環境の変化による適応障害~自粛による弊害を緩和するには

その他の障害・病気

unsplash-logo Zhen Hu

新型コロナウィルス感染拡大による環境変化、出口が見えない状態では、1人1人がストレスリスクの多い状況と言えます。このような状況が続けば、うつ状態にまでならなくとも、メンタルの不調で適応障害を患う可能性があります。適応障害になると、5年後には40%以上の人がうつ病などの診断名に変更されています。つまり、適応障害は実はその後の重篤な病気の前段階の可能性もあるといえます。

適応障害とは?

適応障害の症状は、人によって異なりますが、睡眠障害、食欲低下や過食などが挙げられます。

気分の変化は、抑うつ気分、楽しいことがない、イライラする、普段は何でもないことですぐ感情が高ぶる、落ち着かないなどあります。

行動の変化は、やる気が出ない、物に当たる、身支度するのがおっくうになる、朝がだるくて起きられない、気がつくと何かを間食している、お酒の量が増えるなどです。

このような症状が2週間以上続いた場合は、心療内科か精神科の受診をお勧めします。

新型コロナウィルスによる外出自粛の場合は、普段と違う生活による生活リズムの乱れも、適応障害の要因になりそうです。たまに眠りが浅かったり、食べ過ぎたりする程度なら問題ないでしょう。今後、外出自粛が再び起きた場合の対策を立てておくことが望ましいです。

そこで、「いつもの生活リズムをキープする」ということに焦点を当てて、適応障害の予防対策を考える必要があります。

脳メカニズムを味方につける

先日、光療法、生物リズム学会などの国際学会から、世界中の言語に翻訳された提言が、発信されました。

この提言は、経験したことが無い生活スタイルの中で、メンタルの健康を保つためのヒントを示しています。「体内時計」を安定させることで、生活リズムの乱れを予防するものです。

不安な状況が続く中でも、体内時計が正確に働いていると、気分を安定させるために役立ち、辛い気分を和らげることができるというものです。

国立研究法人国立精神・神経科医療研究センター認知行動療法センターからの提言

この提言「新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の世界的流行下における、こころの健康維持のコツ」に記載された、自己管理術をご紹介させて頂きます。

1毎日、決まった時間に起きる。

2毎日、一定時間、三密を避けて外で過ごす。

3太陽の光を浴びる。

4在宅でする作業の時間や学習、料理などの活動の時間を決めて同じ時間で行う。

5毎日、同じ時間に運動をする。

6同じ時間に食事をする。

7人との会話をテレビ電話などで行って交流を持つ。

8昼寝は避ける。

9夜にパソコンやスマートフォンなどを見ない(ブルーライトは睡眠に必要なホルモンを減少させる)

10毎日、ほぼ同じ時間に起きて同じ時間に就寝する。

以上の生活習慣を維持することで、メンタルの不調を防ぐ予防となるそうです。

無理なくできる方法を

緊急事態宣言が解除してから、普段の生活に戻るときのために以上のような対策が適応障害予防の重要なポイントになります。自分なりに無理なくできる方法を考えてみてはいかがでしょうか。

参考文献

【時事メディカル第46回 防ぎましょう!新型コロナウィルスによる適応障害~「眠れない」「食欲ない」と困る前に~】
https://medical.jiji.com/

【一般社団法人日本生活習慣病予防協会新型コロナウィルスウイルスの怖さは「3つの顔」にある「負のスパイラルを断ち切ろう」と呼びかけ日本赤十字社】
http://www.seikatsusyukanbyo.com/

【国立研究法人国立精神・神経科医療研究センター認知行動療法センター新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行下における、こころの健康維持のコツ】
https://www.ncnp.go.jp/cbt/

tkbn

tkbn

40代男性。30代半ばでうつ病を発症。40代になって発達障害の疑いありと診断される。就労支援機関で自分の特性について学び、最後の就活を終えコラムを書いています。趣味は鉱石収集。年2回大阪・京都で行わるミネラルショーや即売会に行って、気に入ったものをコレクションするのが楽しみですが、部屋で飾る場所が無くなっているのが最近の悩みです。

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