私が精神障害者という道を選ぶまで

パニック障害・不安障害

unsplash-logo Rafael Morais dos Santos

私が中学3年生の時に不安神経症(不安障害)と診断されました。はじめは直ぐに治るだろう、受験が控えているから神経質になっているからだと周りには言われていました。それから15年、長いおつきあいとなってしまいました。今回はそんな私が精神障害者という道を選ぶまでの経緯をお話しさせていただきたいと思います。

私が体の異変に気がついたのは中学3年生にあがってすぐの4月中旬頃でした。新しいクラスになって緊張もしていたのでしょうが、トイレに行きたくて仕方がなくなってしまったのです。授業の時間は、1コマ50分。もちろん休み時間にトイレに行くのですが、授業中でも我慢できなくなってしまうのです。悪い時には5分も我慢できなくなってトイレに駆け込んだこともあります。そんなことが2週間つづき、私は学校に行くのが怖くなってしまいました。

両親にそう言うと「それは心の病気かもしれない」といって心療科のある小児科を探して来てくれ、そこに診察に行くことになりました。初診の日は、本当に体に異常があるといけないからということで、泌尿器の検査をしました。検査の結果は異常なし。そして、私は「心の病気」と診断されたのでした。

診断を受けてから2週間に一回と通院していましたが、症状は良くならず、私が学校に行く回数は減っていきました。たかが、トイレのことだけだったのですが、当時の私は、みんなにどう思われるだろうか、授業の邪魔になったらどうしようと答えも出ない事に悩んでいました。どうしても「トイレに行かせてください」の一言がいえなかったのです。そうしているうちに私は不登校となり、保健室登校をすることになりました。高校生になっても、症状は改善することなく相変わらず学校にはあまり通えませんでした。

高校3年生の時、進学するかどうか悩みました。なぜなら私はその時バスにも電車にも乗ることができなくて、遠くに通うことが困難だったからです。そこで、通っていた高校の付属の短大に行くことになりました。短大は席が決められていないので、出口の近くで受講しました。90分間と言う長さでしたがトイレに黙っていく人もいたので、私も少し気が楽でした。私が進んだのは栄養士を目指す学科だったため調理実習があるのですが、そこでまた新たな不安が出てきました。それは、包丁で人を傷つけないか、という加害不安でした。周りに危害を加えないか、人を刺したりしないかと思うようになり、夜も眠れなくなりました。不安は包丁を持っている、持っていないに関わらず襲ってきて、しだいにハサミや傘など、調理とは関係の無い物まで広がっていきました。その症状は卒業しても治まりませんでした。そのようなこともあり、そのまま就職せず、自宅で療養をしていました。

短大を卒業して5年ほど引きこもりがちだった私は、そろそろ年齢的にも働かないとまずいと思い、はじめて、ハローワークに行くことにしました。その時は、まだ精神障害者として働くことなど考えもしていませんでした。「まずは職業訓練に行ってみては?」とのハローワークの職員方がおっしゃったので、職業訓練に行き、近くの工場に勤めることにしました。そこで、いじめに遭い、また加害不安が出てきたため10カ月ほどで辞めてしまいました。

そのことを今のクリニックに話すと障害者雇用を目指すのはどうかと勧められました。はじめは戸惑いました。でも、クリニックのカウンセラーの先生に障害者雇用について詳しく説明していただき、自分のことを知ってもらった上で長く勤めたいという思いが強くなりました。

家族の理解も大きかったです。私が障害者雇用を目指していることを伝えても、軽く「いいんじゃない」といってくれました。長年私を見てきていて一緒に乗り越えてくれた家族、そんな家族の言葉だから私も自分に精神障害があることも受け入れられたんだと思います。

本格的に障害者雇用を目指す前にまずは、勤怠の状況を整えるため、就労継続支援B型の事業所に通うように勧められ、通うことになりました。B型での仕事は、シール張りや袋詰めなどの軽作業がメインで、単調でしたが私には苦にはなりませんでした。私の行ったところは精神障害がある人が多かったように思います。症状の重い人、軽い人と様々でした。通所していた1年半は、工賃はそれほどもらえませんでしたが、働くこと事の大変さを改めて知る機会になりましたし、体調を整える良い機会となりました。

私は現在、就労移行支援事業所にて、就職に向けて訓練をしています。障害者手帳も取得しました。不安は消えて無くなったわけではありませんが、毎日少しづつ前に進んでいるような気がします。

青月

青月

不安障害・強迫性障害の30代女性。趣味は漫画を読むこと。好きな食べ物はオムライスです。

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