持続性注射剤をしてみて再び飲み薬に戻るまで~統合失調症の場合
統合失調症出典:Photo by Diana Polekhina on Unsplash
みなさんの中で毎日、統合失調症の薬を飲むことを、わずらわしく思う方もいることでしょう。そんな方のために「持続性注射剤」があります。いろいろ種類があるのですが、ものによっては3か月効果が持続するものもあります。薬の選択肢のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか?
飲み薬から持続性注射剤にしようと思った理由
私は薬の副作用が出やすい体質で、たくさんの薬を飲むことに抵抗がありました。薬は1種類だけでしたが、毎日薬を飲むことをとてもわずわらしく思っていました。薬を飲むことに疑問を持っていたというわけではありません。しかし、たまに飲み忘れることもあり、薬の管理方法を見直さなきゃいけないなと思っていたところ、当時の主治医に「飲み薬から注射にしてみてはどうだろうか」という提案をしていただきました。
統合失調症の注射を打ってから、次の注射を打つまで3か月あけられると聞いて、とても魅力的に思えたのですが、薬の血中濃度がちゃんと保たれるかかなり不安でした。飲み薬なら、毎日飲むので血中濃度が保たれるのは納得ですが、注射をして、3か月もの間、本当に体内に残ってくれるのか疑問に思っていたのです。しかし、主治医いわく「きちんと保たれる」ということで、1度使ってみようかということになりました。
持続性注射剤を使ってみた感想
私はインフルエンザの注射も毎年必ず打っていたので、特に抵抗はなかったのですが、はじめて打ったとき、打った瞬間から痛みを感じました。打ったところがジンジンと痛むような感じです。
そして、翌日になるとその痛みはさらに増し、打った方の手を大きくは動かせないくらいにまでなりました。服を脱ぎ着するとき、お風呂で身体を洗うとき、寝返りをうつときなど、手を動かしたり曲げたりしようとすると激痛が走ります。筋肉注射なので「筋肉がない方は痛みを感じやすいかもしれない」という説明はあらかじめ聞いていたのですが、想像していたよりもはるかに痛かったです。筋肉がある方はそこまで痛みを感じないかもしれません。
私の場合は痛みが2週間ほど続きました。回数を重ねていけば慣れていくかと思っていましたが、何度打っても慣れず、痛かったです。しかし、毎日薬を飲まなくていいというのは本当に楽です。今まで毎日食後に飲まなければいけなかった薬が無くなりました。飲み忘れたらどうしようと思い悩むこともありません。薬のことを考えずに毎日の生活を送れることは何物にも代えがたいものがありました。痛かったのに注射を続けていた理由は、この楽さを天秤にかけたときに、こちらが勝っていたからです。
飲み薬よりも値段が高い
痛みのほかに、もうひとつ注射を使い続けるにあたって懸念材料がありました。それは値段です。私は3か月タイプの用量が最大値のものを使っていたのですが、それだと飲み薬(1種類)のときの約10倍の値段でした。自立支援医療制度を使ってもかなりの金額になります。
3か月に1回なので最初はあまり気にしていませんでしたが、年単位で飲み薬のときと比べると大きな違いがあったので、これからずっと使い続けるには自分には負担が大きいかもしれないと思うようになったのです。もちろん注射にも種類があるので、それぞれによって金額が変わってくると思います。
自分に合った薬を使う
私の場合は激痛が続くことと、値段が高いという2点から、再び「毎日薬を飲む」という形を選びました。しかし、筋肉がある方やお金に余裕のある方であれば、毎日の飲み薬よりも注射の方が楽かもしれません。もう少し安く、そして痛みが抑えられていれば、私は今も注射を続けていただろうと思います。よく飲み忘れてしまうという方や、飲み忘れの管理が億劫な方にも、注射は向いているのではないでしょうか?
みなさんもそれぞれの状況に合わせた薬を選んで、効果を持続させることが一番大切です。この記事が何かの参考になれば幸いです。
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