社交不安障害を持つ私の困りごと

その他の障害・病気

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みなさんは社交不安障害と言う病気をご存知でしょうか?社交不安障害とは、社交的な場面で強い緊張・不安・苦痛を感じ、またそのために体調不良を起こしたり、対人場面や恥をかきそうな場面をさけてしまう病気です(正式な定義を知りたい方がおられたら、各医療機関のサイトなどをご参考になさって下さい)。かくいう私もこの社交不安障害を患っている一人です。今回はそんな私が日常で困っていることの一部をお話したいと思います。

人が近くにいると食事ができない

会食恐怖というらしいですが、周囲に人がいる環境ではまず食事が摂れません。食べようと思っても緊張してしまい、喉を通らないのです。酷い時は吐き気も襲ってきます。ですので、外食はほぼNGです。仲のいい友人と一緒でも、どうしても緊張してしまい食べられません。家族との食事でも、例えば厳格な父と食卓を共にする時にはほとんど食べられません。

現在、就労移行支援に通っていますが、昼食時に人に話し掛けられると胃が縮みあがってしまい、途端に食べられなくなります。人と話すことは好きなのですが、どうしても緊張してしまうのです。医師からは緊張時に使う抗不安薬も処方されていますが、これも緊張を完全に消し去るというわけではないので、やや食べやすくなる程度です。食べ物の種類によっても食べにくさは変わるのですが、現在の昼食は塩味のおむすびを二つだけというスタイルに収まっています。

日本だけではないかもしれませんが、「ご飯を残すことは悪いこと」というような認識が一般的にあるように思います。私もその認識は持っていますが持っているがゆえに、外食しても食べられなかったり、食べられたとしても残しがちであることに後ろめたさを感じる日々で、辛い思いをしています。そういった経緯もあり、外食や会食はしたくてもできないのです。美味しいお店ができたという噂を聞いて「食べてみたい」という思いを持っても、私にとっては叶わぬ望みです。

人が近くにいると用を足せない

トイレで近くに人がいると用が足せません。酷い時は個室に入ってもダメでしたが、今は個室を利用すれば大丈夫になりました。男性であることもあり、男子トイレに個室が少ないのは私にとっては非常に辛いことです。個室でも和式しかない場合は最悪です。

連れションなんていう文化もあるものだから困ることも多々ありました。誰かと一緒になっても用を足したふりをしてきました。学生時代には、誰もいないトイレを探して校内を放浪しているさまを友人に見つかり、怪訝な目で見られたものです。その時はそれが病気によるものだと知らなかったこともあり、適当な言い訳をしてその場をしのいでいました。

以前インターネットで同じような悩みを持った人たちの意見を見かけたので、意外と潜在的に同じ症状に悩まされている人は多いのかもしれません。

宅配や電話の対応が怖い

家に宅配便が来てもでることが苦痛です(実家住まいなので家族が出てくれますが)。電話がかかってきても、でることが苦痛です。とにかく怖いのです。ものは慣れだと思って練習したこともあります。すると意外と特に問題なく対応できるのです。「なんだ、できるじゃないか」とその時に思っても、また次の機会がやって来ると怖くて対応できないのです。

応対する能力が無いという訳ではなく、応対するまでの妄想的な恐怖感・応対した後の疲弊がとても強く、それが慣れによっても大きくは改善されないのです。歯医者に予約するのが怖くて治療を3年ほど放置していたり、役所に問合せするのが怖くて家族にしてもらったりということもありました。医師からは「周囲に協力してもらうのは悪いことではない」といってもらっていますが、大の大人が情けないと自分を責めてしまう事も多々あります。

シャイな人との違いを聞かれる

昔、障害者の採用面接で「社交不安障害とはいうけど、シャイな人と何が違うのか。精神的な病気ってほとんど思い込みでしょ?」と年配の男性面接官に言われたことがあります。診断書も出しているのに、この質問には面喰いましたが、病気との境界線をきちんと説明できるほど、私に知識が不足していたのも事実です。

実際何が違うのかと言うと、社会生活を送る上での困り度の違いやメカニズム的に言えば脳の扁桃体の異常かどうかの違いなどが、その分かれ目になるのではないのかと思います。

さて、ここまで社交不安障害を抱える自分の困りごとを一部お話させて頂きましたが、いかがだったでしょうか。これ以外にも対人場面で頭が真っ白になったり、恐怖感から引きこもりになったり、薬の副作用で眠くなったり、と挙げていけばキリがないほど、社交不安障害に端を発する弊害はあります。今回お話ししたことで、社交不安障害のことを少しでも知ってもらえれば幸いです。

参考文献

医療法人社団 雅会 前田クリニック、社交不安障害、疫学的統計頻度、生涯有病率
http://www.dr-maedaclinic.jp

HSPな30代男性。現在は就職活動中。
病名:社交不安障害・自閉症スペクトラム(グレーゾーン)・パニック障害・うつ病
趣味:ゲーム・音楽鑑賞。FalloutやSkyrim・Witcher3、Babymetalのファンです。

パニック障害・不安障害

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