浮かんだ神アイデアが剽窃だった?誰も得しないクリプトムネシアの怪異

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Photo by Dayne Topkin on Unsplash

プロアマ問わず、創作の上で不安になることの一つに「先人と丸被りしていないか」というものがあります。オリジナルと思って解き放ったのが既出のものだったと知った時の絶望たるや、よくて車輪の再発明、悪く転ぶと剽窃(パクリ)問題にまで発展するので、心安らかではいられません。

最も救いがないのは、本人は心からオリジナルだと思っていたのが過去の有名な作品と丸被りしていたパターンです。有名な例として挙げられるのが、ジョージ・ハリスンの「My Sweet Lord」。これはシフォンズによる既存楽曲「He's So Fine」と酷似していたとされ裁判にまで発展しました。裁判所の判断は「悪気はなかったようだが盗作は盗作」という感じで、ハリスン側の敗訴となっています。

ここで悪さをしていたのは潜在記憶のような、心の奥底や深層に眠っていた出処不明の記憶です。例えるなら、冷蔵庫の奥深くに放置してあったマヨネーズがいつどこで買ったものか分からないような状態でしょうか。これを自分の内部から生まれたインスピレーションと誤認して問題を起こすのが「クリプトムネシア(Cryptomnesia)」という無意識の盗用です。

無意識の盗用に至る理由は、その記憶の出処まで覚えていないことにあると思います。どこかで聞いた旋律、どこかで見た造形、心に残ってはいるものの日時と場所は抜けている状態。何かの拍子に記憶の奥底からそれを思い出した時、「詠み人知らず」のそれは「神がかり的なインスピレーション」と誤解され、自分のアイデアと勘違いしたまま産み出されてしまいます。それが無意識の盗用と呼ばれる現象です。

悪気はなかったとしても、剽窃に関わる係争は互いの心身を摩耗します。無駄な争いを防ぐためにも、そして「いいもの」を感じた過去の自分を裏切らないためにも、本当に自分の中から出たのか疑いアイデアの源泉を辿ってみるのが理想とされる姿勢です。「理想」とはいつも貫き通せるわけではないという意味も含まれているのですが。

参考サイト

Skeptic's Dictionary:cryptomnesia
https://www.genpaku.org


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遥けき博愛の郷

遥けき博愛の郷

大学4年の時に就活うつとなり、紆余曲折を経て自閉症スペクトラムと診断される。書く話題のきっかけは大体Twitterというぐらいのツイ廃。最近の悩みはデレステのLv26譜面から詰まっていること。

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