発達障害者への4つの禁句~発達障害のある私からのお願い

発達障害

unsplash-logo Riki Orita

最近、発達障害者が主人公のテレビドラマが放映されていたり、NHKでは「発達障害プロジェクト」が行われたりして、発達障害への関心が高まりつつあると思われる一方、まだまだ発達障害への誤解や偏見が根強く残っているようにも感じています。急激に都合良く状況が好転したり、世の中の全ての人に理解されることは不可能ですが、それでも、今回は発達障害への誤解や偏見が少しずつでも無くなればと思い、発達障害の当事者が言って欲しくない言葉を、自分の体験談を交えてまとめてみます。

①そんなこと、誰でもあるよ

先週末、知人から自分の障害について聞かれたので、わかりやすく伝わるように意識して話してみました。私が話し終えるや否や、知人から「そんなこと、誰でもあるよ。あなたの考え過ぎだよ。もっと気軽に考えて」と言われてしまいました。真意が伝わっていないと感じた私は、説明が悪かったのかと思い、再度言い直しましたが、知人の答えは同じでした。知人は「気軽に考えて楽になってくれたら」とアドバイスのつもりだったのかも知れませんが、こちらは話を否定された気分になりました。日常や社会生活の上で弊害があるから、簡単な問題ではないのですが。

②わかっているのに、どうしてできないの?

それでも、聞かれるままに自分の特性や症状について話してみると、知人は「わかっているのに、どうしてできないの?気を付ければ済むことじゃないの?」と言いました。わかっていながら努力しても、なかなかできない部分が多かったから苦しむのですが、知人の表情は明らかに不思議そうで、納得できない感じでした。

③薬で何とかならないの?

自分の特性をある程度理解できたのは、就労移行支援で自己分析を続けてきた成果で、工夫すべき所を見つけて試行錯誤を繰り返し、苦手部分への対処法も学びつつあることを伝えてみると、知人から「特に良くなったようには見えないけど?どうして主治医は薬を替えようとしないの?薬で何とかできないの?」と言われました。同じ発達障害でも、症状の表れ方は千差万別です。同様に、薬の効用や副作用の表れ方も個人によって異なります。ちなみに私は処方された薬の副作用が酷く、漢方薬に切り替えました。今は薬を替えて良かったと実感しています。

④発達障害に見えない

薬の効用や副作用の表れ方に個人差があることを説明していくと、「これだけ話せるんだから、発達障害に見えないよ。あなたは単にわがままなだけ。もっとしっかりしないと」と知人に言われました。就労移行支援での訓練の成果か、最近は行く先々で「発達障害に見えない」と言われることが多くなりました。中には福祉職の人もいました。確かにコミュニケーションに問題がないと言ってもらえるのはうれしいですが、この言葉は何だか腑に落ちない気持ちになりました。

改めて言いますが、知人は良かれと思って言ってくれたのかも知れません。けれども、知人のコメントは、こちらの話を肯定して理解しようとする姿勢ではなかったように思います。これらの言葉を言われ、きちんと説明しきれなかった自分にも、少し不甲斐なさを感じてしまいました。

うれしかった言葉

ある時「発達障害に見えない」と言われても手放しで喜べない件を、就労移行支援のスタッフに話してみたら「そうですよね。わかりますよ。それはあなたが今まで努力してきたからこそ、コミュニケーションができるようになったのですから」と答えが返ってきて、すごくうれしく思いました。自分のことをよく見て理解してもらえたように感じました。

もちろん、私を含め障害者側も意図せず相手の気分を害することはあります。私たちも相手を否定せず、話を理解しようとする姿勢を示さなければいけません。健常者と障害者が相互理解を深め、仲間外れにされる“みにくいアヒルの子”が出ない社会であって欲しいと願っています。

みにくいアヒルのおっさん

みにくいアヒルのおっさん

広汎性発達障害・注意欠陥多動性障害の40代。いつか“白鳥”なれるよう、自分の輝ける場所を求めて、社会復帰への訓練を受ける日々を過ごしています。座右の銘は「諦めない」!

発達障害

関連記事

人気記事

施設検索履歴を開く

最近見た施設

閲覧履歴がありません。

TOP

しばらくお待ちください