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就労移行支援事業所に通ってみて思ったこと〜2018年を振り返って

就労移行支援事業所に通ってみて思ったこと〜2018年を振り返って

unsplash-logoDuy Pham

皆さんにとって2018年はどんな年でしたか?2018年も自然災害などいろいろなことが起こりましたが、私にとっては「就労移行支援事業所(以下、就労移行)に通い始めた」年でした。皆さんの中には、就労移行に通ったことがなく、就労移行がどんなところかイメージできない方もいらっしゃるかと思います。今回は、私が就労移行に通ってみて思ったことをご紹介したいと思います。

発達障害者にそこまで悪い奴はいない

私は主治医の先生に勧められた就労移行に体験で通い、気に入ったので、そのまま正式メンバーになりました。主治医の先生からは、「(私が通っている)就労移行は大人の発達障害を専門にしているところで、オリジナルテキストが充実している」と聞いていましたが、通い始める前は就労移行がどんなところなのかが全くイメージができませんでした。

3月16日に初めて行き、3月中は体験期間でした。通い始めて早々に他の利用者の方が親しく話しかけてくれたので、嬉しかったです。3月、4月は利用者の方々の顔と名前が一致するようになり、みんなと仲良くなることを心掛けました。その甲斐あって、5月にはみんなと仲良くなり、すっかり馴染めるようになりました。

それ以降も、新しいメンバーが次々と入ってきましたが、真面目で素直な方が多いです。今では、私は「発達障害者にそこまで悪い奴はいないんじゃないか」と思っています。利用者一人一人から直接聞いたわけではありませんが、「みんな、私と同じように、障害特性のために、今までいろんな苦労をしてきたのだろうなあ」と思います。

私が高校受験に失敗した1994年の2月に、NHKでリレハンメル冬季五輪が放送されていました。その時のテーマソングだった高橋真梨子さんの「遥かな人へ」という歌に「苦しみの数だけやさしくなれるはず」という歌詞があり、印象に残っているのですが、「それは本当だったんだな!」と今は思えます。

楽しかったグループワーク

就労移行に通い始める前は、「自閉症スペクトラム障害がある人はコミュニケーションが苦手という障害特性があるので、訓練では、テキストに載っている挨拶などの決まり文句を覚えるのだろうか?」と思っていました。勿論、挨拶の決まり文句を覚えることもしますが、朝礼で7つの基本的な挨拶をみんなで発声するだけで、それがメインではありません。

私が通っている就労移行には3つのコースがあります。最初はAコース(と便宜上呼びます)で学びます。Aコースで習得する内容は、勤怠の管理や日常生活における心身のコンディションの整え方(セルフケアチェックや日誌、ストレスコーピングやアンガーマネジメントなど)、職場での自分の負担を減らすための思考法(コントロールフォーカスやリフレーミングなど)や職場で協調して働く能力を身に着けるためのグループワークです。

Aコースで楽しかったのは、グループワークです。6月から7月のグループワークでは「地図プロット」という作業を行いました。「地図プロット」とは、一つのグループ内で、主にタイムキーパーを行うリーダーとインターネットで住所を調べるパソコン担当と地図にシールを貼る担当を決め、与えられた地図に掲載されている公立の施設を出来るだけ多く探す、というものです。最初のうちは「大阪市内の公立小中学校」でしたが、何回か行ううちに難易度が上がり、「大阪市内の放課後等デイサービス」に課題が変わりました。この「地図プロット」を行った時に私が所属したグループのメンバーがしばらく同じだったため、グループで一緒のメンバーと仲良くなり、団結力を発揮することができました。

グループワークで気をつける点として、「他者の意見を無視したり、否定したりしないこと」「思うような結果が出なくても、自分や他者を責めないこと」を始める前に伝えられます。おかげで他の利用者の方々と仲良くなれましたし、こういったことは就職してからもとても大切になってくると思います。

難しかったExcelでの作業

Aコースで1ヶ月間、「週5日、無遅刻・無欠席・無早退」を継続できれば、パソコンのスキルや企業実習などの就職した後に必要なスキルおよび実際の業務を想定したスケジューリングを習得するBコースに移行します。7月までは、慣れない通所で疲れて休んだり、風邪をひいたりしていたので、この条件を達成するのに結構苦労しました。

Bコースでは、ExcelやPowerPointを使用してデータ集計をしたり、レポートを作成したりするのですが、初めて使うExcelには大苦戦し、前半が終わった時に出た評価は芳しくありませんでした。しかし、後半はだいぶExcelにも慣れ、後半が終わった時の評価は少し上がりました。今ではテキストを購入して自主的にExcelの勉強をしています。

Bコースで5つの達成条件をクリアできれば、実際の就職活動を行うCコースに移行します。Bコースの達成条件は「企業実習に参加すること」、「強みとなる3つの業務を見つけること」、「苦手な業務とその対策を見つけること」、「ナビゲーションブック(実習先や面接を受ける企業に提出する配慮依頼書)を完成させること」、「Bコースの他の利用者の障害特性を理解し、配慮できるようになること」です。私は現在、Bコースで学んでいますが、最後の条件がまだまだ達成できていないように思えます。2019年の1月中にはCコースに移行できるように励みたいです。

賃金以外には特に不満はない

私は、就労移行に通う前、そして通うようになってからしばらくは、「障害者として生きていく」のが嫌でした。私には年子の弟がいて、その弟も障害者枠で就職したので、障害者雇用で就職したら賃金が低いことを両親から聞かされていたからです。「収入が低かったら、自分と結婚したいという女性は現れないだろう」と絶望したこともありました。

しかし、就労移行に通っていろんな方と話をし、3つの会社で企業実習を体験してみて思ったことは、障害者として生きることについて賃金以外に何か不満があるかと言われれば、特にないということです。今までのコラムでも述べてきましたが、未来は自分次第である程度コントロールできますし、結婚できないと決まっているわけでもありません。就労移行に通い始めて9ヶ月が経ち、「私の人生はこれからだ!」ということを忘れずに生きていきたいと思えるようになりました。

ライタープロフィール
サンライズ
サンライズ

40代の男性。2年生で高校を中退。その年にメンタルクリニックを受診し、抑うつ状態と診断される。うつ病と闘い、自身の発達障害を疑いながら博士課程に進学するも、博士号は取れずじまいで単位取得満期退学。これを機に、それまで主治医の方針で「疑い」のまま保留になっていた自閉症スペクトラム障害の診断を受ける。現在は一人暮らし。趣味は読書、音楽(邦楽)観賞、YouTube、クイズ番組を観ること。

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