就労移行支援事業所に通所して変わったこと
暮らし就労移行支援事業所とは一般企業への就労を目指す障害や病気を持った方をサポートしてくれる福祉サービスの一つです。私が通所している事業所では、体調安定から就職活動までサポートして頂いています。就職後のフォローも行って頂ける様です。具体的には、平日週5日10時から16時まで通所します。人によっては週3日から午後からなど、その方の体調次第で計画を立てます。通所中では個別のパソコンを使用したExcelやWordのパソコン研修や報連相などのコミュニケーション力を養う仮想業務(グループワーク・個人ワーク)、ストレスマネジメント研修、ビジネスマナー研修などです。
就労移行支援事業所に通所する前の生活
私は前職を4ヵ月ほど休職した後退職してしまいました。休職中は何も出来ず、何もやる気が起きずに、実家でただ寝て、ご飯を食べて、また寝るという日が続きました。家庭内の問題もあったのでストレスの溜まる日々が続きました。その中で鬱転、躁転を繰り返しました。一日中布団から出られない日があれば、やる気に満ちて外出し浪費をする活動的な日もありました。特に躁転している時は危険で疲れを全く感じませんでした。気温30度を超える暑い夏の日でも一日の間に平気で山を上って下山後に休憩も取らずに美術館へ行き、徒歩で1時間かけて帰宅するなど普段の自分の体力では到底出来ない活動をしていました。鬱転している時は家にいるので家族も気付きやすいかもしれませんが、躁転している時は元気で、外出していることが多かったので家族の目も行き届かないので危険でした。
就労移行支援事業所に通所するようになってからの生活
就労移行支援事業所に通所してからは土日祝日以外は毎日7時に起きて8時に出発、18時前後に帰宅して23時は就寝するという生活リズムが習慣化したので、通所前に比べるとかなり体調も安定しました。通所してからは躁転、鬱転することはまだ一度もないです。また、毎日電車で通所するため、徒歩で家から駅まで、駅から事業所までと往復で合計1時間ほど適度に運動することが体力向上につながっていると思います。また、自身の病気の理解を深めるという点で、職員の方にご協力頂きながら症状の一覧をまとめました。通所前の生活の重症度に気付けたことも職員さんから第三者の視点で見て頂いたからです。自己理解が深まり就職活動やその先の生活にも活かせる気付きだと思います。
就労移行支援事業所への通所前と通所後の自身の変化
通所前は病気のことを受け入れることが出来ず、自分で自分を追い詰めて、勝手に孤立していました。通所して環境に徐々に馴染めるようになってからは、同じ障害を持った人達や違う障害や病気を持つ方との意見交換ができ、自分だけじゃないんだという安心感と心強さを持つことが出来ました。病気のことを自己開示でき、病気であることを受け入れることが出来ました。病気を通して失ったものもありますが、得たものも大いにあります。病気がきっかけで離婚を経験して精神的に傷付いたことはありますが、これからの人生は自分で選択出来ます。家族のために収入条件を優先して仕事を選ぶ必要もなくなりました。自分の身の丈にあった仕事選びが出来るのです。また、病気になったからこそ病気や障害と向き合っている人の気持ちが少なからず分かるようにもなったと思います。健常者として働いていた時は自分で使えるお金があったので、欲しい物が買えましたし、外食も好きなだけ行けました。物理的な豊かさはありましたが、平日も休日も仕事に追われ精神的な余裕は無かったです。事業所に通所している期間に自身の価値観を見つめ直し、自身に必要なのは精神的な豊かさやゆとりだと感じました。今は病気のことはオープンにして就職することを目指しています。
身体が資本と言いますが病気の経験を通じて本当にそう思います。身体を壊してまで仕事をすることはないと私は思いますし、家族や友人、先輩にも同じくアドバイスを頂きました。価値観によりますが、仕事はあくまで人生の一部であって全てではいないです。今障害や病気で悩んでおられる方は一人で抱え込まず周りに相談してみて下さい。話すことで新たな知見が得られます。
参考文献
就労移行支援事業所とは?障害がある方の就職に役立つ?対象者や利用料金、利用方法、選び方を解説・LITALICO仕事ナビ
https://snabi.jp/