HSPと、ともに。

大好きな母のこと〜HSPと、ともに。<vol.71>

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HSPと、ともに。vol.71 <毎月1日連載>

3月は母の誕生日、4月は母の命日があります。世界でいちばん大好きな私の母のことを書こうと思います。HSPやASD、ADHDのある私を育てるのは、本当に大変だったと思います。しかも20代前半で、まだまだ遊びたい、働きたい年頃に育ててくれたことを考えると、感謝しかありません。3月の誕生日あたりから、私はだんだん憂鬱になり、毎年命日のある4月や母の日の5月は気分がどん底の鬱状態になります。去年も母に会いたくなりました。

母が病気で亡くなったのは、私が高校生の時で、桜が満開から散り始めていて、お葬式は現実とは思えず、夢か映画でも見ているような気分でした。母はとても明るくて、一言で言えば、ひまわりか太陽のような人でした。いつも笑顔で、ハキハキと弾むような声で楽しそうに話します。背が高く、ハイヒールを履いていて、明るい色の華やかな服を好んで着ていて、綺麗なお姫様のようなインテリアが好きでした。優しくて、おもしろくて社交的でいつも人に囲まれていて人気者、仕事も家事もテキパキこなす、リーダータイプ。それが私の母でした。

母の実家は地主、自営業でお嬢様育ち。梅田の阪急百貨店に就職して、とても楽しく働いていました。新聞記者をしていた父が取材に行った時に、母が対応したというのが両親の出会いです。その時の話を父から聞くのは、今でも楽しいです。私は家族が大好きですが、母がもういないので、母のことを話すことがほとんどありません。なので、母との想い出の場所に行くことは私にとっていちばんの癒しです。

母は、弟を出産した時の医療ミスの出血で、ものすごい貧血になったそうです。あかんベーをした時に、目の下の粘膜が真っ白だったのを2人でいる時に見せてもらったことがあります。貧血を解消するために鉄分をよくとっていました。また、視力が2.0あり、見えすぎてしんどいとも言っていました。かなりの心配性で、私たち家族ががんにならないようにと、食品添加物や、危険な食品が載っている本をよく読んでいました。食事はほぼ全て手作りで、お菓子やパンまで作ってくれて嬉しかったです。料理もとても上手でした。亡くなる前には私のためにレシピを手書きでいくつか残してくれていて、今でも大切に持っています。過保護なところもあり、魚の骨はすべて母がとってくれました。飴を喉に詰まらせないように、車で酔わないように、風邪ひかないように、などいつも色々心配して先回りして工夫をしてくれました。何をするにもずっと心配している様子でした。

歌うことが大好きで、お店で歌う仕事をしていたり、ママさんコーラスをしていた時には、テレビやラジオにも出演し、代表で話すのは母でした。亡くなった後も、録音した母の声を聞くことができて良かったです。私の習い事にも熱心で、ミュージカルやバイオリンのレッスンに、付いてきてくれて母が喜ぶ姿を見るのは嬉しかったです。家族でいるのも楽しかったけど、私は母を独り占めできた時がいちばん嬉しかったです。2人でスーパーに行ったり、テレビを観たり、買い物や食事に行ったりする時がいちばん幸せでした。買ってもらった白いコートを病室でも着ていたら、高かったなぁと、懐かしそうに言いました。最後の入院の前の日の晩は、2人で寝ていたら、母が私の布団を掛け直してくれました。もう水を飲むことも苦しかったのに、母の愛情は本当にすごいなと思いました。

母は、雷が落ちたところを見てから恐怖症になったのですが、ある時スーパーで買い物をして帰ろうとした時に、雷が鳴って帰れなくなり、鳴り止むまでベンチで待っていたことがありましたが、私は怖くないので買ってもらった漫画を読みながら、しばらく一緒に居れることがすごく嬉しかったのを覚えています。それと、飼っていた犬に5匹の子どもが生まれた時に、近所で飼ってくれる方が決まったのですが、1匹だけ遠くの知らない方に飼われることになり、母とふたりで渡しに行く途中で私が泣いていたら、母が、あげるのやめて帰ろうと言ってくれました。相手の方に謝って、近所で飼ってくれる方を探すために電話をかけまくってくれた姿もよく覚えています。飼ってくれる方が決まって、いつでも遊びにおいでねと、言ってくださりとても嬉しかったし、母が亡くなった後も、その時の様子を懐かしく話してくださいました。

母がいなくなって、忘れたことなど1日もありません。いつも母のことを考えています。霊感がある人に母のことを聞くこともあります。いくつか質問をしたことがありました。

◎今どうしてる?
 賑やかに楽しく過ごしてる。

◎私のことはどう思っていた?
 ずっと自慢の子と思っていた。愛してる。大好き。私の育て方が良かった。

◎母のことがいちばん好きだと気づいていた?
 亡くなってから知った。おばあちゃんがいちばんと思っていた。嬉しかった。

◎後悔していることはある?
 ある。もっと一緒にいれば良かった。

◎仕事を頑張っていることを知ってる?
 知ってる。嬉しい。自慢してる。成功すると想像している。

◎発達障害に産んで悪かったと思っている?
 思ってない。いろんな経験したら良い。

◎障害を公表していることをどう思う?
 人の役に立っているから良い。

◎コラムを書いていることを知ってる?
 読んでる。文章は上手くないけど、よく頑張ってるな。

◎メディアに出ていることを知ってる?
 知ってる。目が飛び出るくらいびっくりしてる。

◎阪急百貨店で一緒にいた?
 いた。楽しい。無駄遣いしないように。

◎私に会いに来てる?
 来てる。楽しい。周りの人に感謝してる。

という答えが返ってきました。もうすぐ命日を迎えますが、大好きな母にまた会える日を楽しみに、寿命が来るまで頑張って生きていこうと思います。母の子どもで本当に良かったです。

川田 直美  障害者ドットコム株式会社スタッフ

川田 直美  障害者ドットコム株式会社スタッフ

HSP、ASD(自閉症スペクトラム)、ADHD、LD(学習障害)があり、発達障害をコンプリート。パニック障害もあり、生きづらさも感じながらも、日々楽しくいこうと考えている。今まで、花屋、ケーキ屋、カフェ、デザイン企画、オリジナル雑貨制作などいろいろな仕事を経験。自然と犬と本が大好き。

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