チュートリアル徳井、過去のツイートからADHDを疑われる?
発達障害人気お笑いコンビ「チュートリアル」の徳井義実氏が、申告漏れによる脱税問題により現在活動自粛中です。「政治とカネ」ならぬ「芸人とカネ」のスキャンダルは、闇営業問題から分かる通り数週間もあれば報道の減少などで沈静化するものですが、それまでに見過ごせない火種があったとしたら事情は変わってきます。
徳井氏の申告漏れ問題があらぬ方向へ動き出したきっかけは、過去のツイートを掘り起こされたことでした。「ガス代を払い忘れて止められたので今日は水風呂」など、主に公共料金の延滞や払い忘れがピックアップされ、会見で述べた「あり得ないほどのルーズさ、だらしなさ」も合わさってADHD説が浮上したのです。
実際にADHD当事者を自称するTwitterユーザーの発言では、「本来やるべきことがあるのに、優先順位の割り込みが多すぎて遅れてしまう。」という体験が非常に多いです。精神保健福祉手帳の2年更新ルールとも相性が悪そうですね。
ただ、精神疾患や発達障害の疑惑をいくら浮かべたところで、本人サイドが診察を受けるなどの行動をとらない限りは分からないでしょう。最後の判断は専門性のある医師のみが可能です。
「芸人とカネ」から一転
所得隠し&申告漏れという「芸人とカネ」のスキャンダルだったのが、本人のTwitterアカウントを遡ることで全く別の表情を見せています。過去に「電気を止められたので照明はアロマキャンドル」「ガスを止められたから今日は水風呂」といった生活模様をツイートしていたのですが、会見での「想像を絶するほどのルーズさ」「明日にしよう明日にしようと先延ばしにしていた」という発言と併せて「ADHDではないか?」と疑う声が出始めたのです。
電気やガスを止められたツイートは、先延ばしにする悪癖によって公共料金の未払いを何度も引き起こしたことを意味します。確定申告も同じように先延ばしを重ね、申告漏れにまでなったというのが支持者の予想です。(これを機に確定申告の煩雑さを見直すべきだという声もあります。)
理解や憐憫を示される一方、「明らかに脱税なので、けじめをつけるべき」というもっともな意見もあります。また、「ADHDを言い訳にするな!」「安易に障害や疾患名を出すのは当事者に迷惑」といった厳しい声や「自分をADHDと思い込んでいる低スペックって多いよな」など単なる罵倒まで様々な意見が噴出しました。
どのみち、ADHDかどうかという点については素人がネットで何を騒ごうとも医師の判断に比べれば些末なノイズに過ぎません。
ADHDと先延ばし
そもそもADHDと先延ばし癖は密接な関係性で繋がっているのでしょうか。当事者自身の感覚では「やるべきことの前に色々と割り込みがあって、優先順位が上がらない」そうです。整理されておらず常に割り込みが発生する行列のような状態なのでしょう。
ADHDは「注意欠陥多動性障害」と名の付く通り、大抵のトラブルは注意力と多動が関係します。先延ばし癖は多動による衝動性が関連するとされ、優先順位の狂いから約束を破ったり締め切りを過ぎたりする場合があるのです。これは初動障害ともいわれます。
約束や期限については(破った際の懲罰含め)理解しているのですが、多動による衝動性と興味のないことへの冷淡さ等から先延ばしにしてしまい、取り返しのつかない事態に陥ってしまいます。
判断できるのは精神科医だけ
結局外野の素人が何をどう騒ごうとも、徳井氏の発達傾向についてジャッジできるのは実際に検査した医師だけです。医師ごとに診断基準は違ってくるかもしれませんが、医療機関での正式な検査に勝るエビデンスは存在しません。逆に言えば、診断を受けなければ今後も健常者として生きられるという事でもありますが。
勿論、診断結果に関わらず脱税したことについての責任は取らねばなりません。しかし、診断名がつくことによって今後も同じような申告漏れを防ぐにはどうすればいいか真剣に対策を練られるのではないかとも思うのです。初診まで時間はかかるかもしれませんが。
ただ、「何もなかった」と診断される可能性もあります。公的料金や確定申告さえもダラダラと先延ばしにして滞納してしまうのは、セルフネグレクトに限りなく近い危険な状態です。それでも診断名がつかないことで「健常者だから一人でどうにかしろ」と孤独に対策を迫られては、来年の確定申告から早速申告漏れを起こすでしょう。
「病名に甘えるな!」と定期的に叫ぶ人はいますが、「病名がついているから配慮してあげよう!」というのも盲目的に叫ぶと却って害になります。裏を返せば「健常者なら配慮は要らないよね!自己責任!」とも言いかねないので、そうなるとやはり毒です。自己責任論や根性論そのものが幅を利かせている現状そのものが問題とも言えますが。
徳井氏に今後必要なのは、煩雑で融通の利かない公的手続きを先延ばしにしない為にどうすればいいかを考え実践することでしょう。診断の有無にかかわらず税理士などを頼りにするだけでは足りないと思います。過去の不正をすべて洗い流した後からでも、様々な支援の手にかかってもらえれば、もう脱税を繰り返さないのではないでしょうか。
参考サイト
チュートリアル徳井のADHD説が濃厚!申告漏れは発達障害が原因?|アレって気にならない?
https://mammybaby.biz
市橋クリニック:心の症状と解説:病気と治療方法 ADHD(ADD)
https://www.studio.co.jp
注意欠陥多動性障害(ADHD)