嫌な事を思いだす〜PTSDについて
パニック障害・不安障害人は誰しも思いだしたくない過去を持っていると思います。仕事の失敗・怪我をした・病気になってしまった。様々な事が人生に降りかかってきます。人の心は一度傷つくと見た目では回復しているように見えていても、傷は残ったままなのです。最近よく聞くPTSD(心的外傷後ストレス障害)も嫌な事を不意に思いだすことで発症してしまうのです。それらについて考えてみたいと思います。
嫌な事を思いだす・トラウマ
過去に経験した嫌な出来事がトラウマになってしまうと、それが何年たっても頭の中にこびりついて離れない。昔の嫌なことを思いだすのが癖になっているのは、なぜなのでしょう?朝起きたときから、寝ている時に夢に出て、急に起きてしまう事がある経験をお持ちの方もおられるでしょう。自分の人生の中で経験した嫌なことを思い出してしまうと、苦しいことです。思いだしたくない経験がフラッシュバックし、イヤな気持ちを、今の自分が再体験してしまうこと。これが酷くなると、体にまで不調をきたす。こうなると自分自身で解決するのが難しくなってきます。体の異変に気付いて内科などに行っても原因は見つからず、悩む方も多いと思います。また精神科に通っても病名がはっきり分からない事もあります。もしかしたら既にうつ状態なのかもしれません。
嫌な事を思いだす原因と対処法について2
朝起きた瞬間から、過去の辛い経験や直近の悩みを思い出したり、考えたりするクセがある場合、自分への声かけをすることが大事です。なぜ嫌なことを思い出すのか、原因を考えると同じ思考を自分自身でグルグルと考え込んでしまうクセなのです。考えていないつもりでも頭の片隅にグルグルと渦巻いているのはうつ状態のクセなのです。無意識に自分で嫌な事を探しに行って再体験しているのです。かなり苦しいことです。これがさらに進み昼夜問わず思いだしてしまうのが【トラウマ・PTSD】になってしまうと根深いものがあります。嫌な事を思いだしてしまうのを防ぐにはどうしたらいいでしょうか?少なくとも、今は違うんだと言い聞かせることが大事になっています。仕事の失敗についても、今は失敗していない・今は上手くいっていると言い聞かせてあげることが必要になってきます。嫌な記憶が既に過ぎ去った過去ということを意識してあげることが大事だと考えております。過去は過去、今は今と切り替えることが出来るまでが中々難しいと思います。
心の傷になることと精神力の強さは無関係で感じるか感じないかが問題
精神力が強ければ、心の病にはならないと考えている誤った精神論がまだまだ世間では蔓延していると感じています。それは間違った認識だと思います。日本は非常に自然災害が多い国です。実際に私も阪神淡路大震災に災害派遣に派遣されました。(当時、自衛隊に所属していた為)当時は学校を卒業してから入隊して半年間の新隊員教育が終わる直前でした。訓練期間が終わり部隊配属後2時間後に災害派遣で神戸へ出発していました。被災地に到着すると生存者の捜索は終わっており、遺体の捜索と収容が主な任務でした。最初驚きは100あっても次の日には半分になり、次第に何も感じなくなっていました。無意識に心のスイッチを切っていたのだと思います。被災者に対しては心のケアが言われるなか、実際に活動していた関係者には特に何かケアがあるわけではあったわけではありませんでした。あれから大分年月が経ちました。それまで無意識に、被災地へ行く事を避けていました。用事で行くことがあって立ち寄ったのは、20年近く経ってからです。自分が災害派遣でいた場所の様変わりに唖然としました。自分の記憶では、潰れた家屋、波打った道路、腐敗臭が強く鮮明に焼き付けられていたのです。今も予備自衛官として毎年訓練に出頭しています。災害派遣の任務の一つです。出頭命令が出れば、また行く事になるでしょう。何故行くのかと問われるとこう答えます義務だからです。これまで何件かコラムを書きましたが、一番伝えたいのは権利を主張する前に義務を果たせです。
人生において辛い事も多いです。嫌な事を思い出してしまう場合、そこには劣等感や恐怖感が有ります。あの時こうすれば良かった・こうされたかった等いつまでも解消されない気持ちがあります。自分の味方は自分しかいないのです。過去に戻る事はできません。過去を変えることも、他人を変えることも出来ません。しかし、自分を変える事は可能なのです。自分自身が常に味方であることを思い自分を見失わないことが大事だと考えています。
パニック障害・不安障害