以外と知られていない車椅子スポーツ~車いすダンス、車いすビリヤード、車いすゴルフ

身体障害 スポーツ

出典:Photo by Jens Theeß on Unsplash

パラリンピックには採用されていませんが、手軽に楽しめる車椅子スポーツを3種類紹介します。車いすダンス、車いすゴルフ、車いすビリヤードです。これらのスポーツを簡単ながら説明します。

Shall We ダンス?

社公ダンスと言えばどんなものが想像されるでしょうか?映画でもヒットした「Shall We ダンス?」が思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか?

車いすダンスとは、健常者と車いすに乗った障害者で行うダンスで、リハビリやレクリエーションとして取り入れられる場合もあり、れっきとした競技でもあるのです。

車いすダンスは、1960年代にヨーロッパで生まれました。当時、身体障害のある人たちが、車いすの人同士でダンスを楽しんでいたことが始まりとされます。その後1970年ごろに「何とか健常者と一緒に踊れないものか?」と考えられたのです。

そこで考えられたのが、車いすに乗っている障害者と健常者がペアを組むボールルームダンス(社交ダンス)です。車いすに乗っている方をドライバー、立ち役の健常者をスタンディングパートナーと呼び、2人でペアになって社交ダンスを踊ります。

車いすダンスとその種目

車いすダンスの種目、スタンダードとラテンを紹介します。

スタンダード……ワルツ、タンゴ、スローフォックストロット、ウィンナーワルツ、クイックステップ

ラテン……ルンバ、サンバ、チャチャチャ、パソドブレ、ジャイブの計10種目あります。

上の2つの大ざっぱな違いは、スタンダード種目は男女が向き合って組んだまま踊り、ラテンは向かい合って踊るだけでなく、ときには、お互いに離れたりと変化があります。

競技会では、スタンダード種目の場合、ドライバー(健常者)とスタンディングパートナー(車いす)が両手を繋いで踊ります(電動車いすは例外)。

車いすダンスは障害者と健常者が同じ舞台で活躍できる数少ないスポーツです。リハビリにも効果があり、最近では医療機関や老人ホームにも広がってきています。

車いすゴルフについて

障害者ゴルフのルールはR&A(英国ゴルフ協会)が定めた「障害のあるゴルファーのための規則の修正」(英文)というものがあります。

日本の場合、日本障害者ゴルフ協会は障害者の一般部門では「斜面などボールが打ちにくい場所にある場合は、1打罰でボールを打ちやすい場所に動かすことができる」など若干の障害者ルールを適用しています。それぞれの公式試合によって内容は違い、また部門やゴルフ場によってもそのルールは異なります。各試合の前に配布される「競技規則」をよく読むようにしましょう。

日本障害者ゴルフ協会の公式試合では次のようなクラス分けを行っています。「上肢障害」「下肢障害」「重複障害」「軽度障害」「車いす」「知的障害」また、日本障害者オープンゴルフ選手権ではグランプリの部があります。また、女子は障害を問わず「女子の部」で出場できます。

車いすゴルファー用の特殊カートを使用すれば、コースではボールのところまで移動し、プレーも座ったまますることができます。ただ、現状では車いすゴルファーを受け入れてくれるゴルフ場は少数です。

ゴルフは生涯スポーツであり、子供、大人、健常者、障害者関係なく楽しめるスポーツです。日本障害者ゴルフ協会では東京支部と名古屋支部では毎月1回練習場でのレッスン会を行っています。ですが現状の国内のゴルフ環境では障害者に方々にとってはまだまだ気軽にゴルフができる環境ではないのが実情です。

車いすビリヤードについて

日本における車いすビリヤードは、身体障害者のスポーツ、レクリエーションとしてはなじみが少ないですが、欧米ではリハビリテーション病院、施設における治療訓練およびレクリエーションとして、学校教育の特殊体育プログラム、さらにコミュニティスポーツとして普及しています。

残念ながら、欧米に比べて日本では車いすビリヤードという競技が浸透しておらず、専門的にビリヤードの指導を行っている施設は非常に少ないのが現状です。しかしルールは一般のビリヤードと変わらないので、興味がある方は一度試してみてはいかがでしょうか?

参考文献

【特定非営利活動法人日本車いすダンススポーツ連盟 車いすダンスとは】
https://jwd-f.com/index.html

【ビリヤードウェブキューズ 『車椅子を利用する方及び同伴者限定ビリヤード講座』が開催されました。】
http://www.billiards-cues.jp/

【障害者ドットコム 華麗なダンススポーツ、車いすダンスとは?】
https://shohgaisha.com/

【NPO法人日本障害者ゴルフ協会 よくあるご質問】
http://dga-japan.com

【R&A The Rules of Handicapping】
https://www.randa.org

tkbn

tkbn

40代男性。30代半ばでうつ病を発症。40代になって発達障害の疑いありと診断される。就労支援機関で自分の特性について学び、最後の就活を終えコラムを書いています。趣味は鉱石収集。年2回大阪・京都で行わるミネラルショーや即売会に行って、気に入ったものをコレクションするのが楽しみですが、部屋で飾る場所が無くなっているのが最近の悩みです。

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