障害者の就労移行支援事業所ってどんな所?実際に利用してみた体験記

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出典:http://www.photo-ac.com


就労移行支援というサービスがあるのをご存知ですか?筆者が、まだ辛い状態で苦しみ、就職したい気持ちはあるのだけど、何だか不安で社会参加が怖くてならなかった時...。お医者様とソーシャルワーカーの方から、「こんなのがあるよ。行ってみない?行っていやに思ったら、行かなくてもいいから。」と勧められ、それでも筆者は「まだ外に行くのは嫌だな。でも、貯金も使っっちゃてるし、そろそろ頑張らなきゃ。」恐々で正直渋々です。でも、ぐずぐずしてられない現実...。「さあ、行ってみよう」と頂いたカタログを手に4か所見学・体験利用です。

就労移行支援事業所とは?



障害者の就労移行支援とは、障害のある人が一般企業へ就職する時にサポートする通所型の福祉サービスです。身体障害、知的障害、精神障害の他に発達障害や難病の方も対象に、障害者手帳を持つ方も、無い方も医師の診断や自治体の判断などで就職に困難と認められると利用できます。また、サービス内容は各事業所によって様々で、仕事に関する知識やスキルアップ、就職活動のサポートを行っています。また、就職後も長く働き続けられるよう職場への定着支援のサポートも行っています。


さあ、体験利用です



筆者が体験利用した1つめの事業所は病院と併設された就労移行支援所、カリキュラムには教材を使っての学習、PC操作の学習の他、患者様のお食事運び、軽い介助、お洗濯の実習お隣にあるカフェでの、接客、レジ、お運び、厨房での下準備(材料のカットなど)。何だか楽しそうでもあります。ここでは、労働に対してお小遣い程の報酬が頂けるとありがたいお話です。ただし定員いっぱいで待ってる状態でした。

次に体験利用した事業所はPC操作を中心とした、漢字学習、数学学習のカリキュラムでした。失礼かも知れませんが訓練生の方々は、就労を目的というより辛い事が分かり合える皆と楽しくお勉強がしたいな感を強く感じて...素敵な事ですが...。これはあくまでも筆者が感じたイメージで、人それぞれによって向き不向きがあると思います。生活のため、また年齢的にも早く就労したいと希望する筆者の求めているものとは異なっていました。

もう2つは、PC操作中心に、漢字学習、数学学習、就職活動に必須の書類作成の勉強、尊敬語、謙譲語などの社会でのマナーの学習カリキュラムでした。そのうち1つは模擬就労といって、実際に就職したと仮定して、お仕事を訓練生が分担して1つのものを仕上げてゆくというプログラムもあり、筆者の早く就職したいという目的の気持ちに合ってました。

2つで悩んだのですが、就労後の長期定着支援のサポートにしっかりと取り組まれている就労移行支援事業所「チャレンジド・アソウ大阪事業所」を利用することに決めました。


就労移行支援事業所に通う日々の始まりです



最初は大変緊張しながら通いました。若い20代〜30代の方々の中に同年代の方がちらほらと..少し心細い思いも。でも、若い方も最初はお互い硬くなって、気を使い合ってますが、そこは女性同士、可愛い持ち物やテレビ番組の話に花が咲き、だんだんとリラックスしながら、日々にカリキュラムを受けることができました。

また、朝早くからの通所は、初めは辛かったのですが、1週間もすると身体も慣れて、朝の食事、身支度も自分なりにペースがつかめるようになりました。日々の訓練もPC操作の練習、就職活動の為の書類作成、要点を要約してメモに取る訓練など充実していました。そして、また、企業インタビューというプログラムもあり、大手の企業を訪問して仕事内容や障害者雇用に関して取材する機会もありました。筆者はカメラマンを担当しました。このように多くのカリキュラムをこなして、日々忙しくするうち段々と元気な頃の自分の感覚が戻ってきたのでした。

特に、「アサーション」というカリキュラムは、「相手もOK、自分もOK」がコンセプトで、筆者にとって必要であり面白く勉強になっています。言いたいことが言えず、仕事場での人間関係で段々辛くなる自分。そんな悩みを解決するのに役立っています。上司や同僚に対して、相手の気持ちや立場などその場の空気を考えて発言や行動を行う練習をしています。

少しずつ就職活動への力が湧いてきて、恐怖心も薄らいできました。通所も楽しくなっています。同じ辛さを抱えた仲間たちの存在は大きな支えで心強いです。



筆者が通所してる就労移行支援事業所チャレンジド・アソウ大阪事業所のスタッフの方々は、訓練を行うだけでなく、とても筆者のことをよく見て頂いています。つい、業務に没頭してしまうと周りの事が見えなくなってしまう面、頑張りすぎて、後になってエネルギー不足して疲れてしまう面、その度、「力入り過ぎですよ。続かないですよ。」「休むことも仕事のうち」「長く仕事に定着しましょう。」と声を掛けてくださり、「そうそう、肩の力を抜いて、少しずつ前へ進もう」とホッとします。1人暮らしの私にとってはおかしな言い方ですが、心地よい距離感のある小さな家族のようでとても有り難く感謝の気持ちでいっぱいです。

就労移行支援事業所の特徴はそれぞれです。まず、足を運んで体験してご自分に合ったところを見つけましょう。就職で悩んでる方、一人で心細くありませんか?「助けて、どうしたらいいのだろう」と手を伸ばしてみてください。きっと差しのべられる温かな手に出会うでしょう。さあ、就職に向けて一歩踏み出してみましょう。

まつみや ちかこ

まつみや ちかこ

不安障害、不眠症、抑うつ病が20歳代から軽症で出はじめ、ここ10年ほど前より病気のことを強く意識するようになりました。病気を治すのに、ヨガ、ウォーキング、漢方薬など試したりし徐々に回復しています。
現在、就労移行事業所へ通所しながら就職活動中。就職し好きな事の1つのゴスペルを歌う事をまた始めたいと思っています。癒しのバハマでのドルフィンスイム体験と、1か月かけてのアメリカ大陸縦断の旅は、一生涯忘れられない貴重な思い出です。

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