中途失聴者~ある日突然、聴覚障害になったら
暮らし 身体障害聴覚障害者の、全員が手話でコミュニケーションがとれるわけではありません。
手話を主なコミュニケーションとして使っている人は、全体の2割にもおよびません。特に「中途失聴者」においてはその傾向が顕著です。
中途失聴者とは?
中途失聴者とは、音声言語を習得した後、何らかの事情で聴力が落ちたり、聴力を失った人のことを指します。
聴力が下がる原因は、薬の副作用、強烈な音による耳のダメージ、頭部への衝撃、耳の気圧変化、遺伝性、ウイルス性、ストレス、などが挙げられます。
中途失聴者が困っていること
先天性でないがゆえに中途失聴者の場合、いくつもの困難があります。以下のようなものがよく問題として挙げられます。
・補聴器になじめない。
・後天的に聞こえなくなってしまったので、自分が難聴、聾者であるとなかなかいいづらい
・手話がなかなか覚えられない。または覚えることができない
聴覚障害者のコミュニケーション方法
先天的、後天的に関わらず、聴覚障害者のコミュニケーション方法には、次のようなものがあります。
手話
手を使って話をして、目で見て聞くという方法です。健常者が耳で覚えて習得したように、聴覚障害者の方も、小さいときから目で見ていろいろな言葉を覚えます。ゆえに高齢の中途失聴者には習得が困難とされています。
筆談
メモに書いてお互いにやりとりします。メモがないときは手のひらや、空間(空書)を使うことあります。言語概念を習得した中途失聴者であれば、この方法を使う人も多いです。また、聴覚障害者と手話を学んでいない健常者との会話で用いられることが多いです。携帯電話、スマートフォン等を文字を扱えるツールを使う場合もあります。
要約筆記
話の内容を要約筆記奉仕員(ノートテイカー)が要約し文章にします。主に中途失聴者、難聴者を対象にしています。しかし、書き手の意思や能力に左右されてしまうため、必要なことが書きとられているかはわからないことがあります。
身振り
ジェスチャーです。身振り、手振り、口の動きで伝えます。他のコミュニケーション方法と併用されます。
読話(口話)
話をしている人を見て、唇や口の動きで発音や内容を読み取ります。
日本語式指文字
日本語の指文字を、手のひらで触らせて話したいことを伝えます。
ローマ字式指文字
アルファベット指文字をローマ字表記にし、手のひらに触らせて話したいことを伝えます。
おわりに
聞こえていたものが急に聞こえなくなると、どうしたらよいかわからなくなるものです。相談することにすら抵抗がある人もいます。
しかし、相談しなければ事態は悪化するばかりです。勇気を持って、医師や周りの人に相談しましょう。
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