はじめての就労継続支援事業所でのボランティア体験~利用者と反対の立場になって気づいたこと

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出典:https://www.photo-ac.com

これからお話するのは、私が就労継続支援B型事業所に通っていた時に、主治医から、「今までとは違う環境に身を置いてみてください。そのために何でもいいのでボランティアに行ってきてください。」と言われ、職員さんが知り合いに頼んでくれ、同じB型事業所へボランティアに行った時のお話です。行く前に私はボランティアについて調べていませんでしたが、今となって調べてみるとボランティアの心構えたるものがちゃんとあるのだなと思いました。心構えと、ボランティア体験談についてお話したいと思います。

ボランティアの心構え(7つの心得)

①約束は守る。
ボランティアだからといっても無責任でよいというわけではない。責任を果たすことは約束を守ることからスタートする。

②報告、連絡、相談(ホウレンソウ)を実行する。
お願いされた仕事が完了したときは報告する。予定に変更などが生じた時は連絡する。困ったことが起きたときは相談する。

③秘密は守る。
多くの人と出会い活動する中で知りえる情報があるはず。活動の輪を広げるために活動内容を紹介することは大切です。しかし、特に個人のプライバシーに関する情報は他の人に話してはいけない。

④積極的に行動する。
いろんなことを知るためには自分から進んで行動しなくてはいけない。 一見地味に見えることでも、あなたの価値観を変えてしまうことが待っているかもしれない。

⑤「私が中心」じゃダメ。
「ボランティアをしてあげている」という態度から相手の気持ちをなおざりにしない。してあげているという考えは捨てよう。相手の意見をきちんと聞こう。

⑥安全第一を心がける。
無理せずにできることからスタートしよう。施設の中の設備には無断で触れないようにしよう。

⑦百聞は一見(験)にしかず。
「百聞は一見(験)にしかず」「気づこう」とすることからスタートする。気づいたことについて仲間や関係者と話し合おう。

ボランティアの内容

私が行った事業所は精神疾患の方が働いておられました。病院に併設して事業所があり、仕事内容は大きく4つに分かれていました。食堂の運営、内職作業、入院患者さまの衣類の洗濯・運搬、病院外のそうじ(新聞、空き缶集め含む)でした。私がさせてもらったのは、内職作業、衣類の洗濯たたみ・運搬、食堂のお手伝いです。各お仕事をさせてもらっての感想を書かせていただきます。

①内職作業
作業自体は決められたところにシールを貼ったり、数を数えて袋に入れたり、検品をしたり、そんなに難しい訳ではないのですが、内職は根気がいります。ひとつの作業を何時間もするので(1時間に1度10分休憩あり)正直途中で飽きてしまいます。また、商品の納品も職員1名、メンバー1名、2人1組で車で行きます。体力がいります。コツコツとするほうがいいという人やもっと動きたいという人に分かれると思います。向き、不向きがありますね。私はもっと動きたい派なのですが、ボランティアなので頑張りました。

②衣類の洗濯たたみ・運搬
入院されている患者さまの衣類を洗濯し、きれいにたたみ、病棟まで運ぶという作業です。たたみ方も各病棟ごとに決まっており、初めはたたみ方を覚えるのが大変でした。貼りだしている紙を都度都度チェックしていました。メンバーさんでベテランになると紙を見なくても病棟を聞くだけでパパッとたたんでいました。さすがだなと思いました。運搬の仕事はすごく体力がいり、疲れます。大きなケースに洗濯物を入れ、ひもで引っ張って運ばないといけないので、重いしなかなか動いてくれません。夏ということもあり、運び終わるとクタクタで、もう汗びっしょりです。

③食堂のお手伝い
食堂では、お客様から注文を聞いたり、食事を運んだり、片付けたり、お会計をしたりといった仕事です。私は飲食業で働いたことがなかったのでけっこう大変でした。何番テーブルの人が何を頼んだのかメモにとってはいるものの混乱したり・・・。お昼時は混雑するので余計に焦ってしまい、ミスをしそうになりました。ベテランの方は忙しくてもテキパキと行動できていてすごいなと思いました。また、食材の買い出しも大変だろうなと思いました。

ボランティアをしてみての気付きと思い

私自身もB型事業所に通っていたということもあり、思うのですが、やはり精神疾患とひとまとめに言っても人それぞれ症状も違うし、人間だから得意・不得意だってあります。そんな人間同士が集まってひとつの作業をしていくことは、簡単ではないなということです。個人でする作業はともかく、流れ作業の場合は特にそれを感じました。いつもは私自身メンバーという立場で仕事をしていますが、今回はボランティアなので、人が足りていないところや仕事がたまっているところに気付いて、その作業をしなければいけません。そういう意味で普段あまりわからなかった職員さんのすごさが少しわかったように思います。

そしてもうひとつ思ったことは、けっこう大変な仕事なのに工賃が安いなということです。工賃だけではとうてい生活はできないわけで、みなさんそれぞれ福祉サービスや年金などももらいながら生活されています。B型作業所では工賃というかたちでしかできないものなのでしょうか。そして、みなさん言われるのが一般社会で働きたいと。思いはあってもまだまだ制度や対策など整っていないのが現状でしょうか。ですが、今あるものの中からステップアップを目指していけたらいいですね。みんなが働きやすい世の中になるといいなと思います。今回はボランティアに行って感じたことを書いてみました。お読みいただきありがとうございました。

参考文献

ボランティアの心構え(7つの心得)
http://www.uruma-shakyo.net/index.php?id=528

ごろにゃん

ごろにゃん

30代、独身、女性。29歳の時、営業事務として働いていた時に、自分には関係がないと思っていたうつ病を発症。4か月の休職を経て復帰するも良くならず、会社の人員削減のためもあり、会社都合の解雇になりました。それからひきこもり生活が始まりました。ひきこもり生活の中で、いろんな感情と向き合い、自分とも向き合いました。現在は、社会復帰を目指して奮闘中です。

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