失感情症とは~自分の気持ちが分からない
その他の障害・病気出典: Photo by Sydney Sims on Unsplash
「失感情症(アレキシサイミア)」は自分の感情を認め、表現や言語化することが難しい性格傾向のことを指します。1970年代にハーバード大学の心身症の治療に功績のあるピーター・E・シフネオス氏らによって提唱されました。
失感情症とは?
「失感情症」という言葉からは、感情が失われた病気をイメージしてしまいそうですが、それは正しくはありません。「感情の変化を失った状態」でなく「感情を認知することの障害」なのです。
失感情症とは病気ではなく「性格傾向」
感情がないわけではなく、自分自身で感情を自覚、認知できません。感情の言語化が苦手で、自分自身を省みたり、深く掘り下げて理解することが苦手という特徴があります。
つまり「自分は今、怒っている」などのように、はっきりと認識してその場で表現することが難しく、あとになってから感情が湧き上がってくるのです。
この「感情を認識できない」ことで、マイナスの感情が心の奥底にたまっていき、少しずつストレスをためてしまいます。やがてそれは、大きな感情の爆発を引き起こすことさえあります。例えば、普段おとなしいと思われていた人が、急に怒りだして暴れたりするように。
失感情症は孤立しやすく、疲れを溜め込みやすい
失感情症のかたは、感情を表現することが苦手なため、ストレスをためてしまう傾向にあります。ストレスはやがて身体の病状として現われ、さらにうつ病などの精神疾患を発症することもあります。
失感情症は病気ではなくあくまでも性格傾向です
自分が失感情症の傾向が強いのだと認識するだけでも、自分の体調や心のわずかな変化を認識しやすくなります。例えば、仕事や勉強の合間に自分が疲れている意識はなくても、一定時間や回数を決めて意図的に休憩を取ったり、呼吸法など自分がリラックスできることをやってみたりしてメリハリをつけましょう。
自分の感情の微妙な変化に気づき言葉にすることは、ストレスをため込まないように生活ができるためにとても大事です。
どうしても辛いときは、心療内科やカウンセラーなどで相談をすることも考えてみましょう。
参考文献
【e-ヘルスネット 失感情症(アレキサイミア)】
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
【The harvard gazette Peter Emanuel Sifneos】
https://news.harvard.edu/gazette/
【Wikipedia Alexithymia】
https://en.wikipedia.org/wiki/Main_Page
【新宿ストレスクリニック アレキシサイミアの原因】
https://www.shinjuku-stress.com
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