ゲートキーパーという言葉をご存知ですか?〜自殺を防ぐために
暮らしJose Aragones
ゲートキーパー(こころサポーター)とは?自殺のサインに気づき、適切な対応を出来る人の事で、簡単に言えば「命の門番」とも位置付けられる人の事です。市町村によっては無料で講習受けることが出来、決して難しいことでは無いのです。
ゲートキーパーの役割について
ゲートキーパーという言葉を初めて聞く方もおられると思います。一体どんな事をするのだろう?と思われる方も多いと思います。簡単な説明ではありますが、このコラムを通して理解が深まればと思い書かせて頂きます。
ゲートキーパーの役割
・気づき 家族や仲間の変化に気づいて、声をかける
・傾聴 本人の気持ちを尊重し、耳を傾ける
・見守り 温かく寄り添いながら、じっくりと見守る
気づきでは、些細な事、例えば食事量が減った、普段より疲れた顔をしている、ため息が目立つ、口数が減ったなど家族や身近な人がいつもと様子が違うと気づく事で、周りが気づかない悩みを抱えて、知らず知らずに精神的に追い詰められているのかなという気づきがあれば、声をかけることが、大事になってきます。
傾聴には3つの要素があります。
・「共感的理解」聴き手が相手の話を聞く時に、相手の立場に立って、相手の気持ちに共感しながら聴くことです。
・「無条件の肯定的関心」相手の話を善悪の評価、思いこみで相手の話を否定せず、なぜそのような事を考えることになったか、相手の考えの背景を肯定的な関心を持って聴くことによって話し手は安心を持って話ができます。
・「自己一致」聴き手が相手に対しても、自分に対しても真剣な態度で、話が分かりにくい時は分かりにくいことを伝え、相手の真意をきちんと確認することです。自己一致に基づく傾聴とは、聴く側も自分の気持ちを大切にして、もし相手の話しが分からなければ、放置せず、内容を確認し、相手に対しても自分に対しても真摯な態度で聴く事なのです。
見守りは相手を観察する事で、決して過干渉にならないようにすることが大事だと思います。冷静な判断力と見極める力が必要になってきます。相手の心理状態でどこまで、干渉していいか分からない事も多いと思います。近い言葉で「寄り添う」という言葉もありますが、言えば良いってものではなく、やれば良いってものでもないと考えています。
統計上自殺者は減っているのでは?
数年前まで自殺者が3万人を超えていましたが、平成24年から減少傾向にあるのは事実です。しかし、あくまで統計上の話ですので、実際にこの数字が正しいのかは、我々一般人には判断できません。自殺までいかなくても未遂や考えることがある人も含めると相当な数字になると考えられます。10代から40代の死因の原因に自殺が常に上位を占めているのが現状です。さらに内閣府の調査で5人に1人が、本気で自殺を考えたことがあると回答している点も見過ごせないと思います。普段何気なく接している人が、心のどこかで、死につい考えている可能性があるのです。また「死にたい」と考えている人も「生きたい」という本能が心の中で葛藤し揺れ動いていることが多いのです。自殺に至る前に何らかのサインを発信していることが多く、周りの誰かが気づくことで防ぐことが出来る問題だと考えています。
ゲートキーパーの心掛け
ゲートキーパーの心掛けとして参考までにいくつかの点を書いていきたいと思います。まず、真剣に聴いているという姿勢を相手に見せましょう。そして相手の話を否定せず、しっかりと聴きましょう。自分が相手を心配している事を伝えます。一緒に考え、自分が相談に乗って困った時の繋ぎ先(相談窓口など)を知っておき、ゲートキーパー自身の健康管理や相手に共感しすぎて自分自身も辛くならないようにする事も大事です。参考までに相談機関のURLを貼っておきます。
私自身も、身内や会社関係者で自殺した人を過去何人も見てきました。後から考えると何かしらの言動で、自殺のサインはあったと思います。私自身、うつになり希死念慮がありました。不意に死にたいと心によぎるのです。「さぁ、今日は自殺するぞ!」と思って死ぬ人はいないと思います。ふと魔が差す時があるのです。そうなってからでは遅いのです。まずは抱え込んだ鬱屈した気持ちを吐きだせれば、気持ちは落ち着きます。まずは一人で悩まず、公的機関や支援機関などで相談して、今一歩踏みとどまる勇気を出して貰いたいと思いコラムを書かせて頂きました。
参考文献
政府広報オンライン
厚生労働省自殺対策携帯サイト
自殺総合対策推進センター