発達障害のグレーゾーンとは?~障害者でも健常者でもない領域

発達障害

出典:https://www.photo-ac.com

グレーゾーンとは一般的に白黒のつかない、あいまいな領域・状態を指す言葉です。
今回は発達障害において用いられるグレーゾーンについて紹介していきたいと思います。

いったい何がグレーなのか

発達障害のグレーゾーンとは、健常者を白、診断を受けた発達障害者を黒とすると、その間の白黒はっきりしない領域の俗称です。明確な線引きがないので、グレーゾーンの人は発達障害に当てはまる特性を持っていても、そうだと断定できない状態にあります。「はっきりと診断ができない程度なら診断された人よりはマシ」と思われがちですが、だからと言って生きづらくないわけではありません。グレーゾーンの人も診断を受けた人と同様に個人によって様々な特性が表れます。

見えにくい『灰色』

グレーゾーンの特徴は(通常の発達障害以上に)その特性に周囲も、本人も気づきにくい点です。知的な遅れが少なく、ある程度“できてしまう”ため、社会に出て問題が起きて初めて自覚することも多いです。中には発達障害が原因と思わず、うつ病などの他の精神症状を疑った「重ね着症候群」の人もいます。また、グレーゾーンは状況によって症状の有無や程度が変わるという特徴を持ちます。これらの特徴によりグレーゾーンは周囲に気づかれにくく、また気づいても大して問題ないと無視されてしまう傾向にあります。その結果、周囲とのズレが大きくなり、明確に発達障害と診断される領域にまで特性が強くなってしまう可能性があります。

無理解が生む二次障害

発達障害だと気づかず適切な対処をしないままでいると、二次障害を引き起こす恐れがあります。誰も配慮してくれなくてストレスになっているわけです。具体的にはうつ病などの精神疾患は勿論、周囲とのズレからくるいじめ、不登校、ひきこもり、アルコール依存症などで、根本的な理由が分かっていないので「どうせ自分なんて」と卑下しがちです。二次障害も適切な対処を怠ると悪化・長期化し、最悪暴力行為や自傷行為に及ぶ危険性があります。筆者も今は診断を受けているのでグレーゾーンではないものの、いじめや不登校の状態に何度かなった経験があります。発達障害と違って二次障害は後から来るもの、事前に手を打てるならそうした方がいいに決まっています。

最近では悪いイメージを持たれがちなグレーゾーンという表現を避け、パステルゾーンと呼ぶ動きもあります。都合が悪いからと無視してもどうせ一生付きまとうもの、見て見ぬふりをせず自分や子どもと向き合い理解することが必要です。

参考文献

LITALICO発達ナビ 発達障害におけるグレーゾーンとは?特徴や注意すべきポイントのほか、支援、療育について紹介します!
https://h-navi.jp/

株式会社Kaien 発達障害「グレーゾーン」「傾向がある」の真意
http://www.kaien-lab.com/

小田井メンタルクリニック 重ね着症候群について
http://www.otai-mental.com/index.html

全国青少年教化協議会 発達障がい?それとも個性?―「グレーゾーン」の子どもたち―
http://www.zenseikyo.or.jp/

mamatenna ~わが子が「グレーゾーン」と言われたら~
https://www.mamatenna.jp/

PRESIDENT Online 空気が読めない人は「大人の発達障害」か
http://president.jp/

カゴマ

カゴマ

男性、20代。大阪府在住。大学中退後およそ半年前に発達障害と診断を受け、現在は就職に向けて就労移行支援事業所にて訓練中です。とりあえずの目標として平成が終わるまでの就職を目指しています。趣味はゲームやアニメでしたが、最近は思うようにその時間がとれず、何が好きなのかわからなくなりつつあります。

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