パラリンピック・サイクリング編~パラサイクリングのルールは?
スポーツ東京パラリンピックの種目であるパラサイクリングを紹介させて頂きます。他の競技にはないスピーディーで迫力あるレース展開が繰り広げられます。二輪車・三輪車・ハンドサイクルなどさまざまな種類の自転車があり、視覚障害、肢体障害を対象としています。
パラサイクリングの障害によるクラス分け
パラサイクリングはUCI(国際自転車競技連合)の規定する競技規則のもと行われる障害者の自転車競技です。参加する選手は障害の種類と使用する自転車により4つのクラスに分けられ、さらに障害の度合いにより分類されます。選手の障害の種類は大まかに1~5まで分けられ、各クラスでも数字が小さいほど、障害が重くなります。
障害の種類により、通常の二輪自転車、三輪自転車、タンデム(二人乗り自転車)、ハンドサイクル(クランクを手で回して寝そべって運転する)4種類の自転車を使用します。 *この障害の程度は、あくまでも自転車に乗る能力(四肢障害やバランス感覚)を考慮して国際自転車競技連合が定めたクラス分け基準に則り判定されるものです。四肢障害がそれほど重くないなど、国際自転車競技連合の基準に適合しない場合はパラサイクリング競技の選手として認定されません。
競技クラスの説明
自転車の種類による部門分けは4つあります。それぞれ、「二輪自転車(Cクラス)」、「三輪自転車(Tクラス)」、「ハンドバイク(Hクラス)」、「タンデム自転車(Bクラス)」です。
Cクラス・・・通常の二輪自転車。C1~C5の選手(切断や麻痺など四肢や体幹に障害がある)が対象で、通常の二輪自転車を使用します。
Tクラス・・・三輪自転車。麻痺などの重度の四肢障害障害の程度によりT1、T2に分類されます。
Hクラス・・・ハンドバイク。下半身不随など、障害の程度によりH1~H5に分類されます。
Bクラス・・・タンデム自転車(複数のサドルとペダルを装備し、複数人が前後に並んで乗り同時に駆動できる自転車です)視覚障害者が該当します。前に健常者の選手(パイロット)、後ろに視覚障害の選手(ストーカー)が乗ります。
選手はそれぞれの特性に応じた自転車で競技を行います。上下肢切断、脳性麻痺などの選手は、二輪自転車に乗ります。障害の状況によっては、ペダルと義足が固定できるように改良することが認められています。
より障害の重い選手は三輪自転車を使用します。三輪自転車であれば、体幹に障害があっても、バランスをとりやすくなります。また、下肢に障害を持つ選手の場合は、足でペダルを漕ぐことができませんので、上肢で車輪を回すハンドサイクルを使用します。(ハンドサイクルのクラスはロード競技のみ)
視覚に障害を持つ選手は、二人乗り用のタンデム自転車を使います。前の座席に目が見える「パイロット」が乗り、後ろには視覚障害の選手が乗ります。タンデム自転車のペダルは前後が連動して動きますが、ハンドルは前の座席だけが動き、後ろは固定されています。安定走行のために、後部座席に乗る視覚障害の選手は、前席のパイロットが踏むペダルのリズムに合わせて脚を動かします。またコーナーを曲がるときは、ハンドル操作に合わせて体を左右に傾ける必要があります。
競技種目の説明(ロードレース・トラックレース)
パラサイクリングの種目は大きく分けてロードレースとトラックレース2つに分けられ、それぞれタイムや着順を競います。
トラックレースは、タイムトライアル、パーシュート(団体追抜競走)、1000mと500mのスプリントレースなどがあります。スピード感があるレース展開が繰り広げられます。
ロードレースは、一斉にスタートし、最初にゴールをした選手が勝利するシンプルなレースです。距離は数十キロからクラスによって100㎞にも及び、その中で壮絶な駆け引きがが繰り広げられます。レースによってはゴール直前で勝負が決まることがあり、最後まで目を離せないレースです。
伝統的に自転車競技は欧州が強いですが、リオパラリンピックでは中国選手もかなり健闘しています。東京パラリンピックでの日本選手の活躍期待が寄せられます。
【一般社団法人日本パラサイクリング連盟】
http://www.jpcfweb.com
【パラサボWEB】
https://www.parasapo.tokyo
【ウィキペディア ハンドサイクル】
https://ja.wikipedia.org
【NHK アニ×パラ】
https://www.nhk.or.jp
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