吃音ってなに?
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出典:https://girlydrop.com/cafe/15756
この文章を書いている筆者は、吃音症の当事者です。吃音症は、2013年までは言語障がいとして扱われていました。診断は耳鼻咽喉科が専門です。
しかし、2014年に吃音症は発達障がいに分類が変わりましたが、筆者の生活は特に変わりませんでした。つまり、どういうことかといいますと、吃音症とは「ことば」を話す際に発声が詰まりすぎて最初の単語が出ない、または「アイス」という単語が「ああああああああいす」のように繰り返される場合があるということです。
幼いころから吃音症と向き合い、大人になった方の中には、話しにくいと感じたときに体の一部を使う「随伴運動」を行う場合があります。どういうメカニズムなのかは、現代の医学ではまだ解明されていないため詳しいことは分かりませんが、随伴運動とは片足を一瞬踏ん張るなどの動きによって「ことば」を発しやすくする方法の一種です。
ここからは、幼少期から現在に至るまで、吃音症とともに歩んできた人生についてお話ししたいと思います。大阪市内の小学校には、すべての学校に設置されているわけではありませんが、「ことばの教室」(言語通級指導教室)という「ことば」に特化した療育を行う学級があります。筆者の在籍校には「ことばの教室」がなかったため、別の学校へ通級していました。当時と現在では異なる部分もあるかもしれませんが、今回は、ことばが詰まる特性をもつさまざまな年代の方がいるということを、少しでも頭の片隅に置いていただければと思います。
なお、吃音症の方は、安心できる人と話すときに、ここでも解明されていないメカニズムによって非常に詰まりが強くなることがあるそうです。
吃音症についての相談や診断は、地元の耳鼻咽喉科や精神科でも行われています。最後にお伝えしたいのは、吃音症に対して無理解な人がいるという現実です。筆者も大学1年生のときに、講義中に当てられ、随伴運動をしてもことばが出ないことがありました。その際、教授に怠けていると誤解され、研究室で叱責されたこともあります。
しかし、吃音症であることを悲観してばかりでは、もったいない人生になってしまいます。何事にもいえることですが、無理解の反対は理解です。理解には時間がかかってもかまいませんので、詰まることを恐れて萎縮するのではなく、自分のペースで話していくのも一つの手だと思います。とはいえ、一人も味方や理解者がいないとは思わないでいただきたいです。
必ず味方はいます。
それは自分自身です。自分がいちばん吃音症のつらさを知っています。まずはその事実を認めて、一緒に歩んでいきましょう。