ミンナのミカタぐるーぷ、元うつ病患者で、現在はパニック障害による精神2級の手帳を持つ代表取締役が抱く想い

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栃木県鹿沼(かぬま)市にある「ミンナのミカタぐるーぷ」は、株式会社「ミンナのシゴト」と二つの就労継続支援事業所からなるグループです。事業所はA型事業所「ミンナのミライ」とB型事業所「ミンナのナカマ」があり、鹿沼市では初めてB型→A型→一般就労の流れを取り入れています。

株式会社「ミンナのシゴト」の主な業務はプラットホームの運営で、それは企業から仕事を受注し障害者施設へアウトソーシングする役割を担っています。2021年8月現在で全国272事業所の登録があり、累計6520名の障害者を繋ぐネットワークが構築されています。

うつの通院がきっかけ

代表取締役の兼子文晴さんは、かつて企業の営業部で9年間働き営業本部長にまで昇進していましたが、うつ病を発症してしまいます。希死念慮に悩まされながらも「両親を残して死ねない」の一念で通院を続け、徐々に寛解していきました。

寛解が進んだ頃、兼子代表はA型事業所を見学しました。メディア越しで想像していた障害者と違い、見た目では分からない障害者らが自立に向けて作業に取り組む姿を見て、衝撃を受けたそうです。地域にA型事業所はその1箇所しかなく、「これでは足りない、自分がやるしかない」と思った兼子代表は創業を決意しました。以上が創業までの経緯となります。

就労継続支援の課題

「ミンナのミカタぐるーぷ」にとって障害者就労の課題となっているのは、「障害者へのイメージ」と「営業経験の乏しさ」です。

障害者に対して「仕事が出来ない」「出来るのはパン作りか清掃か軽作業だけ」というイメージを抱く人は多いです。しかし兼子代表は事業所を8年以上経営した経験から、障害者の出来る仕事はもっと幅広いという実感とノウハウを持っています。データ入力・AIデータの蓄積・名刺入力・スマホ初期設定・YouTube動画編集・メールDM配信といった多彩なパソコン業務などを受注し、実際に利用者はやり遂げてきました。今は大手上場企業との業務提携で仕事量が増大し、「ミンナのミカタぐるーぷ」だけでは手が回らない程だそうです。

就労継続支援事業所は、報酬改定により(特にA型が)数多く経営危機に直面し、閉鎖される事業所さえ続出しました。そこで兼子代表が実感したのは、「営業が苦手な事業所が多い」「ずっと『福祉』を中心にしていたためか営業のスキルや人材に乏しい」という問題点です。前職が営業である兼子代表はそのスキルがあり、経営者向けの勉強会にも足しげく通うことで1000名以上の経営者ネットワークも持っています。

兼子代表はその経験と人脈を活かし、東京を中心に様々なIT企業へ営業をかけ仕事を受注し全国の障害者施設へ提供することが全ての事業所の為になると考えました。営業職の経験や豊富な人脈こそ、「ミンナのシゴト」の就労支援としての強みであるという自負を持ち、日々取り組んでいます。

グループ理念

「ミンナのミカタぐるーぷ」の理念とは、「日本から障がいという言葉と概念を無くす」の一点です。その大きな第一歩として、「日本から障害者雇用という概念を無くす」目標を立てています。

兼子代表は言います。「あの時A型事業所を見学しなければ、うつが寛解せず自ら命を絶っていたかもしれません。今こうして『ミンナのミカタぐるーぷ』を経営できるのも障害者の方々のおかげで、命を救われたとすら言えます。ゆえに人生の全てを障害者の幸福追求の為だけに使おうと考えています」

「障害者には就労において多くの可能性を持っています。彼ら彼女らを日本の企業で戦力として輝かせたいのです。なぜならば、健常者より優れたものさえ持っている『ニュータイプ』の人々なのですから」

株式会社ミンナのシゴトについて

現在株式会社ミンナのシゴトは東京を中心としたIT系の大規模データ入力作業を障害者就労支援事業所へ発注をしているBPO(アウトソーシング)事業をおこなっております。2021年8月現在、全国の272事業所の登録事業所があり、障害者を企業の戦力にしていきます。「日本から障がいという言葉と概念を無くし、全国800万人のミンナのミカタになる」事をやり続けます。

公式サイト

ミンナのミカタぐるーぷ ホームページ
https://minnanomikata.com

障害者ドットコムニュース編集部

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