日本は発達障害に住みづらい国!?
発達障害出典:Photo by Noah Näf on Unsplash
国それぞれに社会の考え方が違います。私は今までカナダとフランスに住んでいました。しかし、ADHDである私が一番環境に適用するのが苦労したのが母国である日本です。また近年、日本は世界でも発達障害と診断された人の数が多いと言われています。ではなぜ、日本が発達障害を持った人が多いのでしょうか?
必ずしも皆が病院に行くわけではない
まず発達障害は怪我ではないので、見た目では分かりません。また病気でもないので顔色が悪いわけでもなく、元気に運動している人もいます。多くの発達障害を持た人は、子どもなら他の子となじめなかったり、幼稚園や学校でトラブルが起きてから、成人は仕事でミスなどトラブルが増え精神的な疲れが溜まって心療内科へ行くケースが多いです。何かトラブルがあって初めて発達障害の診断を医師から下されます。逆に言えば、学校でも職場でもトラブルがなく順調であれば、心療内科に行かないので、例え発達障害のがあっても問題なければそのまま、知らずに人生を終える人もいます。
ドイツと日本の時間に関する考え方
日本では時間厳守の国民性で、それは世界でも有名です。ドイツも時間に厳しい国民性ではあるものの、「待ち合わせ時間の5分~10分前までに集合」のような考えはありません。鉄道も5分程度であれば運行の遅れとは判断されません。
しかし、日本なら1秒でも遅れれば遅刻とされ、時間を守れない人は人間性まで疑われる恐れがあります。特にADHDの人は時間のコントロールが苦手で、対策や努力をしても3分程度遅れてしまうこともあります。この場合はドイツだと問題なくても、日本だと学校や職場でも問題となり、精神的負担が大きくなります。
コミュニケーション方法の違い
欧州など大陸の人々は幼少期から自分が感じたことを言葉で表現するように教育されます。これはコミュニケーション方法が話し相手や、話している環境よりも発言した言葉に重きを置いているからです。その影響は話している言語にも影響し、必ず主語が必要だったり、話してる内容がすでに話題になった物なのか?その物は1個なのか複数なのか?、短い文章にもさまざまな情報があります。
しかし日本は地理的に島国であり、大陸に比べると異文化に触れる機会も少なく、自分と同じような生活環境で育った人が多いため、明確に言葉で伝えなくとも、話し相手や今の環境を考慮するれば、だいたいの会話の内容が理解できるようになりました。その結果「空気を読む」「察する」という欧米諸国とは真反対のコミュニケーション方法が誕生しました。
発達障害を持った人の多くは曖昧な言葉では会話の内容が理解できない、または苦手な人が多く、教師や上司の指示の内容が不明瞭で情報不足なため結果的にミスを起こすことが多いです。しかし「言葉で明確に相手に伝える」といこう大陸のコミュニケーションで指示を受ければ、ミスも少なくなる可能性は高くなります。
まとめ
以上のように各国の文化や社会で、ある国では発達障害の特性があっても問題なく社会生活に適用できるけれど、日本だと困難であり、結果的に診療内科で診断を受け、人数が多くなっています。
日本の社会は「多様な人々」よりも「平均的な人々」を求めていますが、障害者や外国人在住者、幼少期や海外で教育を受けた帰国子女、LGBTの人々など現状日本社会では平均的な人々で構成することが不可能になってきてます。しかし、同じ日本人でも様々な考え持ち非常に多様化しています。この多様化が人々に少しずつ浸透し続ければ、「自分と考えが違う人=変な人」から「自分と考えが違う人=当然なこと」なり、発達障害など凸凹がある人でも社会に適用しやすくなるかもしれません。
やはり自分の特性によって発達障害など医師に診断されて生きるよりも、特性が個人の性格と認められ、社会と共存している実感を持ちながら生きる方が心の負担が少ないからです。
参考文献
【SankeiBiz なぜ日本は「発達障害大国」なのか 国別統計で常にトップレベルの理由】
https://www.sankeibiz.jp
発達障害