発達障害がある私の過集中と多動性の対処法①~障害特性を個性に!
仕事 発達障害私の障害は広汎性発達障害と注意欠陥多動性障害ですが、集中し過ぎて何時間もぶっ通しで作業する時もあれば、集中できない時はじっとしていることが非常に苦痛な時もあります。つまり、過集中と多動性が自分の中で同居している状態です。それでも、最近は就労移行支援での訓練の成果か、自分の障害特性である過集中と多動性を、場合に応じて使い分けができるようになってきている気がしています。「抑制」ではなく「利用」することが今回の話のポイントです。
治そうと思わなくても良い
サラリーマン時代の私は、好きな仕事だと、こだわりの強さも手伝って終電ギリギリまで作業に没頭していましたし、逆に若かった頃は、職場の雰囲気や業務内容にどうしても馴染めず、作業の途中でも居たたまれなくなって、上司や先輩に断りもなく外へ出て歩き回ることもありました。どちらの場合も、とんだ「困ったちゃん」ですよね。当然、どちらもやめた方が良いのは明白です。しかし、過集中とか多動性を否定する必要はないと考えています。しっかり自己肯定しましょう。たとえは良くないですが、犯罪者が捕まったニュースで「この能力を正しいことに使えば良いのに」ってコメントをよく聞きますよね?私は、自分の中の過集中とか多動性を上手に利用できるようになれば、社会のために役立っていると実感できたり、さらに人生を楽しめるようになると思います。
そこで、過集中と多動性に対して、私は次のように使い分けています。
過集中との付き合い方
就労移行支援での訓練に励んでいる今でも、私はついつい時間を忘れて作業に没頭してしまいがちです。自習に集中するあまり、休み時間が過ぎ去って、気が付いたらプログラムの時間になっていることが多々ありました。作業しているうちに時刻を確認するのを忘れ、プログラム開始を伝えるスタッフの声が聞こえて「こんな時間なっていたのか」と驚くのです。ある時、そんな私の様子を見た他のメンバーが「自分も以前は過集中になってしまっていたけど、時計を買って目の前に置いておくと効果がありましたよ。時計なら100均で売ってるし、もし良ければやってみてはどうでしょう?」とアドバイスをくれました。早速、その日の帰り道に100円ショップで置時計を買ってみました。障害特性の一つであるこだわりの強さが発動して、時計選びに30分もかけてしまいましたが。それでも、気に入ったデザインの時計が買えたので、次の日の訓練が少し待ち遠しくなりました。
作業中、目の前に時計を置くように心掛けて1ヶ月程ですが、まだ完全に時間管理ができるとは胸を張って言えないものの、私の過集中はかなり抑えられるようになりました。その結果、過集中の反動で疲れるもなくなってきました。こだわって選んだお気に入りのデザインなので、集中して作業に取り組んでいても、ついつい時計に目をやってしまいます。ですから、以前よりも時間管理がやりやすくなりました。私の障害特性である「こだわりの強さ」も、ここではかなり役に立ったと言えそうです。
多動性との付き合い方
注意欠陥多動性障害でもある私は、何か調べ物をしていても、興味のある単語が目についてしまった場合、いつの間にか、本来の目的とは全く違うテーマについて調べていることもよくあります。例えば、自分の障害について調べていたつもりが、気が付いたら観光名所について調べていたりするのです。仕事では明らかに問題行動ですが、プライベートでは「そういう部分があっても良いのでは」と最近では考えられるようになりました。友人から「あなたは知識の幅が広いですね」と言われ、それはきっと「注意欠陥多動性が招いてくれた財産に違いない」と感じられたからです。昼休みなどではじっとしていられず、よく散歩に出かけるのですが、散歩の途中で良いアイデアが閃くことが多々あります。多動性を気分転換に利用できている気がします。
キーポイントは「時間を意識する」
このように、時と場合に応じて自分の障害特性を使い分ければ、作業効率が上がったり人生を楽しむことができると思っています。どちらも時間を意識してさえいれば、障害特性を抑えようとするのではなく「どんどん発揮していこう!」と考えても良い気がします。このように考えて行動すれば「障害を個性に」できるのではないでしょうか。
発達障害 注意欠陥多動性障害(ADHD) 広汎性発達障害