発達障害者が集うバーにて社会人オフ会開催~オープンで働く人、クローズで働く人

イベント 発達障害
発達障害アートカフェ・バー 金輝

6月9日、大阪・心斎橋の発達障害アートギャラリーカフェ・バーさんにてオフ会を開催しました。正直、どんな人が来るのか、どんなことを期待して来るのかもわからないのでドキドキしながら当日を迎えることに。19時ほぼぴったり、続々人が集まり、満員状態に。発達障害を持つ人は遅刻する人が多いと思っていたので、これは意外で嬉しい驚き!

まずは自己紹介。仕事はオープン(障害開示)就労かクローズ(障害非開示)就労か、参加の理由、何を話したいかを話して頂きました。

自己紹介が終わり、そのうちオープンで働く方は6名、クローズで働く方は7名。ちなみに主催者で今回の司会進行を務めさせて頂いた私はADHDの当事者で、就労移行支援事業所に通いながら現在就職活動中です。

オープン、クローズで働く上でのメリットとデメリット

最初のテーマはオープン、クローズのメリット、デメリットについて話合いました。次のような意見が出ました。

オープン クローズド
メリット 合理的配慮を得られる 安定した収入
ミスをしても大目に見てもらえる 余計な特別扱いが無い
休みを取りやすい
補助金が会社に入るため、会社に貢献しているという安心感
デメリット 理解してもらえない 障害特性上の苦手をカバーしながら働くことがかなりキツい
「単なる言い訳だ」と言われる 周りに気づかれないようにする
障害という偏見

一番多い意見は会社の上司や同僚に理解してもらえない、又は理解してもらえないのではないかという意見。発達障害は身体障害や知的障害の方よりも障害が一見してわかりにくく、ミスが多い、スケジュール管理ができない、コミュニケーションが苦手などのことが、「単なる努力不足」と判断されてしまうようです。発達障害は「脳の機能的障害」であることを理解してもらい、努力や根性だけではカバーできない仕事があることを分かってもらう必要がありそうです。

一方で、始めはデメリットばかりが出ていたものの、メリットを聞くと意外にたくさん出てきました。オープンの場合の合理的配慮では定期的な休み時間を確保してもらえるなど、会社としても働きやすい工夫をしていると感じたところです。また、補助金が会社に入るため、会社に貢献していると思うという意見も。少々仕事でつまずくことがあっても、補助金が会社に入ってるし、というような気持ちのゆとりもリラックスして働くには有効なのかもしれません。

  • 会場の発達障害アートカフェ・バー 金輝のオーナー橋際義さんも参加

仕事でミスを減らす方法

・5W1H[いつ、誰が(誰に)、なぜ、どこで、何を、どのように(いくら、いくつ)]を意識してメモを取る。
・メモのフォーマットを用意する。よくある内容を分類分けして、ワードかエクセルでフォーマットを作る。
・ふせんに書く
・カラーファイルを活用する
・Googleカレンダーでスケジュールやタスク管理を統一する
・マニュアルを用意する
・「ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に働くための本」(翔泳社)を参考にする

色々と案が出てきました。皆さん工夫されてますね!上の対策案は基本的に事務仕事における対策法だと思います。発達障害者はマルチタスクが苦手なので、「決まったやり方」を作り、そのやり方に統一するということが重要なようです。テクニック的なものは本屋や図書館に行けば様々な書籍がありますので、上に紹介したもの以外にも色々見比べてみて自分に合ったものを見つけることをおすすめします。

コミュニケーションの問題も話に挙がったのですが、この部分は障害の種類によってかなり課題が変わってくるため、今回は割愛し、またの機会に取り上げたいと思います。

苦手な仕事と得意な仕事

このトピックをまとめたいと思いましたが、残念ながら時間の関係もあり明確な答えが見つかりませんでした。出て来た意見は次のとおりです。

・マルチタスクを問われる仕事が難しい(コンビニ、事務仕事も苦手)
・シングルタスクに集中する仕事は比較的向いている。(プログラマーなど。中学、高校の教師も向いていると言われている。)
・人の考えを読み取ることが難しいので接客が難しい。特に常連さんや長い付き合いのあるお客さんとのやり取りで、「いつものやつ」などと言われると混乱する。(これは特にASDの人に当てはまる)
・マニュアルに従って対応できる接客は向いている。

同じ発達障害、同じADHDを持つ人でも得意なことがまるで違うことも。有名人では勝間和代さん(公開)、アップルの創業者スティーブ・ジョブス、楽天の三木谷社長といった社会の成功者たちや、アインシュタイン、エジソンやといった偉人たちも発達障害を持っていたと言われています。なので、発達障害=仕事ができないわけではないのが実情で、どれだけ自分に合った仕事に取り組めるかが重要なのだと思われます。

今の多くの日本企業では様々な仕事を幅広くかつミスなくこなすことが求められ、凸凹が大きい発達障害者には働くのが難しいのが現状です。企業そして管理職の方に、発達障害を理解してもらい、得意な仕事に集中して取り組めるような「適材適所」の文化が根ざしていくことを切に願います。

【発達障害アートカフェ・バー 金輝】
 大阪市中央区東心斎橋1丁目15-1
 ふあみ〜ゆ東心斎橋V 4階
 Tel: 050-5594-7695
 平日:15〜22時
 土日祝日:13〜22時
 定休日:火曜日

金輝ホームページ:http://as.sumomo.ne.jp/kinki

障害者ドットコムニュース掲載記事:/column/grown_up_detail?id=234

NORRY

NORRY

海外40カ国を放浪し、仕事も大企業、外資系、商社などを放浪した30代男。山積みマルチタスクの仕事にノックアウトされる。ADHDがうまくいかなかった原因だとわかり、目の前が晴れる。自分の強みを活かせる仕事を求めて絶賛就職活動中。趣味はカフェ巡り、ヨガ、料理という女子力を持ちながら、体脂肪率24%から1桁への肉体改造に成功するというストイックな一面も。

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