統合失調症の生活への影響~実習を通して計画相談支援の利用者様にお会いしてみて
統合失調症出典:Photo by Maddison McMurrin on Unsplash
私は精神保健福祉士の実習生です。実習中に、統合失調症の利用者様にお会いする機会がありました。統合失調症は、幻覚や妄想、意欲自発性の低下、感情の表出の低下、認知機能障害などの症状のみられる精神疾患といわれています。当事者の方の声を聴いてみて「幻聴」や「妄想の思い込み感」や「送られている生活の様子」を知ることができました。そこで今回は、統合失調症の方の生活について書いていこうと思います。
対人関係の変化
統合失調症にかかると生活や行動にどのような変化がみられるのでしょうか?実習中にえられた気づきから、統合失調症の方の生活や行動の面について考えてみます。
「統合失調症」と言われると多くの人は、幻覚や幻聴、妄想には非現実的で夢のような思考をめぐらすイメージがあると思います。実際に統合失調症の場合、幻覚や妄想であるはずのない出来事を体験することがあります。実習中にも「急に人から大声をあげられた」「人から丁寧ではない扱いがあった」というマイナスな出来事をお聞きすることがありました。幻覚や妄想があるときは、被害的に思いがちな内容になりやすいためか、人から不快なことをされたと思い込んでいる様子でした。 統合失調症の方は、妄想や幻覚からその不快さにとらわれて、落ち着かなくなったり、人と関わることを避けるようになったり、人との付き合い方に苦労される方もいらっしゃるようです。「思い込みがちな面」があることを知って、統合失調症の症状に対する周囲の理解とサポートの必要性に気づかされました。
生活リズムの変化
意欲の低下や睡眠の障害にともない、生活リズムが整わないこともあるようでした。例えば、朝方に就寝してお昼前に起床しているときです。日中の活動をしていく場合、昼と夜が逆転していますと、午前中から外に出る時は出られませんね。日常社会で生活していくうえで、規則正しい生活は欠かせないはずです。 日中通う場がないと自宅でずっといる日が多く、生活リズムが崩れてきて、睡眠が不規則になってきたり、意欲の低下によって、服装に乱れが出てくる場合もあります。昼夜逆転の日が習慣づいてくると、意欲の低下から生活リズムを取り戻すにも時間を要する場合もあります。生活リズムを整えることが難しいと感じてくる場合、無理のないペースで、意欲が出ているうちに整えることが望ましいです。
統合失調症の方に向けた支援機関と障害福祉サービス
今回の実習で統合失調症の方は、体調による生活や行動の変化が出てくる場合があることに気づかされました。ささやかですが、社会生活を築きあげていくための支援機関や障害福祉サービスについて、いくつか紹介させていただこうと思います。
精神科デイケア
精神科での日帰りリハビリテーションのことで、文化活動や運動、就学や就職に向けた支援プログラムがおこなわれています。再発予防、生活リズムや心の安定などを目的とします。文化活動を通した人との交流や、ソーシャルスキルトレーニング(SST)による対人スキル訓練の役割もあります。
グループホーム
障害者の方が共同して入居している施設です。ヘルパーさんもいて、食事、入浴、排せつの介護や、その他の日常生活を送るための必要な援助がおこなわれています。
自立生活援助
自宅で単身などで生活している障害者の方に向けた援助です。定期的な自宅への訪問による、日常生活の自立をしていくための相談助言や、必要な援助が行われています。
実習を終えて
精神保健福祉士の実習を通して、当事者の方がどう生活を営んでいるのか気づかされる学びの良い機会になりました。これからも精神保健福祉士として当事者の方のサポートをしていけるよう励んでいきます。 万が一お困りの際には、支援機関への相談を遠慮なくしてください。もし、支援者として当事者の方に関わらせていただく時には、理解者の1人になっていけたら幸いです。
参考文献
【厚生労働省 生活の乱れ~服装の乱れ、昼夜逆転している、生活が不規則~】
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/index.html
【厚生労働省 障害福祉サービスについて】
https://www.mhlw.go.jp/index.html
統合失調症