心の一歩

えがおをつなぐ 『心の一歩 』vol.10

『心の一歩 』 vol.10 <毎月30日連載>

第17回愛顔(えがお)つなぐえひめ大会に出場しました。

お祭りだと言う人もいる。でもこの大会に何年も出場したくて、したくて、泳いできた。毎年、出場を目指して頑張っている仲間を知っている。だから、その仲間の代表だとも思って愛媛大会に挑んだ。

ここ最近は、息継ぎで首が上手く動かず、水を飲む量も増えてきたけど、3年連続出場できた。たくさんの人に支えられ、力を借り、ここまで来られた。本当に感謝しかない。

夢を形に変えられた。輝かしく、誇れて、自信にもなった。現状のような病気にならなければ、国体に出場だなんて思いもしなかったと思うし、考えもしなかった。それが今は違う。

私は足が動かない。条件が揃わないと外出もままならない。人は哀れだと思うのだろうか。そこには愛が無いよ、それは差別じゃないだろうかと、ふとした時にそう思うことがあった。

だから私は、根性を見せた。障害者とか関係なく、まっしぐらに夢を掴んでやろうという剛気を。

国体において、私が泳いだ障害区分の全種目での大会新記録樹立を目指した。やり遂げる。誰のためでもなく、自分のために。その結果が、プロセスが、誰かの勇気になる時がくる、そう思って。

第17回愛顔(えがお)つなぐえひめ大会
10月28日(土) 25m背泳ぎ 金メダル
10月29日(日) 50m自由形 金メダル


自由形50mで大会新記録が出せた。25mは既に私の記録だったので、これで私が泳いだ障害区分の全種目において大会記録を樹立したことになる。しっかりとした足跡を残せた。

精一杯、泳いだ。歓声に涙が出た。皆様、応援、ありがとうございます!

今後も、少しでもいいので気にかけてください、私達のことを。

佐久間 勇人

佐久間 勇人

私は『脊髄小脳変性症』というだんだんと運動神経が失われていく進行性の神経難病です。今じゃ何をするのも命懸け。それでも大好きな水泳を続けています。溺れているんだか泳いでいるんだかわからなくなる時も増えてきました。心が折れそうにもなります。もう折れているかも知れません。
それでも水泳を通して色々な人と出会いたい。全力で笑いたい。皆で繋がり笑いたい。それが活力。HUG&PEACE

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