「人生無理バー」がTwitterでプチ炎上!「発達障害の男性は出禁です」

発達障害

Photo by Jorge Zapata on Unsplash

「毎日生きづらさを感じながらも、明日を今日より良くしていこうという『意志』のある人々の当事者会」をコンセプトに、大阪・京都・名古屋・東京のイベントバーを予約して行うイベント「人生無理バー」がにわかに話題となりました。

なんと「発達障害の男性を出禁にする」という判断を打ち出し、ツイートしたのです。予約していたイベントバーの店長が権限で無効とする形で撤回したそうですが、未だに出禁の話は広まっている状況です。「生きづらい人集まれ」と言ったそばから「発達障害の男性は来るな!」では話にならないと断罪されるのも已む無しでしょう。

なぜ「発達障害の男性」だけ出禁なのか

「単に女性限定の男子禁制でやればよかったのではないか?」という声も出るほど不自然な判断とも言えます。一応、主催者側からすれば「悩みに悩んで実行した苦渋の決断」「女性のスタッフや参加者を守るためには仕方がない」という言い分はあります。

主催者側の言い分はこうです。「今年3月に始めた時から男性参加者の問題行動に悩まされており、自分にまでアプローチをかける者も少なくなかった」「問題行動をとるのは発達障害の男性が圧倒的に多く、女性は全くいない」「11月15日の回でナンパに飽き足らず痴漢までする男がいた。明らかな性犯罪なので意を決し出禁の判断をとった」

要するに、イベントを崩壊させかねない危険因子を予め排除するべく、一番問題を起こしやすいとして「発達障害の男性」を出禁の対象と言いたかったようです。

この対応に理解を示し、情状酌量を求める声もありました。「出禁ツイートだけ拡散しないで、その前のツイートも一通り見てほしい!とても悩んで苦しんでいたから!」などといった擁護です。

中には、「似たような互助会を開いて似たようなトラブルを経験したので、発達障害を締め出すのは合理的で何らおかしいことはない」という同じ体験者としての目線もありました。

逆に出禁処置を食らう

トレンドに載るほどではないにせよ出禁ツイートは物議を醸しました。むしろ、下手にトレンドへ載らなかったせいでスパム動画の邪魔が入って有耶無耶になる可能性も断たれたと言えます。(トレンドに載るとスペイン語圏のスパムアカウントに捕捉され、関係ない動画で埋め尽くされます)

イベントの開催施設「エデン」の支店である「エデン京都」は、一連の炎上を受けて「人生無理バー」の主催者とファシリテーターを「出禁」にする措置を取りました。炎上に加え以下の問題点から、バーとして「迷惑な客」であると判断したのです。

障害者差別解消法に抵触
「障害者差別解消法 第三章 第八条」には「事業者は、その事業を行うにあたり、障害を理由として障害者でない者と不当な差別的取扱いをすることにより、障害者の権利利益を侵害してはならない」と定められており、主催者側の行動はそれに抵触すると指摘されました。
しかもエデン京都側に何も言わず独断でやっており、エデン京都からすれば「知らない間に店を違法イベントの会場として使われ、あまつさえ違法行為に加担させようとした」という営業妨害案件だったのです。
直接謝罪もしていないばかりか店舗と店長両方のTwitterアカウントをブロックしており、誠意とは程遠い態度であることも示唆されています。

エデン京都の客や従業員を侮辱
エデン京都は発達障害やグレーゾーンの男性客が多いコミュニティとしても機能しており、店長や副店長もその傾向がある当事者なのだそうです。つまり「発達障害の男性」はエデン京都の従業員として店を維持し、客として店を訪れているわけです。
「発達障害の男性は痴漢をするから出禁!」という声明に対し、エデン京都は「発達障害の男性は性犯罪者だと喧伝するも同然」と激しく抗議しています。バーの店長として、客を侮辱する厄介者には毅然とした対応を取らざるを得ません。

カウンターイベントの荒らし予告
「『人生無理バーの無理バー』をエデン京都で開催しますので、出禁にされた人も気軽にお越しください!」とカウンターイベントを企画したツイートに対し、主催者とファシリテーターが「父親を連れて殴り込みをかけてやる」と陰口を叩いていました。
たとえ冗談であったにせよ、犯行予告として処理(通報)されれば「冗談だから!」「便所の落書きだから!」といった言い訳は通りません。

主催者の反応

炎上を受けて主催者はどのような反応をしたのでしょうか。最初の出禁ツイート(11月16日22時)から5時間後(17日3時)に「一人ずつ出禁してルールを変えて、それでも問題行動が出る繰り返しだった」「問題行動を起こすのは決まって発達障害の男性」「的外れなアドバイスや運営方針のマウントも発達障害持ちから受けた。みんなブロックした」「私たちの生きづらさと発達障害の生きづらさは違う」と補足しています。

15時間後(17日13時)にはだいぶ拡散されたのか、「発達男出禁だけが一人歩きしてますね」と初めて炎上に言及します。そして、「こっちは一生懸命やってる。面白がられるのは不快」「これは半年前からずっと続いていた。加害者はいつも、衝動性があって対人距離もつかめない発達男」と撤回しない姿勢を見せました。

それからは騒動に言及するツイートに「リツイート」や「いいね」で反応していましたが、時間が進むにつれ自分たちに優しいツイートばかり選ぶようになります。「批判するだけして、どうすれば良かったか聞くとだんまりで消える奴は嫌い」「発達男性出禁は妥当な判断」などです。

18日1時の段階でイベントの開催施設側が「出禁については障害者差別解消法8条に抵触するおそれがあるため、店長権限で撤回する」と述べます。主催者側がこれをリツイートしたのは12時間も後で、元ツイートが夜中だったとしても炎上中の行動としてはあまりに遅すぎます。

18日15時、主催者側が公式に謝罪のツイートを掲載していますが、同時に「心配してくださった参加者様の体験談」としてセクハラ体験談も載せています。施設側のリツイートが遅かったことといい、内心では納得していないのかもしれません。

そうこうしているうちに19日、先述のエデン京都から「主催者の当店利用を無期限禁止する」と声明が出されました。これを受け主催者側は「当分はイベントを無期限停止する」とし、エデン京都以外で行うイベントもすべて中止しています。

互助会を開く器ではない

主催者の運営能力自体を疑問視する声も少なくありませんでした。「生きづらさを抱える人々」の互助会を開くには見通しの甘さが目立っていたのです。イベント開催の目的は「自己実現と小遣い稼ぎのため」と主催者自身が暴露していますが、当事者会や互助会を開く場合、下手な運営ではすぐに荒れてしまうそうです。

過去のイベント参加者が人格否定をしないよう気を付けたうえで問題点を指摘すると、「お前は××だから表でハッキリ言うんだな」と公開アカウントでリプライされたそうです。伏せ字の箇所は参加者がイベント内だけで打ち明けていたマイノリティで、すなわち気に入らない説教をしてきた参加者にアウティングで報復したことを意味します。

また、主催者はじめ一部の運営スタッフは炎上や無期限停止に納得できない様子で、「被害者意識を膨らませて女性を痛めつけて楽しいのか?逆差別にはうんざり!エデンの連中もうんざり!」と呪詛を吐く者もいます。被害者意識が膨らんでいるのはどちらでしょうか。

このように幼い面があるほか、主催者は追い詰められると何をしだすか分からない危うい精神性も露わにしています。自身の精神衛生すら担保できない中で「生きづらさを抱える人々と互助会を開こう!」というのは身の程知らずと言わざるを得ません。

ところが主催者は休養や勉強の期間を設けるでもなく、中止すると言ったはずのイベントを「人生無理バー」の名前を変えて実施しようとしているようです。スタッフ内でも社会的制裁を受け容れた人とそうでない者が分かれている中、まともにイベントを進められるのでしょうか。

参考サイト

人生無理バーについて|まよえるてんちょう
https://note.com

遥けき博愛の郷

遥けき博愛の郷

大学4年の時に就活うつとなり、紆余曲折を経て自閉症スペクトラムと診断される。書く話題のきっかけは大体Twitterというぐらいのツイ廃。最近の悩みはデレステのLv26譜面から詰まっていること。

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