていたのだと気付かされたと同時に、今まで自分の中で「何かわからない不調だったもの」が「病気」だとわかり少し安心したのを覚えています。

そこからは、根性論で考えることもなくなり、薬物療法とカウンセリングで少しずつですが体調はよくなっていきました。

しかし、すぐに全てが解消されるわけもなく発症から受診まで大分時間がたっていた私は、日常的な不安感は無くなったものの、場面的な不安感、発作はなかなか解消されず、薬物療法、カウンセリングに加えて、発作が起きやすい状況を実際に経験し、不安感、恐怖感を失くしていく「暴露療法」を3年以上たった現在でもおこなっています

自分の中でなんかおかしいと思ったら

ここまで自分の体験談を書いてきましたが、これを読んでいる人に伝えたいことは「自分の中でなにかおかしい、変だと思ったらすぐに病院へ受診するべき」だということです。

これは精神疾患だけに当てはまることじゃなく、すべての病気に当てはまることです。放っておいたら手遅れになることもあるし、完治するのに時間がかかってしまいます。

もちろん気を強く持つことは悪いことではないです。気の問題だと思い込んで時間がたてば治る、自力でなんとかしようとするのがいけないことだと私は思います。

おかしいと思ったら病院へいきましょう。病院で検査、診察をしてもらうのが確実で最短で治る方法です。

温泉好き

温泉好き

大学生の時にパニック障害を発症。就職活動が困難になり、現在は親の家業を手伝いながら就職を目指して就労移行支援事業所に通所。
趣味は、温泉、スポーツ、ゲーム、マンガなどインドア、アウトドアどちらも好き。

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