好きな事や趣味を発達障害の自己対処の1つに!~乗馬のススメ
発達障害 スポーツ出典:Photo by shahir shah on Unsplash
私は発達障害を持っており、約2年半前に「アスペルガー症候群」と「ADHD」であると診断を受けています。
診断される前、学校を卒業して社会に出て数年、コミュニケーションが多い職場だったため、上司や同僚、顧客が求めることに対して、真意が理解できず言われたことをそのまま行なってしまいました。その結果、失敗が続き自分を責め続け、二次障害として「適応障害」を患い、会社に行けなくなり引き籠りがちに。現在は体調が復調したため、就労移行支援所に通所しています。
社会から離れ自信を失い体力も低下していた頃、見つけた趣味の「乗馬」が障害の自己対処法の1つとなりました。
私の特性について
本題に入る前に簡単に私の障害特性について説明したいと思います。
・0か100かで考えてしまう完璧主義、できないことに注意が行き自己肯定感が低くなりがち
・興味関心が湧いたらとことん追求し、過集中になりがち
・他人との心の距離感がなかなかつかめない
・相手の言葉の真意が読めず、冗談が分からない
・聴覚過敏で空間全体の音を拾ってしまい、相手の会話からの情報取捨選択が苦手
・独りですることはあまり続かなく途中で放置してしまう
・感覚過敏で疲れやすい体質で運動音痴かつ運動不足
以上の特性から会社では対人関係や業務で迷惑を掛けることもあり、自分自身を責めることにもなりました。
乗馬と出会ったきっかけと、始めてから感じたこと
これまでいろいろな趣味を行ってきましたが途中で飽きてしまうことが多かったです。当時引きこもりがちであった私を、友人が競馬観戦に誘ってくれて観る楽しさを覚えました。そして気づいたら観戦する側から馬に乗る側になり、馬のことが好きだと思う私がいました。
乗馬を始めた最初のころは、引きこもりがちで体力が低下していたからか、何をしてもすぐにへとへとになり体が満足に動かない状態でした。自信を失っている中、馬と触れ合うようになって、言葉は通じなくても触るだけで心が温まり落ち着くことに気がつきました。おやつを馬に与えている時に嬉しそうにする姿に癒されます。
馬の体温は人間よりも1度から2度高く、この少し暖かい体温が人間の心を落ち着かせるのかもしれません。馬は人間と違い言葉を話さないものの、行動で意思表示をしてくれます。言葉の表裏が分からない私にとって、とても理解しやすい存在です。馬が何を欲しているのか、何を嫌がっているのか考えるきっかけになり、人間関係にも繋がると思っています。
また、馬に乗るだけで水泳の運動量と言われています。引きこもりがちで体力が低下していた私は、馬に乗ることでこれまでよりへとへとになる回数が減りました。乗馬をすることにより体力の回復にも繋がっていると感じています。
さらに乗馬回数を重ね、馬と意思疎通することにより思い通りに操縦することができ、乗馬が上手くなっているという実感が自己肯定感を高めてくれています。
余談ですが、乗馬クラブで同じ趣味を持った人たちと話す機会が増えたことで、社会復帰するにあたり他人と関わる練習にもなっています。
乗馬のメリット
乗馬をすることで次のような効果があります。
・馬に触れる事で癒されて心が休まる
・馬は感情を体で表すので、言葉に惑わされず気持ちを読み取れ、相手の気持ちに寄り添う経験ができる
・乗馬するだけで水泳と同じぐらいの運動量があり、体力の維持、向上ができる
・上達が実感しやすく自信に繋がる
・独りでするスポーツではないので飽きずに続けやすい
・共通の趣味の人たちと関わることができる
おわりに
障害への自己対処の方法は人によってそれぞれ異なります。何かを好きになり没頭することも自己対処の1つになります。
競馬場や乗馬クラブなどで乗馬体験コーナーがあるので、お試しにいかがでしょうか?
注意欠陥多動性障害(ADHD) アスペルガー症候群 自閉症スペクトラム障害(ASD)