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発達障がい〜神からの贈り物〜,連載コラム 2018.3.10

人生は思い通りにならない、だから素晴らしい(『発達障がい~神からの贈り物~』第16回)

人生は思い通りにならない、だから素晴らしい(『発達障がい~神からの贈り物~』第16回)
『発達障がい ~神からの贈り物~』 第16回 <毎月10日連載>

私が勤めるA型で職員になって役半年が経とうとしています。本当にこの間たくさんの学びを得ることができ、それに伴い職場の空気もどんどん変わっていく経過を見ることができました。時々問題は起こるものの、利用者の成長をさまざまな角度から知ることができます。

この半年間、私が心がけたものの中で最も根幹的な一つが『何事も自分の思い通りにはならない』という認識の共有でした。突然暴れだしたりふさぎ込んだり、問題行動を起こすそのほとんどの理由は思い通りにならないことへの苛立ちです。この世の中に誰一人として思い通りの人生 を歩んでいるものはいません。この事実を受け入れられると人生は本当に大きく変わります。私だけでなく、当事者活動をされている全ての人たちの共通認識です。

ただし、受け入れというものは多くの人にとって簡単なものではありません。私自身も自分の人生を受け入れるためにおよそ10年の時間を必要としました。しかし、受け入れられなくても、『そういうものだ』という諦めのような感覚が芽生えれば、ただそれだけで見違えるものです。

しかし、感情がコントロールできなくなっている人に『諦めろ』と言ったところで逆効果なのは必然。なので常日頃からこの言葉を私の口癖のように私に言い聞かせるようにしています。 例えば、思うように仕事がはかどらない、取引先から無理難題を言われた、など困ったことが私のみに降りかかったときに、『人生は思い通りにならない』と言いながら、できることの中の取捨選択をする、こういう姿は必ずまわりに影響するものです。自分の近くの誰かが同じ事を言い出すと、その人の近くにも伝染していく。そうすることで私の周りの空気はどんどん落ち着いていきます。

私がこの半年間見てきたのはこの部分です。

皆さん、頭の中で思い描いてください。この世が全て自分の思い通りになったら、それはそれで楽しいでしょう。しかし、きっともっと思い通りにしたいと言う気持ちに支配されてどんどん傲慢になっ ていくと思いませんか?私は過去にラジオの仕事で映画監督の大森一樹さんとお話をする機会が何度かありましたが、彼は口癖のように『映画は思い通りに行くことなんてほとんどない。だからこそ自分で考えて、そうやって良い映画ができ上がる。予算も制作時間も有り余る映画は監督の自己満足の作品になってしまう。予算や時間が限られているからこそ良い物ができるんです。』と、このように話していました。

先日閉幕したオリンピックでもメダルが簡単に取れてしまうものであれば誰が感動するでしょう?思い通りにならないことと向き合って一所懸命努力を重ねてきた後に結果に結びつく、だから人々は魅了されるのではないでしょうか?

エジソンも松下幸之助も、たくさんの失敗を経験してそこから素晴らしい発明を創り出してきました。思い通りにならないことこそ大きな成功に結びつくのではないでしょうか?

人生は思い通りにならない、

これは人生を諦めろと言う意味では決してありません。今目の前にある状況をまず受け入れる、そしてその後何をすべきかを考える、そのために立ち止まる最も良いフレーズだと思いませんか?

あなた自身がこの言葉を生活の中に取り入れられれば、あなたの回りもきっと換わってくると思います。そして自分自身の本当の可能性にきっと気づける、そんな風に私は確信しています。

ライタープロフィール
 Kei スズキ
Kei スズキ

1969年大阪府泉大津市出身 高知大学農学部卒
ディレクター、スタジオ・ミュージシャン、道化師、学習塾経営など仕事は長続きしないながらも様々な分野に挑戦、一方で離婚を経験したことから10年の欝を経験。そののち2013年に発達障害の診断を受ける。現在はさかいハッタツ友の会の自助活動を中心に、自身の経験を活かし、発達障害者の生きがいや生き方についての啓発活動を行う。

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