自閉症の私が持つ強い「こだわり」

発達障害

出典:Photo by Thomas Park on Unsplash

皆さんは、物事に対してこだわりはありますか?自閉症スペクトラム障害を持つ私は、特定の物事に対してとても強いこだわりを持っています。「強いこだわり」は私のように自閉症スペクトラム障害を持つ人の特徴の1つです。今回はこだわりの強さから私が遭遇した様々なトラブルについてお話します。

幼少期の私

私が自閉症スペクトラム障害を診断されたのは、4歳のころでした。

当時の私は、自分が関心のないことには一切手を出さない代わりに、自分が関心のあることは全国クラスの成績を残すなど、とても極端な子どもでした。また、自分が大好きなキャラクターの名前を全て覚えており、家族がキャラクターの名前を間違えるだけで激怒するなどこのころから「強いこだわり」を持っていました。

このような特徴から、私は自閉スペクトラム障害と診断されたのです。

私のこだわり

成長するにつれて、私は様々な物事にの対して「強いこだわり」を持つようになっていきました。今回は、多くのこだわりの中から特に強い3つのこだわりと、それが原因で発生したトラブルについてお話ししようと思います。

1つ目は「学業面のこだわり」です。小学生ころから「勉強は学校でするもの」というこだわりを持つようになり、小学校から高校までの12年間、自宅学習の習慣が身に付きませんでした。そのため、宿題を自宅でできず毎日教師に怒られていました。さらに、中学になると宿題の提出率が内申点に直結するようになったため、自宅学習の習慣がない私は内申点がみるみるうちに減っていきました。高校受験のときには、内心が2点代後半という大変な状況になっていました。また、自分の関心がある教科と関心のない教科の点数の差が極端なため、第1志望に落ちる結果となりました。

2つ目は「趣味に関するこだわり」です。特に、中学高校時代に私が持っていたアニメやゲームに対するこだわりは、強くとても酷いものだったと思います。元々趣味に関してのこだわりが強く、自分の関心があるものはどこまでも追求する性格です。当時の私は、知識もないのに自慢げにファン公言する「にわか」や、プレイもしていまいのに自慢げに話す「エアプレイヤー」を許すことができませんでした。そのせいで、ヲタク友達の前で知識や経験がないと分からないような質問などを行い、答えられないことに対して追求するなどの吊し上げをしていました。今思い返すと、とても過激なことをしていたと反省しています。

3つ目は「時間に関するこだわり」です。小学生の時に担任の教師に「予定は未定。変わることもある」という言葉をいわれたことがあります。私その言葉に納得なできませんでした。なぜなら、私の中では「予定は入れた時点で確定事項」というこだわりがあったからです。そのため、旅行や外食の予定が急にキャンセルされると、長期間不機嫌になるということが今でもあります。

こだわり続けた結果

私は、大小様々なこだわりを持ち、妥協を一切しない生活を送ってきました。しかしその結果、学業面では関心のある教科と関心のない教科の成績の差が極端に開き、自宅学習の習慣がないことで内申点が低くなるという結果になりました。また、趣味に関しても高校を卒業するころには、特定の人としか会話しなくなりました。次第に私は「自分が持っているこだわりを妥協しなければいけない」と考えるようになっていきました。今では、少しずつ「こだわり」に対して妥協してきたことで、些細なことでイライラしなくなり、心なしか気持ちが楽になりました。

10年以上自分のこだわりを貫いてきた私は、「強いこだわり」から様々なトラブルに遭遇してきました。しかし、少しずつ妥協を覚えてくるとイライラすることもなくなり、気持ちが楽になりました。こだわりを持つことはとても大切だと思いますが、こだわりに囚われ過ぎずに時には妥協することも大切なのではと思います。

新人ヤロテスタント

新人ヤロテスタント

23歳の男性です。身体と精神障害者手帳持ちで現在就労移行支援制度を利用中です。趣味はゲームとアニメ鑑賞です。

自閉症スペクトラム障害(ASD)

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