気分変調症~私の対処法
その他の障害・病気 うつ病出典:Photo by Fernando @cferdo on Unsplash
心療内科や精神科で「気分変調症」や「うつ病」などの精神疾患で診断されたら、皆さんは、どのような治療法を望みますか?一般的には薬物療法や精神療法だと思います。
私の場合、それらを試しましたが、15年間症状は変化なく完治しませんでした。しかし、ある精神科の医者にアドバイスされた対処法を実践したところ状況が一変しました。
このコラムでは、その具体的な方法と、自分の心・体・脳が実際にどう変化したかについて紹介していきます。
気分変調症とは
気分変調症は、比較的軽度の気分の落ち込みが慢性的に続く精神疾患です。
うつ病の一種であることから、うつ病と症状が重複する点が多くありますが、異なる点として大きく2つあります。
1つ目は、比較的症状が軽い。
2つ目は、症状の持続する期間が、うつ病は2週間以上に対して、気分変調症は2年以上続くっと非常に長い点です。
また、気分変調症は、治療するのに時間がかかり、再発も多い疾患です。まずは、完治よりも、生活する上で支障がない程度まで症状が安定した状態の「寛解」を目指すのが大切です。
発症は、25歳までの成人期早期に多く、たくさんの方が思春期前後に明らかな原因もなく発症しているため、本人は「性格の問題」と誤解していることも多いのが特徴です。
実際、気分の落ち込み、仕事にやる気が出ないなどの症状が続くものの、日常生活がなんとかできる程度のことも多く、周囲の人から「甘え」だと誤解されるケースもあります。そのため、医療機関に受診するのが遅れ、適切な治療が受けられない場合もあります。
私は23歳の大学生のときに、うつ病を発症してから現在までの15年間、クリニックに通い、2016年ごろに主治医から「あなたの障害は気分変調症です」と告げられました。私の場合、うつ病と診断された後に、気分変調症に変わりましたが、こういうケースもよくあるそうです。
一般的な気分変調症の原因と治療法
次に、気分変調障害の原因ですが、不安が強い、ストレスに過敏があるなどの気質的要因、子供時代の環境要因、親からの遺伝要因などといわれれていますが、ハッキリとした原因は不明です。
治療法に関してですが、決まった治療法はありません。その人自身の人生の歴史や性格、今置かれている環境等を考慮して、ケースバイケースに対応する必要があるからだそうです。一般的には、精神科や心療内科の専門機関に受診し「薬物療法」と「精神療法」が行われます。
薬物療法は、抑うつや不安の症状を軽減するための「抗うつ薬」の投薬です。
精神療法は、カウンセリングを通して、ものの捉え方など、自身のネガティブな思考パターンを見直し、良い方向に修正する認知行動療法です。
気分変調症の私の症状
世界保健機関(WHO)が作成した、気分変調症障害の「ICD-10」の中で、私の症状は以下のものです。
1. 朝起きた時のエネルギーの低下
2. 中途覚醒または過眠(9時間以上)などの睡眠の乱れ
3. 自信喪失、自分は無価値という自己嫌悪感
4. 集中力困難
5. 会話量の減少
6. 社会からの引きこもり
7. 将来に対する悲観、あるいは過去についての思い悩み
私は7つとも当てはまりますが、一般的には、上記の7つのうち3つ以上あれば気分変調障害に該当します。
治療法について~私の経験
私は、主に抗うつ薬の服用の薬物療法と精神療法を15年間治療してきました。しかし、症状に波があり、治まったと思ったら、気分の落ち込みなどの症状が出たりの繰り返しで、15年間処方された薬を服用するだけでは、完治する気配がなく「このまま一生治らないんじゃないか」と諦めていました。
本やインターネットには「気分変調症やうつ病は治る病気です」と明確に記載されているのですが、気分変調障害やうつ病の原因や治療法もはっきりわからないのに、なぜ"治る病気"とはっきり記載されているか、私にはわかりませんでした。完治するためには、何をしたらいいのか、その治療法に関して調べ尽くしましたが、どこにも書かれていませんでした。
ずっとモヤモヤした状態を過ごした中、2021年の春、自分にとって納得のいく治療法を見つけることができたのです。
それは、ある精神科の医者のアドバイスにヒントがありました。
それは、気分変調症などのメンタル疾患を予防し、病気にかかることなく長生きするためには、「生活習慣の見直しが必要」というものです。
生活習慣の見直しとは、科学的に正しい睡眠、運動、食事の3本柱を徹底的に整えることです。
例えば、睡眠を6時間以下にすると科学的なデータから、うつ病の発症率が5.8倍になるため、睡眠時間を7時間以上にした方がよいといったものや、うつ病などの精神疾患の方が朝起きれないのは、体内にセロトニンという、幸せホルモンが少ない状態のため、セロトニンを体内に増やすために、朝の光を浴び、15分程の朝散歩をして体内時計を調整した方がよいといったものです。
また、朝の光を浴びてから14~15時間後に体内でセロトニンからメラトニンという睡眠促進物質ホルモンに変化して、そのメラトニンにより、夜にぐっすり眠れると朝スッキリ起床できるといったものもありました。
非常に理論的でわかりやすく、精神科医のアドバイスということもあり、私には納得できるものばかりで、すぐに実践に移れました。
よい生活習慣をおこない、悪い生活習慣をやめていくと1週間後に効果が表れてきました。
朝スッキリ目覚め、夜も決まった時間に眠れ、睡眠の質も上がり、精神的にも落ち込みなどがなく、前向きな気持ちの状態でいられるなど、実践前と比較しても心や脳の状態が健康だとハッキリ実感できました。
なぜ体調がよくなったのか原因とその対処法をハッキリ理解できるので、今後もアドバイス通りの科学的に正しい生活習慣を続けていけたらと考えています。
私が気分変調症やうつ病になった直接の原因かはまだはっきりわかりませんが、今ハッキリ言えることは、私の学生時代の生活習慣は最悪なものでした。例えば、夜にコーヒーを飲んで、TVやゲームをしたり、休日は昼まで寝たり……です。「正しい生活習慣がメンタルの病気を治す」と今は胸をはってハッキリ言えます。
終わりに
私は、よい生活習慣はできるだけ人生の早い段階で身につけておくべきだと改めて思いました。
よい生活習慣をすればするほど、どんどん自分が楽になっていくのが実感できます。
私と同じような症状や精神疾患で悩んでいる方にとって、私のコラムが少しでも毎日楽しく生きていけられるような、きっかけのひとつになれば幸いです。
参考文献
【中根 允文訳「ICD-10精神および行動の障害 DCR研究用診断基準新訂版」】
https://media.gob-ip.net/
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